エンジョイ・ライフ 『人生楽ありゃ、苦もあるさ!』

「なすべきことをなせ、何があろうとも・・・・・」(トルストイ)

☆保険の豆知識 Vol.27 ☆ パンク修理中での事故は保険対象?

2008年02月18日 | Weblog
こんな事故の場合は、保険対象となりますか?のパート2を書いてみます。

【 質問 】
走行中パンクをしてしまい、路肩に止めてタイヤ交換中、足でレンチを踏みつけて絞めている時、反動でレンチが飛んで走行中の他人の車に直撃し、車を損傷をさせてしまった場合は保険の対象になりますか?

【 解答 】
対物賠償保険の対象になります。
タイヤの交換作業中の事故は、自動車の「所有・使用・管理」のうち「使用」に起因する事故にあたります。
つまり、自動車の修理、点検作業中の事故、たとえば始動点検やタイヤの交換等、自動車を通常使用する場合に当然予想される作業によって生じた事故は、原則として自動車の「使用」によるものと言えます。
「所有・使用・管理」の「使用」とは、自賠法の「運行」と同じであると解釈されています。路上における試運転、タイヤ交換、点検作業の間は「運行」と言えます。

★自賠法第2条の2★
この法律で「運行」とは、人又は物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいう。

☆保険の豆知識 Vol.26 ☆ 車検切れの車での事故は保険対象?

2008年02月17日 | Weblog
●こんな時の交通事故は、自動車保険の補償が受けらるか?

 
【質問1】
自動車保険に加入しているYさんは、車検が切れていることに気づかず車を運転中に事故を起こしてしまいました。

【解答】
管理業務違反(被保険自動車の整備、官庁の検査を受けると言う管理業務の違反)となりますが、これは保険契約の解除要件とはなりますが、免責にはなりません。
よって、保険金の支払いは受けられます。


【質問2】
自動車保険に加入しているHさんは、今まで保険をかけていた車を廃車する予定で、新車を購入したため、車両入替の手続きをしてもらい承認された後に、たまたま廃車予定の車に乗っていて事故を起こしてしまった。

【解答】
車両入替の移動承認請求書が受領されてしまった場合は、その地点で被保険自動車は新車になります。
よって、新車の事故のみが保険金支払いの対象となりますので、この場合は、保険金の支払いは受けられません。


☆皆様の無事故、無災害を心よりお祈り申し上げます。

☆保険の豆知識 Vol.25 ☆ こんな交通事故の場合はどうなるの?No.2

2008年02月16日 | Weblog
【事故例2】
毎日マイカーを勤務先の仕事で使っているYさんが、ある日、一緒に勤めているHさんを勤務中に運転を誤ってぶつけてしまいケガを負わせてしまいました。
業務中の事故なので、労災保険の対象とは思いますが、Yさんが加入している自動車保険では支払の対象にならないのでしょうか?

●一般的に、業務中の災害は労災保険に委ねられるべき事から、自動車保険の普通保険約款では免責としていますが、自動車総合保険には、同僚災害担保特約がセットされておりますので、勤務先の他、Yさんも賠償責任を負う事になった場合は補償されます。

☆このようなケースで裁判となった場合、勤務先は運行供用者責任(自賠法第3条)、使用者責任(民法第715条)を負い、同時に直接の加害者であるYさんは、不法行為に基づく賠償責任(民法第709条)を負いまたは使用状況によっては運行供用者責任も負うことがあります。

<同僚災害担保特約>
記名被保険者がその使用者の業務に被保険自動車を使用している場合に、同じ使用者の業務に従事中の他の使用人の生命または身体を害した場合、記名被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償する。

★皆様の無事故、無災害を心よりお祈り申し上げます。


☆保険の豆知識 Vol.24 ☆ こんな交通事故の場合はどうなるの?

2008年02月15日 | Weblog
●今回は、こんな事故が起きてしまった時は、一体責任はどうなんだろう?保険は、どうなるんだろう?
そんな疑問の問題を考えて見たいと思います。

【事故例1】
友達Yさんを車の後ろに乗せて、デパートに送って行った所、Yさんがデパート前の道路で降りようと、よく後ろを確認しないでドアを開けた際、後ろから走ってきた自転車がぶつかり、乗っていた人がケガをしてしまった。自分には、賠償責任があるのだろうか?また、対人賠償保険の対象になるのだろうか?

★道交法第71条に、自動車の運転者には、同乗者の行為も含む運転者として交通安全を図るための遵守事項が規定されています。
この事故では、運転者本人が十分に注意を尽くしたことを証明できない限り、法律上の賠償責任を免れることは出来ないでしょう。
したがって、自賠責保険では運行中の事故として、対人賠償保険からは自動車の「所有・使用・管理」に起因する事故として保険金の支払いの対象となります。

●このケースでは、道交法違反が問われるため、被保険者には運行共用者責任(自賠法第3条)および不法行為責任(民法第709条)を負うことになります。

<参考>
【道交法第71条(運転者の遵守事項)4の3号】
「安全を確認しないで、ドアを開き、または車両等から降りないようにし、およびその車両等に乗車している他の者がこれらの行為により交通の危険を生じさせないようにするための必要な措置を講ずること」

◆皆様の無事故、無災害を心からお祈り申し上げます。

☆保険の豆知識 Vol.23 ☆ <知っていますか?> 1億円の賠償保険が年間1500円!

