イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Firenzeの洗礼堂、北側の門のお蔵入り!?

2013年03月21日 00時52分46秒 | イタリア・美術

三寒四温とは言いますが、桜→春とはなかなかなりません。
今日も昼過ぎから雨。ホント、よく降る!!
水不足の心配はなくていいのだが、アルノ川、結構やばい感じなんですよ。

さて、FirenzeのBattistero(洗礼堂)と言えば、ミケランジェロがPorta del Paradiso(天国の門)と呼んだことで有名な、金ぴかの門がありますが、あれがレプリカだってことは皆さんご存知ですよね。
そしてあのレプリカを造る費用いや本物を修復する費用を出したのが日本人だってことも・・・確か1度その話はここでしたような気がします。
1966年Firenzeを襲った大洪水で本物は大損害を受けたんです。
現在はMuseo dell'Opera del Duomoに置かれていて、昨年全ての修復が済み現在公開中。

「天国の門」の人気の影に隠れていますが、私はこちらの北側の門の方が好き。(洗礼堂の出口側)
だってなんか「天国の門」って成金趣味じゃないですか?

写真はWikipediaより
この門の彫刻家を選ぶ為に1401年Firenzeではコンクールが行われ、それに勝ったギベルティがこの門と天国の門を人生をかけて製作。
だって、「天国の門」が完成したのは74歳。コンクールに参加したのは実に23歳の時だもんねぇ。
2枚の門が彼の人生の全てと言っても過言じゃないでしょう・・・

そして決戦で敗れたブルネレスキは彫刻家の道ではなく、建築を学ぶため、友人ドナテッロとローマへ。
ローマで古代建築の知識を充分研究史、起死回生、今度は洗礼堂の正面に立つDuomoのCupola(丸天井)の建築家を選ぶコンクールでギベルティを破るわけです。いや、正確には2人とも選ばれるんだけど、ブルネレスキがやめさせたとか、やめさせるように仕向けたとか・・・

だってこのブルネレスキという人は、なんかちょっと・・・
よく言えば仕事熱心なんだけど・・・なんかちょっと意地悪な人のイメージが有るんですけど。
クーポラの建築方法をなかなか理解できない職人たちに蕪を使って説明したり(丸い模型が作れない時代ですから)、一度足場に上がったら休み時間でも職人が下に下りないように、食べ物を運ばせたとか(食べるほうはいいけど、排泄するほうは?ばけつかしら?)、とにかくイタリア人じゃない仕事熱心な人だったようですよ。
さすがにミケランジェロのように一人で作業はしなかった(いやできないでしょう)けど、職人は結構とっかえひっかえだったとか・・・昔授業で聞いたので、記憶が間違っていたらごめんなさい。

1401年、このコンクールによってまさにルネサンスの扉は開かれた。

こちらが勝敗を決めたギベルティの”イサクの犠牲”
本物はバルジェッロ美術館に保管されています。

で、こちらの門が600年ぶりに修復に入るため、取り外された。
通りでここのところ洗礼堂の周りが工事中だったわけだ・・・
しかし、取り外されること事前にわかっていたら、見に行きたかった・・・

18日の21時ごろこんな感じで運び出されてしまいました。
2015年10月にPapa(法王)がFirenzeを訪問することが決まっていて、それを目指して修復に入る。
但し、本物は2度とここへは戻らずにお蔵入り。
Porta del Paradiso(天国の門)と同じくMuseo dell'Opera del Duomoへ

本物の保管という意味では仕方がないことなのだが、文化遺産というのはその土地と結びついて初めて最高の価値を生み出すと考えている私にはちょっと残念。
更に今までは無料だったのに、これから有料になっちゃうし・・・

それにしてもあ~こんなことなら修復前にくまなく写真撮っておけばよかった。
久しぶりにちょっとまじめなお話でした。
やばい、もう寝なきゃ、1時だ。



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2 コメント

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めぐみです! (めぐみ)
2013-03-23 10:41:02
はじめまして、初コメントです!
はじめまして!めぐみっていいます、他人のブログにいきなりコメントするの始めてで緊張していまっす(^▽^)/。ちょくちょく見にきてるのでまたコメントしにきますね(*・・*)ポッ
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是非是非 (fontana)
2013-03-23 17:13:37
めぐみさん
初めまして、コメントありがとうございます。
緊張しないで是非また遊びにきてくださいね。(^o^)丿
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