今この本を読んでいます。
昨年「カラヴァッジョの秘密」の日本語訳が出たとき、ちょっときになることも有ったので、それより前に翻訳されていたこちらも読んでみることにしました。
今週木曜日に返却期限が切れているのに、まだ3分の1くらい読み残ってる…
明日には必ず返却しますね。ごめんなさい!!
さて、これね…
のっけから気になることだらけ。
中でも一番気になるのは、2007年に日本にやってきたこちら
「受胎告知」に言及した部分。
この天使の足元に広がる花々について
「よく分からないのはチューリップだろう。大天使ガブリエルが空から飛んできたため空気がゆれて、ひらひらしたチューリップは今にも花びらを落とすかのようだ。日があたらないとすぐに死んでしまうチューリップは、神の愛に祝福された魂を表している。」(抜粋)
とある。
はて?なんでチューリップ?
レオナルドがこの絵を描いたのは1472年から75年と言われている。
この時代フィレンツェはおろかイタリア、更にヨーロッパにはチューリップは存在しないはず。
ヨーロッパに初めてチョーリップがやって来たのは1500年代に入ってから。
その辺りは先日「ブリューゲル展」の記事に書いた通り。
その存在するはずのないチューリップがこの絵の中に?
確かに大天使の足元に咲いている花、チューリップに似てるけど、これ???
正解は「チューリップは描かれていた!」
でもトルコから伝わつた私たちが現在思い浮かべるチューリップではないのです。
チューリップはチューリップでもいわゆる「野生」のチューリップTulipa sylvestris。
イタリア語ではTulipano selvaticoというそうです。
非常に清楚で可憐な花、というイメージです。
この野生のチューリップがレオナルドの時代、既にイタリアで見られたそうです。
こうしてチューリップの謎は解けたのですが、こういう突っ込みしたくなる人多いと思うので、この辺は日本語訳にだけでは簡単な説明を付けて欲しいものです。
最近美術を学ぶためにおすすめの本はないですか?と聞かれたのですが、コスタンティーノ氏の本はおすすめできませんね。
イタリアではテレビなどでも活躍していますが、「ものを知らない」と悪評も高い決して正統派の美術史家ではありません。
もちろん読み物として読むなら悪くはないと思いますが。
そしてこれはあくまでも私の個人的な見解ですのでご了承くださいね!
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