令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方々に、謹んでお悔やみを申し上げます。また、被災された方々にお見舞いを申し上げます。1日も早い安全と日常への復興を心よりお祈りしております。
「スクラップ アンド ビルド(scrap and build)で、この国はのし上がってきた。今度も立ち直れる」
2021年5月14日(スクラップ アンド ビルドで、この国はのし上がってきた。今度も立ち直れる / 赤坂秀樹(演;竹野内豊) - 野球小僧 (goo.ne.jp) )のデジタル・リメイク版です(2023年12月30日の真夜中(実際には12月31日未明ころ)に息子がビデオを観ていたのを見て思い出しました)。
映画「シン・ゴジラ」にて、矢口蘭堂(演;長谷川博己さん)がリーダーとなり、対ゴジラの巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)によって立案された「ヤシオリ作戦(ゴジラに対抗するため、自衛隊と米軍、および民間企業の総力を結集して行われた作戦=日本神話にてヤマタノオロチを討つ際、酔わせるために用いられた酒「八塩折之酒(やしおりのさけ)」より命名)」が成功し、ゴジラは凍結され、活動を停止する。とりあえずの危機が去った後、矢口と話をする内閣官房長官代理・赤坂秀樹(演;竹野内豊さん)のセリフです。
シン・ゴジラは、2016年7月29日に公開された総監督・脚本を庵野秀明さんが手掛けた映画。東宝製作のゴジラシリーズの第29作。
この映画では人類とゴジラの戦いが主体ですが、映画の前半部分では、日本政府が未だかつて経験したことのない刻々と変化する未曽有の危機に対して、日本の政治組織における意思決定プロセスが描かれており、それが見どころでもあります。
東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出し、東京湾アクアラインでトンネル崩落事故が発生する。日本政府は海底火山か熱水噴出孔が原因だとして対応を進める。
「結論を急ぎましょう」「そうですな。やはり新たな海底火山か大規模熱水噴出口でしょう。ほかに考えられません」
しかし、ゴジラ(このときはまだ名付けられていない)の尻尾部分がTV中継で報道されたことで、日本政府は認識を改める。
そして、上陸は不可能(水生生物で上陸したとしても、自重で潰れるため)と決めつけ、会見で発表している最中、ゴジラは多摩川河口から大田区呑川(のみかわ、のみがわ)を、そ上し、蒲田で上陸し、街を破壊しながら都内に向かって行く。


相手は生物であること、陸上で行動可能であることを前提として捕獲か駆除かを検討。そして、政府による対処方針は駆除と決定。その大きさや性質が不明な事から生半可な攻撃では駆除は困難であると予想され、無制限に火器を使用できる防衛出動での自衛隊出動を模索。
「今ここで決めるのか!?聞いてないぞ!」
結果、半ば超法規的にではあるが害獣駆除を目的とした戦後初の防衛出動を要請・・・。
なんとなくですが、今の日本を写しているようにも思えます。
日本政府の危機管理における問題は、
・形骸化した会議や、無用な形式にとらわれた意思決定メカニズム
・危機感や判断、決断能力の欠けた政治家
・パニック回避に偏りがちな国民向け情報提供
・縦割りで硬直的な官僚機構
・緊急時の対処に貢献できない御用学者
・自衛隊の活動に関する強固な制約
などだと考えられます。これらをこの映画は現実的に表現しているとの評価です。
最終的には矢口蘭堂率いるチーム(文部科学省、環境省、厚生労働省、経済産業省、自衛隊など)が自衛隊や民間の協力などによって作戦が成功する。
最終的には矢口蘭堂率いるチーム(文部科学省、環境省、厚生労働省、経済産業省、自衛隊など)が自衛隊や民間の協力などによって作戦が成功する。
このような重大課題に対応して内閣官房に関係省庁から人を集めて特命チームを設けることは現実でもあるようですが、それを率いるチームリーダーがいるかどうか。
映画では最終的には官房副長官となった矢口蘭堂という優れた政治家が、的確に官僚機構や専門家集団を活用することで、危機管理を成功に導いたのですが、現実日本ではどうなのか。
緊急事態にもかかわらず、アピールばかり意識する政治家、キックバック案件における保身ばかりに対応する政治家などもいそう。
いつも被災された方々と、最前線で救助にあたっている方々だけが苦労しているとしか思えません。
本来、最前線で指揮をとるべき政治家が1月5日に3つの新年会に連続出席。前日にはBSのニュース番組に出演。
被災地のニーズ把握のため府省から派遣する「リエゾン」について問われ、「私自身もできるだけ早いタイミングで足を運んでいきたいと思います。現地はいま大変な状況ですので、しっかり確認したうえで適切な時期を考えていきたいと思っています」と答えたのはいいのですが。
9月の総裁選に話が及び、総裁を続けることで自分のやりたかった政策の完成度が高まるのではないかと問われ、「政策をより磨き上げたいと思いますし、結果を積み上げたいと思う。これは当然のことだと思います」と明言。
そして、政治資金問題で失った信頼の回復に努めたうえで、「30年ぶりに日本の経済を好循環にもっていきたい。さまざまな政策を形としてしっかり示すことにつなげていきたい。これに尽きると思っています」とのこと。
そして、政治資金問題で失った信頼の回復に努めたうえで、「30年ぶりに日本の経済を好循環にもっていきたい。さまざまな政策を形としてしっかり示すことにつなげていきたい。これに尽きると思っています」とのこと。
そもそも予定されていたスケジュールだったとしても、新年会に出席したり、TVで総裁選についてコメントしている場合なのか、どうか。
「スクラップ アンド ビルドで、この国はのしあがってきた。今度も立ち直れる」
この国を「スクラップ」化しているのは災害や事故ではなさそう・・・。そして「ビルド」しているのは国民と最前線のチームの方々だと、つくづく思えます。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。