2008年02月14日 | Weblog
今日は、過失割合を一度置いておいて、皆様に家族を様々なリスクから守る保険を
”知っていますか?絶対に入っておきたい保険”としてご紹介したいと思います。

【個人賠償責任保険】(ファミリー賠償責任保険)
この保険は、保険加入者だけでなく、保険加入者の家族全員の日常生活に起こりえる、様々な偶然の事故による、他人への身体障害や財物損壊について損害賠償責任を被った時に損害を補償する保険です。
さらに、住んでいる住宅の所有・使用・管理に起因する偶然な事故による損害も補償します。

<具体的な支払例>

① 日常生活に起因する損害
1, 自転車で歩いている人にぶつかりケガをさせてしまった場合。
2, または、自転車に乗っている際、よそ見をして止まっている車にぶつかりキズを付けてしまった場合。
3, 飼っている犬が、他人をかじってケガをさせてしまった場合。
4, デパートに買い物に行った際、誤って展示している高価な商品を落として壊してしまった場合。
5, アパートの2階に住んでいて、誤って水道の蛇口を閉め忘れ、下の住民の財物に損害を与えてしまった場合。
6, その他。

② 住宅の所有・使用・管理に起因する損害
1, 住宅の屋根瓦が落下して、通行人にケガをさせてしまった場合。
2, 家の塀が倒れて通行人にケガをさせてしまった場合。
3, その他。

<該当する被保険者>
記名被保険者
記名被保険者の配偶者
記名被保険者またはその配偶者と生計を共にする同居の親族
記名被保険者またはその配偶者と生計を共にする別居の未婚の子

<保険料>
1年間:1000円~1500円(てん補される保険金額によって決まります。)

※ この保険は、火災保険にも、各種傷害保険にも、また今では自動車保険にも特約として加入できる保険ですが、入っていなければ、この保険のみでも加入できます。一度皆様が加入されております保険を、証券等を見て確認した方が良いですよ!
※ 私の保険事務所にも年間数件、この保険の事故報告を受けますが、どなたからも入っていて本当に良かったと喜ばれております。

※この保険の免責事項としては、①業務、職務に伴う損害賠償、②業務、職務の用に供される動産、不動産の所有・使用・管理に起因する損害賠償、③心神喪失による損害賠償、④車両(自動車等)や航空機、船舶、銃器の所有・使用・管理に起因する損害賠償。(これらは、単体での保険が必要。)の4点があります。

★皆様の無事故、無災害を心よりお祈り申し上げます。


☆保険の豆知識 Vol.22 ☆ 交差点の事故でも過失ゼロの場合は多々あります!

2008年02月13日 | Weblog
今回は、交差点の事故であっても過失ゼロの場合が有りますので、その判例を紹介したいと思います。
制限速度を守り、十分注意をして交差点に入ったにもかかわらず、違反車両にぶつけられると言うような事故も多々あります。
自分に非が無く、「どこに、どんな過失があると言うのか?」と思われる場合は、とことん争っても良いと思います。(たとえ、自分の入っている保険会社の損害査定員が「過失が出るかも?」と言って来ても自分の意見を主張した方が良いでしょう!!)

【S56.5.29 前橋地判・交通民14.3.660】
交通整理が行われていない見通しの良い交差点で一時停止違反の加害車両と出合頭に衝突した被害車両の過失


<道路状況・事故様態>
交通整理の行われていない周囲は田んぼの見通しの良い交差点。
道路幅員は、加害車両側も被害者両側もほぼ同じ。
一時停止違反の加害車両と直進中の被害車両との出合頭の衝突事故。

<判決>
本件交差点の周囲は田で両車間に相互の見通しを妨げるものはなく、被害者は加害者の進路に一時停止の標識があることを知り加害者が当然一時停止するものと考え、見通しも十分なことから、加害車両が道路標識に従って一時停止をしたならば事故の発生を避けることができたものであることは明らかである。
被害者は、加害者が右標識に従わない違法の運転をすることなく一時停止をするものと信頼して被害車両を進行させたのであるから、過失が有るとはいえない。

<過失割合>
被害者:加害者
0:100

☆保険の豆知識 Vol.21 ☆ 一時停止違反の車にぶつけられても20%の過失が…。

2008年02月12日 | Weblog
今回は、交差する道路の片方に、一時停止の標識のある交差点においての事故で、一時停止無視の車にぶつけられた場合でも、過失が出てしまう判例を紹介します。
交差点では、くれぐれも注意して走行しましょう!

