02.10.30
Inperial Records
2003-05-21/TEBI-45002/\4,500(税込)/DVD
2002年10月30日にNHK 101 STUDIOで行われた
一夜限りのSPECIAL LIVEを収録したDVD。
全16曲は実に圧巻。
7年前だけど恐ろしいくらい皺がないのが超人的であり
姫曰く
「拿捕された宇宙人みたい」と笑うが…
たしかに拓郎って宇宙人かもしれない。
すなおな曲の感想を書いてみよう。
1
『とんと御無沙汰』
歳を重ねてからの名曲だとおもう。
この歌には切先だった拓郎は存在しない。
やわらかな風景と堅実な現実を素直に見つめる
優しい拓郎しかいない。…いや…フリをしてるだけかも。
2
『春だったね』
名曲中の名曲だがこれはアルバム「Live73」バージョンで
めっちゃかっちょいいけれど…
やっぱり僕はアルバム「元気です」のほうが
繊細なアコースティックバージョンで大好きだ。
3
『いつでも』
拓郎本人が好きだけどFanにはいまいち…っていう
B級的曲はけっこうあるけれど
まあ…聴いているうちに…いつのまにか
好きになっていっちゃうんだけどね^^。
この歌の中でずっと気になるフレーズがあって
♪どうして俺の寝息聞いたのさ
やりなおせないのに濡れたりしたのさ
……なんとも言えない
ともすれば卑猥になりそうな詩も拓郎が唄えば、
どこか哲学的に聞こえるから不思議だ。
こんなフレーズを裏で書いたら女性Fanから
「そんなこともあるのが…女性です」と。
うむ…深い。やはり哲学的だ。
4
『淋しき街』
ノスタルジックな昭和の香りがどこからかする
♪わけもなくここはTOKYO…
のフレーズが心になぜかひっかかる。
5
『君が好き』
フォークな拓郎Fanが度胆を抜かした
アルバム「Live73」にはいってたバリバリロックな曲だけど。
♪病んだ街を見下ろしながら
野うさぎが吹き鳴らす
草笛のように笑う そんな壊れやすい午後に
君が好きだ
……まるで大人のメルヘンだ。
6
『今日までそして明日から』
時代に左右されることにない
静かなる名曲だね。
7
『流星』
これは僕の超~~~大好きな歌!
蓮か昔…たしかTBSかなんかの
池内淳子さんが主役のドラマの主題歌だった。
『隠恋慕』って歌もあったっけ。
8
『君去りし後』
なんか…リアルタイムに似たような経験があったので
これは…きつかったなあ。
まさに
♪君が去った後は
君が去った後は
君が去った後は
てんで はっぴぃになれないんだよ
9
『いくつになってもHappy Birthday』
アジテーションっぽく熱く叫びまくってた70年代の
荒々しい拓郎をおっかけてた僕には
え?
なに?
これ…
曲に変化ないし…単調だしぃ…
ちょっと…いや…けっこう肩透かしを食らった感は歪めないなあ。
しかし…口づさんでたら
止まらなくなる不思議な歌なんだけどね。
10
『Y』
僕はこのDVDでこの「Y」を知った。
なつかしい語り調の字余りの歌。
むかしロンゲ時代つきあってた拓郎がサーファーの彼女を唄った
シンプルで叙情的な胸がキュン!って鳴る歌だ。
11
『ロンリー・ストリート・キャフェ』
故安井かずみのつくった詩に
いかにも!たくろう!って感じのメロディ。
ギター1本で唄ったこの歌は。
バックをサポートする大人数のBig Bandも
霞んでしまうくらいの迫力があった。
さすがアコースティック拓郎である。
12
『パラレル』
どうしていくつになってもこんな歌ができるんだろう?
昔の彼女との別れの場面がリンクする。
♪俺の夢から お前がでてゆく
自由を選んだ お前がでてゆく…
これも故安井かずみの詩だ。
13
『ロンサム・トラベリン・マン』
みんなは嫌いだろうけれど
僕が好きだからいいじゃん!
って言いながら照れくさげに唄った歌。
いやいや!拓郎さん!僕も好きですよ!
14
『どうしてこんなに悲しいんだろう』
膨大な拓郎の作品の中で
僕が大好きで僕の中の拓郎ベスト1な曲。
拓郎本人も好きな曲にあげてる。
いろんなアルバムに収録されてるけれど
やっぱり音源的にも最高なのは
アルバム「人間なんて」に収録されてる
「どうしてこんなに悲しいんだろう」が最高!
エレキやらアコースティックやらピアノやらが
なぜかアナログチックにシャリショリしてて
何とも心地よい。
二度と再現はできないだろうなあ…。
15
『朝陽がサン』
フォークのプリンスは遥か昔の話。
新しい世代に臆することなく
逆に飛び込んでいこう!っていう素直な気持がいい。
たんなるおじさんになっちまったかも^^。
16
『サマータイム・ブルースが聴こえる』
この歌も大好き!
ぎこちない浜辺の初体験
何処か可愛らしい若者のショット。
長髪…パンタロンジーンズ…PPM
松本隆の詩と拓郎の親しみやすいメロディラインが
さりげなく合致して実に心地よい。
17
『落陽』
70年代の大ヒット曲ですごくノリも良く
Fanには堪らない1曲だが
実は僕はさほど好きでも嫌いでもない。
たぶん…冒頭苫小牧発仙台行きフェリーがでてくるせいかもしれない
いろいろあってフェリーはちょっとトラウマで…^^
18
『人生を語らず』
30代の拓郎の人生のメモランダム集って感じだろうか
僕はこの歌のある部分に衝撃をうけた。
♪あの人の為の自分などと言わず
あの人の為に去り行くことだ…
僕はそれまで愛は与えられるものと思ってた。
人に与える愛…
好きな人の為には
自分から引き下がるのも愛なんだと
ああ…大人ってすごいなあ…って感じた瞬間だなあ。
……
さてこのDVDのころは皺も無くつるんつるん肌だった
宇宙人のような拓郎さんも
2006年の「つま恋」ではその間にあった肺がんの手術とかで
ずいぶん痛々しい姿をしてたし急に老いた感じした。
ずいぶん便利な時代になったもので
最近はYou Tubeで昔の若い頃の拓郎がリアルに見れてライブも聞けるが
なんだろう…
僕はやっぱり
今の拓郎が好きだな。
姫も言う。
昔は嫌いだったけれど
今の拓郎は大好き!って。
2006年の「つま恋」であれだけの人が集まったのもすごいけれど
ほんとうは昔拓郎なんて嫌い!て人も来てたのは
同世代で頑張ってる姿に感動するからだとHNKのドキュメンタリーでは伝えてた。
最後のライブツアーも志半ばで中断してしまった拓郎さんだが
生きていてくれて
そして
新しい歌をこれからも発信していって欲しい。
体に留意して。
今宵のDVDのように
あいかわらず…な拓郎さんにずっと会い続けたいから。