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イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

話題の北斎展とミラノのクリスマス

2016年12月15日 16時34分05秒 | イタリア・イベント

今月はユーロも上がって来ているし、しばらく大人しフィレンツェにいて、できるだけブログを更新しておりましたが、
昨日久しぶりにミラノに日帰りで行っていました。

ミラノはやはり寒かった…

でもやはりミラノはミラノ。スワロフスキーのツリーは今年も健在です。

さて、勿論このツリーを見にわざわざ行ったわけではありません。
この時期は毎年ミラノ市のクリスマスプレゼント(?)として、無料で傑作を1点(複数の年も有ったけど)見せてくれます。
実は今日はそれを書こうとPCに向かい始めたのですが、書き始めたらちょっと方向が替わってしまいました。
今日は軽めに。
その無料の傑作を見るのは、もうここ5年くらい続いています。
今回はそれに合わせて北斎、広重、歌麿(3人まとめて)と

ルーベンスの展覧会も見ました。

ルーベンスは…時間が悪かったのか、団体に挟まれて、オーディオガイドがちゃんと聞けず、落ち着いて見られなかったこのも有るけど、やはりまとめて見るもんじゃないなぁ、と。
新しい発見も有ったけど、とってもお腹いっぱいな感じになりました。

そして北斎他の展覧会ですが、評判がすごく良いとは聞いていたのですが、まぁ「所詮それは外国人目線でしょう?」(何様だ)とあまり期待せずに行ったのですが、すごかったです。
会場にいる人の口から何度も賞賛の声が漏れていたのを、なんとなくうれしく思いながら、結局行ったり来たりしながら、会場に4時間近くいました。
残念なことに、最後の歌麿コーナーでは集中力が完全に切れちゃっていましたけど。




200点以上が集まっていることは、最初にオーディオガイドが言っていたのですが(チケットにオーディオガイド料込)
いやいや、こんな風に、これほどの量の作品を一気に見られる機会、日本じゃあまずないでしょう…
と思ったら北斎の作品に関してはどうやら2012年京都で開催された生誕250周年記念の「北斎展」の作品とかなり被ってるみたいですね。
だって作品はホノルル美術館蔵の作品だと言っていたので。(京都には170点来ていたようですが)

恥ずかしい話ですが、日本の美術に関しては、西洋に比べたら全く知識がないので、知らなかったのですが、ホノルル美術館の浮世絵コレクションはかなりのものが有るそうですね。
「富嶽三十六景」が40枚も来ていたり(「三十六景」と言いながら46枚有ることを昨日初めて知りました)、
「東海道53次」を1から53の順番で展示したり(数点ですが広重の描いたものだけではなく北斎の作品も並べて展示してあったり)、
諸国名橋奇覧も良かったし、
全然知らなかったけど、「百人一首の歌意を乳母が判りやすく絵で説くとの企画のもと製作された北斎最後の大判錦絵揃物」が有ったり、
日本人が見ても素晴らしい内容の展覧会でした。
数か所キャプションの間違えは有りましたけど、イタリア語、英語の上、和歌などが描かれている場合は、ローマ字ですが日本語表記も有って、百人一首などは、「おおっ、まだ覚えてる」と上の句を読んだだけで、下の句が浮かんでくるようなものも有りました。

カタログを買う気満々だったのですが、あまりの重さに諦めました。
でも今日本屋で見たら「やっぱり買おうかなぁ」と気持ちが揺らいでいます。 
来年1月29日まで開催してますよ。

ミラノでは他にも偶然見つけたPresepe

Materaの情景を作ったもので、2005年からイタリア国内を毎年巡回しているそうです。
たまたま今年はミラノに来ていたそうです。

プロの職人さんが作っただけあります、すごく細かい。
今彗星が丁度鐘楼の右から出てきました。
細かいですよ~

写真の画像がいまいちですね。
これ丁度雪が降って来た時。

朝が来た。
これねぇ、今まで見たことがないんだよね。

聖母が赤ちゃんキリストを「高い高い」しているの。
実はこれブロンズ製のDaphné du BarryというアーティストがS.Severino Lucano(バジリカータ)のマリア信仰の聖地Pollinoに置かれた

