JFK-World 世界の撮影・取材地トピック

Freelance Film Director
TV-CMおよびTVドキュメンタリー番組のディレクター & カメラマン

終戦の日を前に

2015年08月13日 | その他
今年も終戦の日が近づいてきました。
私は、この時期、必ずあるテレビ番組を観ます。




「雨の神宮外苑 」
2000年に放送された NHKスペシャルです。



1943年10月21日 ・・・
戦局の悪化から大学生の徴兵猶予が解かれ、
雨が降りしきる東京神宮外苑 国立競技場で、
戦地へと向かう学徒の壮行会が行われました。



東京帝国大学を先頭に、
およそ2万5千人の学徒が大学別に行進 ・・・



観客席には、やはり2万5千人の女子学生 ・・・



学徒の答辞 ・・・



生等 (せいら ) もとより生還を期せず ・・・
私たちは生きて還ることを望みません ・・・



番組は、壮行会に参加した人たちの証言で綴られます。



ある男性は、その時の心境を
『諦念 (ていねん ) 』 だったと語ります。



また、ある男性は、
抗いがたい運命だと思いすべてを受け容れた ・・・ と。



この日、兄を見送った女性は、
自分が生涯をかけて面倒をみるので、
大怪我をしてでもいいから生きて還ってきてほしい ・・・
と一心に願ったそうです。
(兄は戦死 )



この女性は、感極まった女子学生の行動を語っています。



行進がゲートを出ようとした時、
なだれをうって学徒に近寄って行った女子学生たち ・・・
当時の道徳観では不謹慎な行動だが、
雨と涙でずぶ濡れになりながら、
本能的にからだが動いた ・・・ と。



それに対して学徒たちは、
一点を見据えたまま行進を続けた ・・・ と。



その時の気持ちを、
ある男性はこんなふうに証言しています。
自分は男だから彼女たちを守らなければならない ・・・
自然にそんな決意が芽生えた ・・・ と。



秋雨の神宮外苑 ・・・
学徒と女子学生の一期一会 ・・・
この日を境に、
若者たちすべてが戦争の渦に巻き込まれていきました。



そして、
3千人以上の前途有為な学徒が還らぬ人となりました。

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