Feel the sun

   歩くこと、踊ることが好きです。
   日々の出来事、風景・花の写真、
   メッセージなどを綴っています。

Purple Hydrangea

2021-06-09 21:15:15 | 家族

病室の窓から外に目を向けると、深紫色の紫陽花が咲いている

先生から病名を告げられてから、一年と二ヶ月が過ぎていた

 

辛い状態が続く中で、危険が伴う治療に果敢に挑戦してきた

治療の万策尽きた時に笑顔で言われた言葉

 「俺は最後まで頑張るから、あなたも頑張って」

あなたの強さに救われた私は頷くことしか出来なかった

 

先生から お別れの時が近づいています

想い出の曲を聞きながら今までの感謝の気持ちを伝えた

 

その時は突然訪れた

病室に戻ると時間が止まったような静かな横顔

 

私は力の限り叫んでいた

 フー 呼吸が戻った

何を話しかけたのか覚えていない

 

看護師さんが 最後に抱きしめてと

高熱と痙攣で最後まで戦い抜いた身体は温かくて冷たかった

もう苦しまなくていいね

 

当たり前だった強さと優しさの大きさに気付く

 

                                                                                    御殿場のあの場所から宝石を散りばめた光り輝く夜景が見えますか?

                                                                                                                          


ハルサクハナ

2020-05-31 22:17:35 | 家族

子供の頃、春になるとヨモギ摘みに連れて行ってもらった。

田んぼのあぜ道をてくてく歩いて、ツクシ・ノビル・セリ・レンゲ・ヨモギを見つけた。

そのヨモギをすり鉢ですり潰して作ってくれた草もち。

すりこぎを握る柔らかでふっくらした母の手。

 

辛い時には助けてくれて、

悩んでいる時は気付かせてくれて、

楽しい時は一緒に笑っていた。

 

ふと空を見上げると、青空一面を薄桃色に染めた花が風に揺れている。

はらはらと花びらが舞い降りてきた。

うろたえ、戸惑い、茫然とする。

 

ありがとうをどれだけ伝えればいいのかわからない。

あなたのあたたかさを大切に心に仕舞います。                             


秋の日の記憶

2011-09-23 15:51:10 | 家族

何時の間にか空は高く青く澄み渡り

窓辺から僅かに和らいだ陽射しが降り注ぐ

レースのカーテンが空色の風に揺れている

気が付くと目の前に秋が訪れていた

遠い記憶か現実か、カンカンカンと乾いた音が響いている

近くで新しい家を建てているのだろうと微睡みの中で思う

 

こんな秋の日の午後は亡き父を想い出す                   


ひたすら待つ

2009-11-25 23:52:16 | 家族
祝日の朝、息子が39度の高熱を出した。
咳と全身の痛みの症状は、まさしくインフルエンザ。

混雑を覚悟して休日医療センターへ向かった。
入り口の自動ドアが開いた瞬間、すし詰め状態の待合室が目に飛び込んできた。
とにかく受付を済ませ、どんより暖房の部屋が苦手な息子は外に出て、
待合室で私が待つことにした。ゴホンゴホンと咳をしている人が多く、
ふとまわりを見渡して気が付いた。

マスク!

あたふたと家を出る時に息子にマスクを渡したが、自分のは忘れていた。
この空間のウィルスが目に見えたら、とてもいられないだろうなぁと思ったが
そんなことも言っていられないので、免疫力に戦いを任せて順番を待つ。

十時半に家を出てから、診察、会計、薬と全てを済ませて帰宅したのが午後四時。

今は、薬が効いて症状も落ち着いてきました。
日頃の健康管理は大事ですね。        


                              

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言葉で伝える

2009-06-22 22:15:27 | 家族
「いつもありがとう」


目を丸くして驚かれた。

普段、いかに気持ちを伝えていないかが分かった。

気持ちは素直に言葉に出さないと伝わらないね。




                            
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2009-05-16 18:17:15 | 家族

数年前、実家の庭は皐月や大輪の菊が咲いていました。
父が元気だった頃です。
いつも庭が綺麗だったので、うちは雑草が生えないと思っていたら、
父が夜明け前に起きて草取りをしていたと母から聞きました。
庭で剪定や水やりをしていた姿を想いだします。

