中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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銀行からの「こんにちは」で始まる奇妙なメール

2014年10月31日 04時27分36秒 | 閑話休題:日々雑感

     銀行からの「こんにちは」ではじまる奇妙なメール

          2014年10月30日(木)

 もうこれで3回目になるが,ここ1~2ヶ月の間に,私が口座を開設している○○銀行から,数回にわたって奇妙なメールが届く.
 このメールの書き出しは,「こんにちは」である.「こんにちは」という書き出しを読んだ瞬間に,“これは偽メールだ…”と思う.
 発信元を見ると,
  XXXXXX@****.tw.
 何と発信元は台湾からである.

 メールの内容は,銀行の取引システムが変わったので,このまま放置しておくと取引ができなくなるので,銀行のHPにアクセスして,継続手続きをするとともに,アドレスを教えろという内容である.そしてメールの末尾には某銀行ホームページ(勿論偽物のHP)のアドレスが記載されている.
 もちろん,私はあやしいと確信しているのでクリックせずに放置した.なぜなら,
 “銀行が,重要な連絡事項をPCメールで送るなんてあり得ない”
と思ったからである.

 このメールを最初に受信したときには,すぐに削除し,そのまま放置した.
 しかし,2回目に同じ内容のメールを受信したときには,ひょっとして被害者が出ても困るなと思って,某銀行大船支店の窓口にメールのコピーを届けた.
 窓口の話では,私以外に複数の方々から同様な届けがでているとのことである.

 それから1ヶ月余りの間に2回,同じ内容のメールが届く.
 勿論,私は無視.でも某銀行の顧客名簿が外部に流出したというニュースもあったので,どうも薄気味悪い.
 そこで,鎌倉駅付近に用事で出掛けた序でに,某銀行鎌倉支店を訪れた.そして,顧客情報が盗まれたのではないか,何か対策を取っているのかと伺った.
 係員の話によると,この発信元は,某銀行の顧客名簿を使っているわけではなく,某銀行に取引があるなしにかかわらず,無差別に当該メールを流しているとのことである.でも,この銀行員の説明が本当かなと疑いたくなる.もしそうならば,何も某銀行だけでなく他の銀行名を騙るメールが届いても良いはずだ…
 まあそれはともかく,
 「…銀行から,重要な情報をPCメールで送ることは絶対にありません…」
と係員が断言する.さらに,
 「…何かご不審な点がありましたら,当銀行のHPをご覧ください…」
とのことである.
 でも,うっかりHPを開くと,偽のHPに誘導されてしまう可能性も否定できない.桑原桑原…一体,何を信じたら良いのだろう.

 話は変わるが…
 昔々,『東京物語』という映画を見た.勿論,白黒.その映画の中で出てくる事務所の風景を何となく連想する.
 この事務所には数名分の机を並んでいる.事務所には,壁掛け電話が1台しかない.それも発電機のハンドルをグルグル回す磁石式だ.
 私が子どもの頃は,電話は役場,駅,学校,駐在所,それに極々限られた家にしかなかった.今考えればとてつもなく不便である.

 時代が下って,私が大学を卒業する頃,そう…半世紀以上前だが,まだコンピューターはなかった.歯車式計算機でさえ高価な代物.
 研究生活の大半の時間は,もっぱらソロバンと計算尺を使っての数値計算に費やしていた.修士課程の2年間は,もっぱら手計算の時間だった.今,PCを使えば何百分の1秒で,もっと精度の良い計算ができるのに…私の修士は一体何だったんだろう?

 …ま,当時は,それこそ,実験でも事務作業でも,機械など使わずに“手塩に掛けて”やっていた.だから逆に言えば自分のものになっていたとも言える.それでも,不便だとはちっとも思わなかった.それが当たり前だったから…

 私は昭和35~36年頃から,コンピュータと関わりのある仕事を続けてきた.今のようなIT依存の社会など想像すらできなかった.
 私は,生涯,コンピュータとともに生きてきた人間である.その間,極々,微力ではあったが,”コンピュータというパンドラの箱を開けるのに荷担してしまったな…”という慚愧の念がある.

 今の私は,勿論,PCなしでは生きられない.とにかく,PCは,とても便利である.
 でも,常に疑心暗鬼,何事も常に疑って掛からないと,何時,奈落の底へ突き落とされるか分からない.また, PCを使っていると,100%人を信じることができなくなる…これはPCがもたらす悪性の副作用だなとつくづく思う.

 PCもテレビもなく,ラインやスマホ中毒にもならずに,朝焼け夕焼けを眺めながら,自然とともに慎ましく生きていた頃のことを懐かしく思い出す.
 ICTでとても便利になったのと引き替えに,何か大切なものを失ってしまったのでは…
 でも,もう…昔には戻れないなぁ~…
 私も,知らず知らずのうちに,全治不可能なPC中毒に侵されてしまったようである.

 1通の偽メールが,改めてICTの功罪を思い知らされる切っ掛けになってしまった.これから先,どうなっていくんだろうか…行く末を考えると恐ろしくなる.

                                       (おわり)


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