便座の水滴

ここ半年くらい、心を悩ませていたことがあります。
それは、トイレの中での出来事。

良く、便座が濡れていたのです。

自分が使ったあとではないはずだから、
ヒロミさんが使用すると、なんらかの形で濡れてしまうんだと思っていました。

でも、なぜ濡れるのか。

ワケもわからぬまま、日々を過ごし、
便座を淡々と拭く毎日。


毎回濡れているから、きっとヒロミさんは気づいていないはず。
座っても、気づかない…。

じゃあ、これは汗？


つまり、なんだ。
ヒロミさんはかなり太っているから、体も変になってしまって、
すぐに汗をかくお尻になっているのではないかと思ったのです。


でも、それを息子として指摘するわけにもいかず。

時が過ぎていきました。


そして！

ついに先日、自分の悩みを打ち明けたのです。

「ヒロミさん、ここのところ、ずっと便座が濡れているんだけど、なんか心当たりありますか？」


すると、ぶっきらぼうなヒロミさんが少し考えた後、
わらいだしました。


こちとら、笑いどころではありません。
なんたって、心筋梗塞したことのある人ですからね。


「どういうこと？」

ツボに入ったようで、ケラケラと笑うロミちゃんに聞きました。


「あたし、手を洗ったあとにチャッチャってやる癖があるから、それで濡れているんだと思う」


いやいやいや。

一緒に暮らして27年くらいになりますが、こんな現象なかったやん。

もうすぐ誕生日のヒロミさん、
どうやら、あとの人のことを全く考えずにちゃっちゃと手についた水を振っていたようです。


ありえません。


ヒロミさんよ、心配したこの６ヶ月を返せ！！！