++雑想ノート++

日々ふと思いついた事や考えた事などを書き綴ってみる。

人と世界がつながっていくこと

2006-04-24 23:56:42 | Weblog
NHKの「サイボーグの衝撃」という番組を見終わった。
人の脳とのIN・OUTが新しい自分の腕や脚になることにとどまらず
その世界が、世界へ広がり、コミュニケーションを変えていく可能性に
関して語っていた。

電脳、というような言葉で表すと、マトリックスや攻殻機動隊を思い浮かべる
人は割りと多いと思う。自分の体が有機的な体ではなく機械の体になり
脳は、世界のネットワークとつながっていく、そんな世界。

人間の体というものは、基本的に替えが効かない。それを擬似的に補うのが
義手であり、義足であり、義眼であった。話の中で、脳からの電気信号を受けて
動くロボットアームや、脳と直接つなぐことによって視覚の代わりとなるカメラ
などがでてきていた。

失った事によって苦しむ人にとって、これらの技術はとんでもなく素晴らしいもの
だと思う。それがいかに非現実的な何かであったとしても、それがその人にとっての
日常をわずかでも取り戻すのなら、それは素晴らしい技術だと言えるかもしれない。

だが、物事は1面だけではない。
この後に、脳に電極を埋め込まれたマウスの話がでてくる。
このマウスは、コンピュータからの電気信号によって、指示された通りに行動する。
マウスの思考能力がどうだとか、意思がどうだとかはわかるわけではないが
この装置は、「指示通りにマウスを動かす」のである。

この研究を後押ししているのは、アメリカ国防総省であり、軍事研究である。
後には、いわゆる筋力補強装置のようなものが出てきていたが、私としては
こちらの光景のほうがよっぽど恐ろしい。今は対象がマウスなだけ、だと思えるからだ。

脳科学の分野でもこうした動きに対する研究は起こっている。
そして、このブレイン・マシン・インターフェースは、コミュニケーションの
あり方を変えるだろうと言っていた。
つまり、脳で考えた事が、そのまま相手に伝えられる、脳の情報を取り出し
伝える事によって、コミュニケーションに言葉がいらなくなるという。


しかし。
チャットなどをやっていても感じる事だが、言葉だけでもうまくいかず
表情や声の高さ、大きさ、身振り手振り、それらのことですらうまく伝えられない
事がありうるものを、言葉をとっぱらった形で相手に伝える事ができたとして
それが本当にいいことなのだろうか?

言葉では伝えきれない事はあると思う。
だからといって、直接的に「つながる」ということが、それを為しえるとは
私にはとても思えない。

憧れを抱く近未来につながる技術。
だがしかし、それに「つながる」には、私達はあまりにも未熟すぎやしないだろうか?
技術の進歩とその行く末に、怖さを感じた番組だった。

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