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イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

世界一大きな陶器のツリー:Deruta

2018年12月27日 17時35分28秒 | イタリア・生活

みなさんのお宅ではもうツリーは片づけてしまいましたか?

日本ではクリスマス終了と同時、いやそれ以前に玄関に門松を飾っているお宅がありますが、欧米では大抵1月6日まではクリスマスの飾りつけはそのままです。
丁度先週までイタリアにクリスマスの雰囲気を味わいに行っていた友達が、「デルタ(Deruta)の陶器のツリーがすごくきれいだった」と言っていました。

ツリーかプレセピオ(Presepio)か…これは永遠の問題です。
いや、イタリアではクリスマスが近づくと起こる至って最近の問題です。
私は伝統的なプレゼピオが好きですが、最近やはり流行なんでしょうね、ツリーを飾る家が増えています。
これは住宅事情やグローバル化などの理由もあるのでしょう。
昔は子供が生まれるとプレゼピオの人物や小道具を1つずつ毎年買い足していく家が多かったと聞いていますが、今はそんな家は稀でしょうね。
日本のお雛様や五月人形と同じような事情でしょうね。
たまにこの時期イタリア人宅に招待されて、伝統的なプレゼピオを見ると感激するのは、日本の家で7段飾りのお雛様を見るような感じ…お雛様の方が稀かな?
私はイタリア滞在中、1年に一個は多分買っていたと思いますが…今年は何1つ出しませんでした。だって面倒なんだもん。
毎年この時期色々な教会に飾られているプレゼピオを見るのが何よりの楽しみだったのですが、今年見たのは唯一これだけでした。

教会に飾られていたので、とても品が良い。更にちゃんとキリストはいませんでした。
そうそう、先日たまたま見ていたテレビ番組で槇原敬之が事務所に飾っている博多人形のプレゼピオを見て「これいい~」と思ったんです。彼の説明だと、博多人形なのに、一度アメリカに渡り、それを買い戻したんだそうです。
これはいいよ~なんとも言えない博多人形に柔らかさが出ていて…
写真がないのでわかってもらえないのが残念です。
彼の事務所には、外から見えるように飾ってある(既に「有った」?)そうです。
でもその代わり別に記事を発見。

博多人形のプレゼピオが福岡市内のモスバーガーに17年ぶりに展示されていたそうです。
25日まで、というところが日本らしい…
写真・参考:西日本新聞
でもこれではないんですよね。

加えてタイミングよく、イタリア人の恩師から「クリスマスにツリーを飾るか、プレゼピオを飾るか」というメッセージが送られて来て、なんとなく改めてその辺を考えていた今日この頃だったので、友人がいうところのデルタのツリーをネットで探してみました。


友達も言っていたけど、写真にするいまいちその良さが伝わりませんが…
この玉が全て陶器で出来ています。
全体図は

写真&資料:Corriere delle'Umbria
こんな感じ。
今回で5回目を迎えたこの陶器のクリスマスツリーはここデルタでは非常に大切なGuastaveglie家の意向で、同家のAntonioに捧げるために行われた。Antonioは子どもの頃からプレゼピオに非常に興味があって、陶器のプレゼピオを自分でも製作、国内でも有数のプレゼピオの作家でした。そんなAntonioの功績を称え、デルタの街では毎年この時期イタリア国内から優れたプレゼピオを集め、展示しています。(来年1月6日まで)

”緑の心臓”と呼ばれるウンブリア州(Umbria)にあるデルタの街は、州都ペルージャ(Perugia)から車で30分ちょっと。
古くから陶器とワインで知られた小さな街です。街の中には現在も陶器のお店が多数並んでいます。

この辺りは陶器に合った良い土が取れることから、既に1280年代にマヨリカ焼きを作成していた記録が残っています。そしてそれらは地元の人たちが使うだけでなく、ペルージャやアッシジ(Assisi)に運ばれていたことから、当時かなりの量が作られていたことがうかがわれます。
ウンブリア州ではオルビエート(Orvieto)を始め、色々な場所で陶器が作られていましたが、初期のデルタの陶器は植物や幾何学模様が描かれた極めてシンプルなデザインのものでした。

そんなデルタの陶器が大きく変わったのは15世紀の初め。
それまで作っていたテラコッタと呼ばれる素焼きの焼き物の製作を止め、マヨリカ焼きの製法での陶器作りに専念。

写真:Wikipedia

特に焼成した白いスズの鉛釉の上に、銅や銀などの酸化物で文様を描くラスター彩の技術を習得したデルタの陶器の名声は一気に上がりました。また中世は単純な図柄しか描かれなかったデルタの陶器に、16世紀初めにはイストリア(istoria)と呼ばれる歴史絵が描かれるようになり、歴史上や伝説の光景が非常に細かく描かれるようになりました。そしてデルタの陶器は“手工業”ではなく“芸術”の域まで高められ、ヨーロッパ中の貴族の館やテーブルを飾りました。現在は破片しか残っていませんが、デルタのサン・フランチェスコ教会(Chiesa di San Francesco a Deruta)の床のタイルを見ると当時の技術の高さがうかがえます。
また町にはイタリアでは最古の陶器博物館(Museo regionale della Ceramica)があり、そこでは16世紀から18世紀にかけてのデルタの陶器を見ることができます。

https://www.museoceramicadideruta.it/

確か昔行った時、このレストランに行ったんですよね。
美味しくて食べ過ぎて、店主から食後酒ご馳走になって…
痛い目にあったのですが、もしまたDerutaを訪れる機会が有ったら行ってみたいレストランでした。

Taberna del gusto
via Mastrogiorgio,7
tel:075.9724120



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