注; ここに私が記載したからと言って、これが正解だということではありません。
さてさて、野球を始めたころから、知らず知らずのうちに「(右利きでは)ボールの捕球時は左足を前にする」ということを教えられてきました。
「どうしてなの?」という疑問も特に持たずに(今と違ってインターネットなどで調べるという手段もなく)、いました。理由は判りませんが、野球の常識だと思っていました。
ところが、最近のメジャー内野手の主流となりつつあるのが「(右利きでは)ボールの捕球時は右足を前にする」という逆パターンです。
そもそも、今から約10年前に米国で、一部の指導者が守備に関する野球指導を右足前捕球へと提唱したことがありました。
これはその昔MLBで活躍したレジー・スミスベースボールアカデミーでの指導です。スミスが現役時代にマーシャルアーツ(総合格闘技)の師匠とニューヨークで会談した時、「人間が普通に歩く時は左手を前に振った時には右足が交互に出てくるから、グラブを左手にしている選手がゴロを捕球する時は間違いなく右足が前の方がバランスが良い」という言葉にヒントを受けて「明日から右足前捕球で指導をする」としたのが始まりだそうです。
野球とは関係のない、他のスポーツ選手からの言葉。一概には信じられませんよね。
しかし、それから約10年。右足前でゴロ捕球する内野手が多くなってきたのです。
青のユニフォームがシカゴ・カブスのスターリン・カストロ遊撃手(ドミニカ共和国)、赤のユニフォームがボストン・レッドソックスのホセ・イグレシアス遊撃手(キューバ)です。
YouTube: Jose Iglesias and Starlin Castro fielding
この映像からも分かるように、ほとんどのゴロを右足前で捕球していることが分かります。
このメリットとして、次のように解説されています。
・バランスの良いフォームを維持できるために安定感があり、左腕の操作がしやすくなる
・グラブ側の足が後ろにあることで、グラブ操作をするスペースを十分に確保できる
・ハーフバウンドに対してグラブを引いて捕球することで、ハーフバウンドから大きなバウンドに変えることができる
・捕球後にすでに一塁方向にベクトル(力の向いている方向)が向いている
なお、この2つの映像は中南米の選手。
中南米の選手たちは貧しい環境で育っているため、小さいころからダンボールの切れ端をグラブにして、デコボコのグラウンドでプレーしています。だから、こうした技術が自然と身に付いたのではないかと言われているそうです。
また、MLBで日本人内野手が成功しない理由の一つとして、「右足前捕球が出来ていないからだ」というのがあったように記憶しています(怪しい記憶ですが)。
左足が前なのか、右足が前なのか。
どちらが正しいのかは判りませんが、エラーをしない基本的な守備を身に着けること。
それが正しいのですよね。