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人間万事塞翁が馬~膵内分泌腫瘍との共存

夫は2008年に膵内分泌腫瘍が発覚。スーテント→サンドスタチン→アフィニトール→ザノサー+5FU→2024年にPRRT

退院から会社復帰まで

2014-09-23 22:40:17 | 闘病
年が明けても 病院の食事は相変わらず全粥でした
傷口もまだ痛くてヒリヒリしていたのに 正月休みが終わって
あっという間に退院の日が決まりました
退院するのは嬉しいけれど大丈夫なの!?というのが本音でした
でも点滴も抜けてドレーンも取れて 特にほかに問題もなかったので
大学病院に入院して一か月で退院となりました

退院するときに体重を測ったら職場健診で測ったときよりもマイナス20キロ
元々は少し太り気味だった身体が 私よりも細くなってしまいました
家に帰ってもしばらくはお粥でしたが 入院中よりも時間が自由だからでしょうか
徐々に食べられる量も増えていきました

退院してからは週に一度 大学病院に通院することになりました
主治医は執刀していただいた先生です
いつも丁寧に説明してくださる笑顔の素敵な先生です
いまも主治医としてお世話になっています
その先生が何度目かの診察のとき「これからのこともあるので 予防的な化学療法について
腫瘍内科で話を聞いてください」と同じ大学病院の腫瘍内科に予約を入れてくださいました

後日腫瘍内科に行きましたが「今のところ保険適用の薬はない」(当時)とのことでした
しかしある病院に化学療法の第一人者である先生がいるとのことで紹介状をもらいました
いわゆるセカンドオピニオンですが…その先生にお会いしてお話を伺ったところ
大学病院の腫瘍内科とほぼ同じことを言われました
結局 予防的な化学療法は受けないということに決まり
この先も一か月に一度 通院して様子を見ることになりました

私はかなりがっかりしましたが 夫はこの時点で会社にいつ復帰するかを考えていたそうです
化学療法をしないならば 幸い身体的にはトラブルもないので(傷跡は痛いけど) 体力が回復したら復帰する!
そう決めたらしく 2月の一番寒い時期だったので
大きなショッピングモールをウォーキングのトレーニング代わりに歩き回ったりしました


そして3月の初め 夫は半年ぶりに会社に復帰しました

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4日目~年末まで

2014-09-20 22:30:31 | 闘病
入院は12月初旬だったので病院のロビーや廊下はクリスマスムードでいっぱいでした
手術が終わって落ち着くまでは あまり目に入ってこなかったのですが
不思議なもので少しずつ夫が回復してくると ロビーの大きなクリスマスツリーを
面会の行き帰りに眺める余裕が出てきました

3日目に硬膜外麻酔を抜いてからは 傷の痛みと肩の放散痛で辛そうでした
微熱がずっと続いていましたが 7日目に熱が上がり 中心静脈カテーテル留置(手術前に処置したもの)が
炎症を起こしているかもしれないということで抜かれたそうです
何日目かは覚えていないそうですが 歩けるようになり尿道カテーテルが取れました
面会に行くと 夫(点滴を引きずりながら)と一緒に病棟の廊下をゆっくり歩いて
デイルームまで行き そこでたわいもないお喋りをしていました
何を話していたのか 6年前のことなので定かではないのですが
深刻なことは話していなかったような気がします

そんな日が数日続き 夫が「一階のロビーに行ってみたい」と言い出しました
「クリスマスツリーが綺麗だよ」とエレベーターに乗って一階まで降りて
ロビーの椅子に座ると「頭がくらくらしてダメだ…病室に帰りたい」
顔色も良くなかったので「疲れすぎたのかな」と心配しつつ
クリスマスツリーどころではなく すぐに病室に戻ったのでした

病室は四人部屋で年上の方ばかりでした
お互いに調子が悪くないときは いろいろとお話をしていたそうです
あとはまだスマホがない時代だったので ひたすら読書をしていて
私は着替えの下着とタオル類と文庫本をいつも届けていました

クリスマスが過ぎて手術から二週間以上たっても
全粥からご飯になると苦しくなり また全粥に戻してもらうような食事だったそうです
病棟の医師からは「お正月は一時退院してもいいですよ」と言われたそうですが
不安で冗談じゃないと思い 即お断りしたと言っていました

息子が冬休みに入り あっという間に年末を迎えました
夫は病院 私と息子は自宅 初めて家族バラバラに大晦日を過ごしました
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手術後~3日目

2014-09-18 22:37:53 | 闘病
このブログを書き始めてから改めて同じ病気の方のブログを読ませていただいています
手術の直後から人心地つくまで 痛みで苦しんだり眠れなかったり…
夫はどうだったのか 経緯を聞いてみました

まずICUに向かうストレッチャーで運ばれているときに
事前の説明で麻酔が覚めるときに暴れたくなるかもしれないといわれていたのですが
本当に暴れたい衝動にかられて「ああ こういう感覚なのかー」と納得したとのことです
実際に暴れはしなかったそうですが…