【H11.11.18 旭川地判・交通民32.6.1828】降雨交通整理の行われていない農村地帯の片側に一時停止規制のある交差点での出合頭衝突事故における加害車両の過失

<道路状況・事故様態>
農村地帯のため見通しを妨げる障害物はないが、事故当時は降雨のため見通しは悪い状態であった。
加害車両は、目的地を探しながら走行し、一時停止標識を見落とし交差点に進入、被害車両は交差点直前まで加害車両の接近に気づかず進行し、交差点直前での急制動措置が間に合わず出合頭衝突をする。

<判決>
加害車両には、優先道路を走行する車両の通行を妨害しないように交差点を通過すべき注意義務を怠った重大な過失があることは明らかであるが、被害車両にも、交差点の状況に応じ、一時停止義務を怠って直進してくる車両に特に注意し、かつ、可能な限り安全な方法で進行しなければならない義務(道交法36条4項)に照らし、若干の不注意があったと言うべきである。

●過失割合
加害車両:被害車両
80:20

★皆様の無事故、無災害を心よりお祈り申し上げます。

☆ 保険の豆知識 Vol.20 ☆ 過失割合Ⅲ (駐車禁止場所だと、追突されても過失がでます。)

2008年02月11日 | Weblog
基本的には、止まっている車に追突をしてしまいますと、追突した車が一方的に悪くなりますが、駐車禁止場所等に駐車しますと、追突されたとしても過失がでます。

【H12.3.3 大阪地判・交通民33.2.483】
片側2車線の歩車道の区別がある、見通しの良い直線道路で、駐車していた加害車両Aは、手前にある交差点より300m付近の駐車禁止場所に第一車線をほぼ塞ぐ形で歩道寄りに駐車していたところ、手前の交差点より右折してきた、被害車両Bに追突される。

<判決>
駐車禁止場所に、第一車線をほぼ塞ぐ形で駐車していたことが、本件事故発生の一端を担っているといえるから、加害車両Aの過失は肯定することができるが、事故現場は、被害車両Bが右折した交差点から、約300mは離れており、その間は直線道路であるから、事故日時等を考慮しても事故発生の原因の大半は被害車両Bの前方不注意にあるというほかない。

<過失割合>
加害車両A:被害車両B
20:80

★皆様の無事故、無災害を心からお祈り申し上げます。

☆保険の知識 Vol.19 ☆ 過失割合Ⅱ(直進であっても過失は大きい!)

2008年02月10日 | Weblog
交差点では、交通整理が行われていても、いなくても、細心の注意を払い走行しなければ、いくらこちら側が直進だからと主張しても過失は出ます。
その判例の一つをご紹介します。

【H10.6.10 名古屋地判・交通民31.3.852】
交通整理の行われている交差点において、右折中の加害車両と衝突した直進の被害車両の過失は?

制限速度が、50km/hの片側3車線で、幅が1.5mの中央分離帯がある道路において、”この位、離れていれば行けるだろう”と右折をしようとした加害車両と右折車を発見するが、”止まるだろう”とそのまま直進した被害車両が衝突した事故。

<判決>
被害車両は、60km/hの速度で走行していたところ、交差点を右折進行しようとする加害車両を発見したが、そのまま直進を続け、本件事故が発生した。
公平の観点から被害車両の過失を斟酌すると40%とするのが相当である。

※過失割合
加害車両:被害車両 = 60:40

★皆様の無事故、無災害を心よりお祈り申し上げます。


☆保険の知識 Vol.18 ☆ 信号無視の車に衝突されても10%の過失が出た例

2008年02月09日 | Weblog
今回からは、少々過失割合の判例を通じて紹介をしていきたいと思います。
道路を走行中、特に交差点は一番事故が多く、過失割合でのトラブルが多くあります。
いくら優先道路だからと言っても、交差点では安全運転の義務が生じます。
しかしながら、信号機のある交差点で、青信号で通過中にぶつけられた場合は、通常、過失は生じません。
しかし、次の判例でも明らかなように、スピードの出し過ぎ等の違反行為が認められるとき、被害者であっても過失をとられます。


【S60.12.27 大阪地判】

信号機により交通整理の行われている交差点において、赤信号無視で交差点に進入してきた加害車両Aと、20km/hのスピード超過で交差点に進入してきた被害車両Bが出会い頭に衝突した事故の、被害車両の過失は?

<判決>
本件交差点は、指定制限速度が30km/hに指定されているのに、被害車両は、これを20km/h超過した、50km/hで本件交差点を通過進行した速度違反の過失があり、右の速度違反が損害を拡大させた事も否定し得ず、被害者の損害の内、1割を控除するのが相当であると認められる。

<過失割合>
被害車両:加害車両=10:90

★皆様の無事故、無災害を心よりお祈り申し上げます。