再生の窓口@藤原義塾の徒然日記

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モラトリアム、金利も免除!!

2010-01-10 | 浪花コンサル日記
モラトリアムで、ついに金利の全額免除に成功した事例が出ました。

亀井金融担当大臣が、「金利の減免も、モラトリアムの対象ですよ・・・」
と言われていましたが、その言葉を信用していた専門家などいなかったはずです。

金利は、金融機関の利益に直結しますから、金融のプロである金融機関が
金利の減免に前向きに取り組むことなど、本音としては有り得ないのです。


しかし、唯一の可能性として、考えられるパターンがあったのです。

そのキーワードは、モラトリアムへの取組みの報告義務です。

モラトリアム法(中小企業金融円滑化法)において、債権者である
金融機関には、3ヶ月~6ヶ月の一定期間ごとにモラトリアムへの
取組み状況について、所定の事業所において閲覧できるようにすると共に、
政府への報告義務が厳密に課せられました。

債権者である金融機関は、今までのように適当にお茶を濁す程度では
すまなくなり、真剣にモラトリアムに取り組む必要が出てきたのです。


現実に金融機関は、元金返済の棚上げについては極めて前向きな姿勢を
見せています。

リスケジュールに比較しても、交渉は難しくありません。

それでも、金利の減免については、妥協する姿勢を見せようとしません。

ところが、ある一定の条件化にある債権については、金利の減免に
ついて前向きに対応した方が、金融機関にとって得な場合があるのです。

今回の、金利の減免の成功事例は、その典型的なパターンなのです。


Aさんは、手形貸付について返済できなくなりジャンプを依頼しましたが、
金融機関が応じてくれなかったため、元金の返済と金利の支払を完全に
止めるしかありませんでした。

止めてから数ヶ月経ち、いつ期限の利益の喪失をしても不思議ではない
状況でモラトリアムを申請しました。

案の定、金融機関は、元金と金利について、簡単にモラトリアムを
承諾してくれたのです。

簡単にというより、債権者である金融機関から、この条件での
モラトリアムを切り出した感じなのです。


この事例で解るように、元利とも完全に支払が止まっている債権は、
このままでは期限の利益の喪失をさせ、金融機関は不良債権として
損金処理をしなければならなくなります。

直接償却をするにしろ間接償却をするにしろ、金融機関は新たな費用を
掛けなければなりません。

ところが、モラトリアムとして対応すれば、費用が発生しないばかりか、
取組み案件として政府に報告できるのです。

『どっちが得か損か・・・』を判断基準とする金融機関にとって、
この事例の場合では答えは明白なのです。


モラトリアムで、金利の減免の可能性があるのは、現実的に金利支払が
滞っており、いつ期限の利益の喪失をしても不思議ではない債権なのです。

住宅ローンは対象になりにくいでしょうが、中小企業の場合は、
このことを頭に入れてモラトリアムに取り組むべきでしょう。

しかし、こう考えてくると、やはりモラトリアム法は、金融機関を
救うための法律ですね・・・。





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