「麒麟」は、吉本興業東京本部(東京吉本)所属のお笑いコンビです。結成当初はコントを中心に演じていたが、現在は主に漫才を演じており、ボケでネタ作り担当(立ち位置は向かって右)の川島明さんがマイクに近づき低い声で「麒麟です」と自己紹介する事が定番となっています。
さて、俳優の長谷川博己さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(毎週日曜20:00~)の第1回が1月19日に放送され、平均視聴率が関東地区19.1%、関西地区19.3%だったそうです。これは、2019年度の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の初回15.5%を上回る数字だったそうです。ちなみに、私は「イッテQ!」を観ていましたけど。
「麒麟が来る」は2019年11月に当初の帰蝶(濃姫)が麻薬取締法違反の罪で逮捕され、川口春奈さんを代役に撮り直し、放送開始を予定から2週間延期し、初回を迎えたものです。変な言い方ですが、民放のワイドショーなどでも注目を浴びた番組でした。
大河ドラマ「太平記」(1991年:第29作)を手掛けた池端俊策さんによるオリジナル脚本で、若き明智光秀をはじめ、織田信長、斎藤道三、今川義元、豊臣秀吉、徳川家康など、戦国武将たちが群雄割拠した時代を描くドラマです。
戦国時代を描いた大河ドラマは、ほとんどが主人公をタイトルに用いることも多いのですが、今回のタイトルは「麒麟がくる」です。
よって、動物園などで見る、首の長い「キリン」ではなく、多肉植物の「キリン」でもなく、東本昌平さんのマンガ「キリン」でもなく、
八神健さんのマンガ「きりん 〜The Last Unicorn〜」でもなく、坂口いくさんのマンガ「きりん BREAK A ROAD」でもなく、渡辺香津美さんの音楽アルバム「KYLYN」でもなく、 1948年から1971年まで尾崎書房が発刊していた月刊児童詩誌「きりん」でもなく、YouTuberの「キリン」でもなく、ゲームのモンスターハンターシリーズに登場する架空のモンスター「キリン」でもなく、原作・大塚英志さん、画・田島昭宇さんのマンガ「魍魎戦記MADARA」の登場する「麒麟」でもなく、HiSiliconによって開発されたスマートフォン用のマイクロプロセッサ「Kirin」でもなく、ビールでおなじみの「キリンホールディングス」(ブランドのラベルは「麒麟」ですが)でもなく、新潟県の下越酒造が販売する地酒「ほまれ麒麟」でもなく、新潟県の麒麟山酒造が販売する地酒「麒麟山」でもなく、ましてやお笑いコンビの「麒麟」でもありません。
このタイトルの「麒麟」は麒麟は、中国神話に現れる伝説上の霊獣のことです。
「麒麟」は、「王が仁のある政治を行う時に必ず現れるという聖なる獣」であり、番組公式サイトには「応仁の乱後の荒廃した世を立て直し、民を飢えや戦乱の苦しみから解放してくれるのは、誰なのか…そして、麒麟はいつ、来るのか?」「麒麟は一体、どの英雄の頭上に現れるのか…」と記されています。
初回(第1回)の最後に、「麒麟というのは穏やかな国にやってくる不思議な生き物だよ」というセリフがありました。
2020年。世界中が他人に対する親愛や優しさという意味で、そういう心を持った平和な世の中であって欲しいと思います。
「麒麟です」