丹精こめて咲かせていた時は、あまり見なかったのですが、
父が旅立ってから不思議と花にこころ惹かれるようになりました。
公園や通り道の花、手入れの行き届いた庭、花のお寺などで
色々な花を見るようになりました。

鎌倉へ紫陽花を見に行ったことがありますが、
シーズンということもあり、ものすごく混んでいました。
紫陽花でこんなに人が集まるんだなぁと思いました。
桜もそうですが、季節の花は見に行きたくなります。

花は、形・色・香りとそれぞれ魅力があります。
見ているだけでやわらかい気持ちになります。



                             


勝って兜の緒をしめよ

2009-04-05 18:47:45 | 家族
私の母が孫のお気楽君に言った言葉です。

今の彼は目標を達成した自分へのご褒美に夢中です。

嬉しい気持ちはわかるけど、そろそろ(いい加減)気持ちの

切り替えが必要と話しをしていたところでした。

電話での母の話に、息子はかる~く返事をしていましたが、

準備をし始めました。半分だけ。半分が好きだな。

入学式まであと2日。


                         


                            
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誇らしげ

2009-04-01 16:43:15 | 家族
見て!
私達、ちゃんと咲いているよ。


誇らしげと言えば、息子が 「もう、宿題半分終わった」

(なにっ、まだ半分?) と思ったが、何とかこらえて

「へぇー、すごいね。残りも頑張って」 やっと言い切った。

部屋の整理、新生活の準備もまだ。

たまると大変なのが何故わからぬ。

やるべき事は早めに終わらせねば。

お気楽過ぎる。大丈夫か新高校生。

                 
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お墓参り

2009-03-28 22:50:57 | 家族
真面目に仕事を勤め上げ、
いつも庭の手入れをしていた。
たまに、憎まれ口を言っていた。
風邪以外の病気は、したことがなかった。

そんな父が、私達の心の準備ができていないのに、
入院してから数ヶ月で旅立ってしまった。
治ると信じていただけに、あまりにも早かった。
身を持って教えてくれた、命の尊さとはかなさ。

特別仲がよい親子ではなかったのに、
翼を片方もぎ取られたような痛みと、深い悲しみ。
予想以上の打撃に、父の存在の大きさを知った。
これが親子というものなのだろう。

何度となく通った病院への道すがら、桜が咲いていた。
あれから、五年。
ふとした時に、もう会えないとあらためて思う。

桜の木々に囲まれた父のお墓参りに行った。

今年も、桜が咲いていた。


                        
                       
                       

15の春~卒業

2009-03-10 14:17:13 | 家族
「今が頑張り時、峠でしょう」
小児科の先生の言葉を聞きながら、白衣の白さを見つめていた。
何を言われているのか、分からなかった。峠って、命のとうげのこと?
何でうちの子が、と思った。
生まれて間もない子供の事態に、身体が震えた。
生きて欲しいと思った。命の灯火を消さないでと願った。

心と身体が参っていた。そんな時に発せられた言葉。
事情をよく分かってない人の不用意な言葉は、心を傷つける。
状況を理解して、言葉を発する人でありたいと思う。
病室の窓から空を見上げて、祈り続ける日々が過ぎていった。
闘いぬいて退院が決まった時は、支えてくれた人達と、君の生命力に感謝した。

時は流れ、普通に生活できることが当たり前と思うようになり、
思春期と反抗期に入った君を、どう扱ってよいのかわからず、
投げやりな気持ちになり、大人気ない態度で接し、受け止められずにいた。
そんな時、母に言われた。

「入院していた時の事を思い出してごらん」

あの時の、祈りと感謝の気持ちを忘れていた。
反抗するまでに成長できた事は、当たり前じゃなくて、素晴らしい事なんだね。
人として、親として、未熟な自分。
それでも、君は優しい子に育った。

じいちゃんと、ばあちゃんのお墓参りは、必ず行くね。法事にもちゃんと出席するね。
君の成長を何よりも楽しみにしていた、じいちゃんとばあちゃんは、
目を細めて見守ってくれているよ。
もうひとりのばあちゃんは、もっともっと長生きしてもらおうね。

目に見えないものが大切。

感謝の気持ちを忘れずに、これからも一緒に成長して行こう。

卒業、おめでとう。

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