固定資産税とは、1月1日の時点で家屋や土地、償却資産を所有することにより課される税金であり、その資産が所在する市町村が徴収する地方税です。
つまり、家屋や土地、償却資産を所有するだけで税金がかかるというわけですが、固定資産税はなぜ払わなければならないのでしょうか。
今回の「不動産のあいうえお」では、固定資産税はなぜ払うかわかりやすく簡単に解説しましょう。
固定資産税をなぜ払うかは、ハッキリ言ってわからない
固定資産税をなぜ払うかは、ハッキリ言ってわかりません。
私は固定資産税に関する様々な資料を読みましたが、いずれも導入された経緯が記されているに留まり、なぜ課されるか、なぜ払うかは明記されていません。
各資料に記されている固定資産税が導入された経緯は、以下のようなものです。
シャウプ使節団は経済学のエキスパートであるカール・シャウプ博士と、税制に関する専門家らで構成され、同使節団は2ヶ月をかけて戦後間もないころの日本全国各地を精力的に視察しています。
当時の日本はインフレに悩まされていましたが、同使節団は日本がどのような税金を導入すれば経済が安定するか、長期的な発展を遂げられるか検討し、その内容を「シャウプ勧告書」としてまとめています。
つまり、固定資産税は、今から約70年前にアメリカから訪れた経済学の専門家らから受けた勧告を基に導入され、そのまま現在も課されているというわけです。
以下は、国税庁が公開するシャウプ勧告書の画像です。年季が入っていますね。
固定資産税をなぜ払うかは、税収の使い道から察することができる
固定資産税は昭和25年ごろに日本を訪れたシャウプ使節団から受けた勧告により導入され、なぜ払うかハッキリしません。
とはいうものの、市町村が固定資産税による税収をどのように使用しているかを知れば、なぜ払う必要があるか察することはできます(あくまで察することができるだけです)。
各市町村の税収の大部分は固定資産税によるものであり、その税収は、幅広い公共サービスを実施するために使用されています。
具体的には、病院や学校、警察署、消防署、浄水場、下水処理場、ゴミの焼却施設、ゴミの埋め立て場を維持する費用などとして使用されています。
また、道路や公園、水道管、下水道管などのインフラを整備するための費用としても使用されます。
それらの施設は無料、もしくは極めて低料金で利用でき、それらの施設がなければ、私たちの生活レベルは大きく低下します。
これにより固定資産税は、私たち自身が、私たちの生活レベルを維持するために払っていると考えることができます。
とはいうものの、もう少し固定資産税が安くなると助かりますね。
ちなみに、私が運営するサイト「固定資産税をパパッと解説」では、中学生向けに固定資産税をわかりやすく解説するコンテンツを公開中です。
同コンテンツでは、税額の計算方法など、固定資産税の仕組みをわかりやすく簡単に解説しています。
固定資産税にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
それにしても毎日暑いですねー、皆さんご自愛ください。それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。