この像の影響を受けているそうです。

展覧会を出たらもう暗くなっていました。

ここ数年”霧のミラノ”はほとんど見られなくなっていますが、やはりちょっとかかっています。
何よりも骨が痛い、という寒さ。
フィレンツェとは違います。

Duomo広場ではコンサートが行われていました。
この写真だと分かりにくいのですが、窓の上に番号が振られています。
それが12月の日付になっていて、昨日は14日だったので14番までが開いていて、そこから歌手や演奏家が顔を出しています。
25日まで番号は振られていて、クリスマスの日に、全部の窓が開いて、演奏者が揃うという仕掛け。
寒いからじっとして聞いているのがちょっと辛いし、変な人もいそうなので、ちょっと注意が必要ですが、雰囲気有りますよ。

そして日中に見たスワロフスキーですが

素晴らしい~

ドームの青がまるで富士山みたいに見えるのは私だけ?
他にも

プロジェクションマッピングのトナカイさん

雪の結晶。
ここはスカラ座の前の広場です。
素敵ですね~ミラノ。
ちなみにフィレンツェはいつも同じですが

こんな感じです。

いつもと違う場所から撮ってみた。

こちらはもちろんまだキリストはいません。

共和国広場とリナシェンテ

最後にミラノでこれ食べた。

どんなに行列が出来ていても、並んでも食べたいLuiniのPanzerotti(パンツェロッティ)
揚げパンですが

うまいのよ~
定番のトマトとモッツァレラチーズ2.5€、300円くらい?ここのところまたユーロ上がっているからねぇ…

そして帰りが遅くなるので、ここのところ気になっていたミラノ中央駅のビストロで

大して期待してなかったけど、結構おいしかった。
まぁパスタは手打ちのcasarecceというちょっとねじったパスタ。
そしてソースがかぼちゃとゴルゴンゾーラチーズ
ゴルゴンゾーラ、あまり得意な方ではないんだけど(じゃあなぜこれを選んだ?)全然癖がなくて美味しい。
早速レシピを探してみたら、私でも簡単にできそうなので、かぼちゃが出ているうちに作ってみよう。

ということで今日は軽いネタで失礼します。
明日に向かってこれから資料を読みますね。



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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
浮世絵 (山科)
2016-12-21 18:34:55
米国の浮世絵コレクションとしては、
ホノルルも確かによいのですが、素晴らしいコンデションに瞠目するのがシカゴ美術館Art Institute of Chicago のグッゲンハイムコレクションです。

あの春信にはびっくりしました。
返信する
訂正  (山科)
2016-12-21 18:38:23
✕>グッゲンハイムコレクション
〇>バッキンガム コレクション
 Clarence Buckingam Collection

失礼しました。
返信する
ありがとうございます。 (fontana)
2016-12-21 21:50:52
山科様
海外での評価が高いことがうれしいような残念なような…といつも思ってしまいます。
私自身も西洋を語る前に、日本のことをちゃんと知っておかないといけないな、と思います。
返信する
春信展 (山科)
2016-12-22 16:23:49
2002年  千葉で開催された
鈴木春信展の感想をURLに当時書きましたが、各美術館コレクションの傾向がでていたものでしたので、一応再度紹介します。現在読んでもそうおかしなことは書いていないと感じましたので、

再度 訂正
✕> Clarence Buckingam
〇>Clarence Buckingham

返信する
ありがとうございます。 (fontana)
2016-12-22 23:13:29
山科様
2002年にこんな展覧会が有ったんですね。全然知らなかったです。是非トンボの本を見てみたいと思います。
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