当日の夜は何ともいえない苦しい感じで
身体につながれていたたくさんの器械がしょっちゅう音を立てるのが耳についたのと
高熱とであまり眠れなかったそうです

翌日は 熱っぽかったのと 鼻から胃にいれていた管がとにかく気持ち悪かったそうです
腹帯が巻かれていたので息がしづらく一生懸命呼吸をしようとしたら 
かえって過呼吸のような状態になってしまい苦しかったそうです
朝は夫のお母さんと私の両親がお見舞いにいき 私もそのあと顔を出したのですが
夫の記憶はさだかではないようです

2日目には鼻からの管が取れて 息もしやすくなったそうです
でも看護師さんに「立ってみましょう」と支えてもらったけれど
めまいがして立つどころではなかったとのことでした
確かに私が面会に行ったとき 「全然立てなかった」とブツブツ言っていました

3日目には劇的に回復 病室のなかの洗面台まで歩いたそうです
私には「歩いて自分でヒゲを剃ったよ」と若干得意気でした

まだ点滴はしていたし ドレーンもぶら下げていたけれど
顔に生気が戻り 声にも力が出てきたような気がして
ホッとしながら帰宅したのを覚えています


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手術当日 その2

2014-09-16 22:46:36 | 闘病
「取れるものは全部取れましたよ 麻酔から覚めたら会えますからね」
この言葉に私はホッとして身体から力が抜けていくような感じでした

膵臓の3分の2を切除したこと(体尾部)
脾臓も取ったこと 胃の外側に浸潤していたのでその部分も取ったこと
腫瘍の浸潤で塞栓状態になっていた門脈も取ったけれどバイパスの血管が自然にできていたこと
肝臓の転移も取れるだけ取れたこと

ただ肝臓の転移については いま見えていない転移がこの後出てくる可能性が高いので
定期的に検査する必要があるとのことでした

でも一度は「余命は月単位」と言われた夫が無事に手術できたのです
執刀した先生方には感謝してもしきれません

説明が終わったところで夫に会えることになりました
たくさんの機械に囲まれて 酸素マスクをつけて横たわっている夫を見たら
「本当に帰ってきてくれたんだ」と何ともいえない気持ちになりました
「お疲れさま」と声をかけると
夫が目を開けて何か言いたそうにしているので
「どうしたの」と聞くと
「寒い…」(感動的な言葉を期待してたのに)
術後は熱が出るので寒く感じることが多いそうです
看護師さんにあとは任せて帰ることにしました

夫のお母さんをホテルまで送っていき
自宅に帰ったら21時になっていました
長い長い1日でした

 

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手術当日 その1

2014-09-16 22:04:33 | 闘病
当日の朝 息子を車に乗せて少し早めに出発しました
まずは小学校に向かうと まだ7時20分になっていないのに
校門の前で担任と教頭が待っていてくださいました
息子が車から降りるときに
「絶対大丈夫よー!!」「お母さんも頑張ってくださいねー」
と お二人から声をかけていただき
私が交差点で曲がるまで両手をぶんぶん振って見送っていただいて…
何となくこのときに「今日の手術はうまくいくだろう」と思えたのです

7時50分に病室に滑り込んだら 夫のお母さんと私の父も来ていました
「頑張ってね 無事に終わるまで待ってるからね」
あっという間に看護師が迎えにきて 手術室の前まで一緒に歩いていきました
「ご家族の方はここまでです」と言われて 夫が自動ドアの向こうにいくまで見送りました

手術する患者の家族が待機するための部屋に行ってみたら
もう満員御礼状態だったので とりあえず父は家に帰ってもらい
夫のお母さんは宿泊しているホテルの部屋で待ってもらうことにして
私は病院内をうろついて時間をつぶしていました
昼前にもう一度待機室に行ってみたらだいぶ空いていたので
飲み物とお菓子を持ち込んで 呼ばれるまではここで過ごすことにしました
8時から少なくとも10時間だから まだ半分も経っていない(昼過ぎから夕方が一番長く感じました)
手術のことを考えると動悸が激しくなって 頭が痛くなるので
麻酔が覚めたときに何て声をかけようかとか いつごろ退院できるのかなとか考えたり
手術が終わったら連絡する先に携帯ですぐ電話できるように用意したりしていました
夕方には夫のお母さんもホテルから戻り 二人でひたすら待っていました

10時間が過ぎた18時頃 看護師さんが部屋にきて「終わりましたので先生のお話があります」
来たーーー!! 足元がふわふわして動悸が激しくなりましたが
「ご主人は処置が終わったら部屋に戻りますので」と言われて
ああ とりあえず無事に終わったんだ…とわかりました
夫のお母さんと支えあうようにして 看護師さんのあとについて先生の説明を受ける部屋へ入ると
術前に説明していただいた執刀医が満面の笑顔で立っていました


 






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