イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

かこさとしのひみつ展-だるまちゃんとさがしにいこう-

2018年09月07日 17時42分05秒 | 展覧会 日本

9月に入ったというのに、全然涼しくならない。
更に今週は台風だ、地震だと日本中の人が大変な思いをした。
被害に遭われた方には、出来るだけ早く元通りの生活が戻ることを心からお祈りします。

さて、「暑いので出かけたくない」と思っていたら、あっという間に8月が終わり、気がつくと閉展が近づいた展覧会がいろいろと。しかし、9月に入って暑いだけでなく、台風が来たりしていたので、ますますぎりぎりになり、こうなると「もう行かなくてもいいかぁ」と段々ダメな自分に引き寄せられる…そこを何とか踏みとどまって昨日またはしごして来ました。

まずは今年5月、残念ながら92歳でお亡くなりになってしまった絵本作家「かこさとし」さんの展覧会。

この展覧会、てっきりなくなった後、急遽企画された展覧会だと思っていたら、なんと展覧会は生前の案だったとか。
本当に惜しまれてなりません。

会場の川崎市民ミュージアムが、行きにくい…駅からバスとか嫌なんですけど。
さらにそんなに本数多くないよね、川崎、隣の市なのにここうちからだと結構行き難いのよね。
武蔵小杉駅からバスで15分くらいかな、途中等々力球場なんかもあります。

美術館に到着
同じバス停で降りた人はほとんどここに吸い込まれて行きました。

お目当てはこれですね。9日までなんです。
平日ですが結構混んでました。子連れが多い、まぁ子供も楽しめますよ。
展覧会会場自体はそれほど広くないですが、市民ミュージアムはすごく広いです。

ホール(?)にこんなオブジェや

でっかい埴輪がありました。
こっちのエリアは全然見なかったので、詳しいことは分かりませんが、ここは博物館と美術館が融合した施設で、常設展では川崎の歴史や民族などについての展示が行われているそうです。
展覧会会場に入る前に

こうして写真や作品が飾ってありました。
ロビーの売店にもかこさんの絵本がものすごい種類置かれていました。
自分が子供のころ読んだものなど、ほんの一部だったんだと実感しました。
絵本だけでも500冊以上あったそうです。
何かグッズが欲しいなと思ったのですが、本以外はTシャツやバックしかなく、お目当ての絵葉書は既に完売でした。
仕方がないです、あと数日で閉展ですからね。
ただ、展覧会の図録を作成しなかったというのはなぜでしょう?
それはものすごい失敗だと思いますが…

この絵は2014年に文藝春秋社から出版された「未来のだるまちゃんへ」の表紙の絵。
この本を読んでからこの展覧会を見ると、非常に分かりやすいです。
というのも、展覧会はかこさんがどうして絵本を手掛けるようになったか、というのを時系列で紹介しているのですが、その詳しい内容が本に書かれているからです。

人間の心を狂わせた戦争が終わり、生き残ってしまった罪悪感と大人たちの態度や考え方の急変に違和感を覚え、未来を見失っていたかこさんが子供に教えられ、戦争以前の自分を亡き者とし、新しい自分に生まれ変わり、子供を間違った道に進ませないために書き残した数々の絵本。一貫した強い思いがあったからこそ、数多くの作品が、今なお読み継がれている。そして、この先も読み続けていかなくてはならない。
子どものころはただ絵がかわいくて、物語が面白くて読んでいたけど、大人になりかこさんの思いを知ると、また違った読み方が出来る。

入口では私が一番好きなだるまちゃんがお出迎え。
お腹には

鈴木のりたけさんとヨシタケシンスケさんのサインが入っていた。
彼らもかこさんを尊敬してやまない絵本作家たち。
会場内は撮影禁止なので、写真はこれだけ。
絵本からは分からない細かさとか、色の優しさとかが伝わってくる。
スケッチ、下絵、複製原画などおよそ200点が展示されている。

私が一番好きな「だるまちゃんとてんぐちゃん」は幼稚園時代にとっていた「こどものとも」でやって来た。
あの毎月本がやって来るシステム良かったな。
今でも有るのね。「かがくのとも」も取ってたけど、そちらはちょっと苦手だった。
「ぐりとぐら」のシリーズも大好きだった。
歯医者に行くと必ずと「はははのはなし」が有ったよね。

子どもがいないので、最近の子はどんな絵本を読んでいるのか知らないけど、何十年も読み継がれる本当にいい読み物ばかりだったなぁ。
残念な方を失ってしまったなぁ…

かこさんのふるさと福井県越前市に2013年に絵本館がオープン。
そこではこんなだるまちゃんを作ったりもできるらしい。


かこさとしのひみつ展 9月9日まで川崎市民ミュージアムにて開催中
かこさとし絵本館



最新の画像もっと見る

コメントを投稿