明日は終戦の日

毎年この時期、居ずまいを正して、
あるドキュメンタリー番組を観ることにしています。



雨の神宮外苑
2000年に放送された NHKスペシャル です。



記録映像に残る東条英機 陸軍大将の送辞 ・・・



聞き入る学徒 ・・・



御国 （みくに ） の若人たる諸君が
勇躍学窓より征途 （せいと ） に就 （つ ） き



祖先の遺風を昂揚し
仇 （あだ ） なす敵を撃滅をして



皇運を扶翼 （ふよく ） したてまつるの日は
こんにち来たのであります



美しい日本語ですが、良心のない言葉です。



学徒の答辞 ・・・



生等 （せいら ＝ 我ら ） いまや見敵必殺の
銃剣をひっさげ



積年忍苦の
精進研鑽をあげて



ことごとく
この光栄ある重任に捧 （ささ ） げ



挺身 （ていしん ） もって頑敵 （がんてき ） を撃滅せん



生等 （せいら ） もとより生還を期せず



さらに美しい日本語 ・・・ しかし、むなしい言葉です。



当時、東京帝国大学法学部2年 ・・・
（陸軍に配属され中国戦線で戦うも生き延びる ）



学徒として壮行会に参加していたこの男性は、番組の中で、
『生等もとより生還を期せず 』 という言葉に
抵抗を感じたと語っています。
『生きて還ってこの国を立て直す ・・・ 』
男性は、心の中でそんな思いを反芻しました。



きっと、学徒全員が同じ思いだったのではないでしょうか。
答辞の裏側に隠されたこの気概こそが、
日本を敗戦からよみがえらせた源泉だと思います。



明日は終戦の日です。



私たちの誰にでもできること ・・・
それは、忘れないことです。
忘却ほど残酷なものはありません。

JFK-World