*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
創作さんに15のお題(二行文編)
1.綺麗に笑う、 そう思うのは私から覗く貴方の存在が綺麗だから
あなたは、 きれいに、 笑う
2.後悔するほど愛し愛されたい
世界は単純なまでにそこに帰結する
3.布団を手繰って枕に頬を押し付けて、考える
明日が来るかではなく、未来は輝いているのかと
4.いっそ泣こうか。 泣いて全部
忘れてしまおうか 許されぬまま
5.「諦めることが出来るかもしれない」
そう思った時、初めて見える 世界が広がる
6.怖い考えだった
でも否定する力も持っていなかった
7.言わなければ良かった 泣かなければ良かった 知らなければ良かった
でももう遅い 何もかも遅すぎた
8.他人と共にいなければ寂しいの?
弱い生物は滅べばいいのに
9.綺麗なものは触れなければ壊れない
綺麗な貴方は触れなければ 壊れ な い
10.見えない絆を解きほぐし、もっともっとと強く結わき直す
がんじがらめの愛は 幸せだった
11.ずっと、ずっとずっとずっと。
それでも悲しいかな、人は変わる
12.焦燥感に突き動かされて走り出す
間に合え間に合え もう何もいらないから
13.見えない世界、見える表情、消える言葉
憎しみの沈殿したこの世の、なんと美しいことか
14.つまり私は知らなかったし知ろうともしなかった
「関係ナイ」 適切な関係
15.何が出来るだろう、この私に
何が変えられるだろう、この世界の
(斜線があるものはすでに完了できたものです)
製作者名 China Love(
http://2style.jp/chinalove/100_attention.html)
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
いつしか僕は
動けなくなっていた
でも
足も
手も
動く
だけど動かない
心が
鎖が僕を
絞めていた
「起きたんですか、旅人さん」
階段を下りると、そこにいたのは僕を気遣ってくれた従業者だった。
その人はどうやら今から洗濯物を干すようで、手には溢れるばかりの服があった。
今から階段を上るらしい、とわかった僕は階段の隅に体を移動する。
「あっ・・・・・すみません」
「いいんです。・・・・・・手伝いましょうか?」
少しでもお礼がしたいと僕は名乗り出たが、従業者は
「いえ、大丈夫ですよ。」
といって階段を上っていった。
僕は従業者を横目で見ながら、階段から下りた。
僕は宿で朝食を摂ってから、この町から出ることにした。
別にこの町でのんびりしてもいいのだが、僕は早く違う街に行ってみたかった。
ちなみに今日の朝食は、少し焦げ目をつけたパンにたっぷりの野菜と半熟目玉焼きを挟んだものを2個。
そして自家製野菜ジュースにサラダ。
野菜ずくしである。
僕・・・・いや、僕達はかなりの野菜好きだ。
というか、たっぷりの野菜と・・・・・・・特別なある物が1個あれば僕らは1年生きていられる。
別にベジタリアン、というわけではない。
まあ、「親代わり」が野菜と特別な物以外ほとんど食べさせてくれたことはなかったからかもしれない。
疲れたら、野菜。おやつも、野菜。何でも、野菜。
そんな野菜ずくしの朝食を摂り終わろうとした時、選択を干し終わった従業員が
「あっ・・・・・・・・」
と、何かを思い出したように声を上げ、あわてながら僕に近づいた。
「あの・・・・・・確か、あなたを呼んでる人がいたんですけど・・・・・」
僕を?と最初は思った。
僕はあまり覚えられるような者でもない。
一体、誰?と頭をかしげた。
「宿の入り口にいましたよ」
そう従業員が言うものだから、僕は残りのサラダを食べ、宿の入り口に向かう。
ドアを開け、僕を呼ぶ人を探した。
外は、きつい風が吹き
土が舞い上がる。
とっさに目を閉じ、後ずさりした。
「ここだよ。」
突然、後ろのほうから声がした。
すぐ分かる。この声の持ち主が、僕を探していたのだと。
そしてその声はとても聞き覚えのある声だった。
声がしたほうを振り返った。
そこには、見たことのある人物。
「・・・・・ウォル・・・・・・?」
その姿を見て、とっさに声がでた。
それは、目の前にいる少女の名前だった。
砂埃が注を舞う中、少女・・・・ウォルは、何の抵抗もなしに僕に近づく。
そして、いきなり
「なんて顔してるのよ、あんた!」
僕の頭にガツンと殴る。
勿論、手はグー。
この衝撃に、僕は一瞬頭が真っ白になった。
ついでに、失神しそうになる。
僕は頭を押さえながらウォルを見た。
ウォルは、僕とは昔からの仲間だった。
一緒に「親代わり」の元で育ち、一緒に遊んだりした。
ウォルは少し・・・・・というより、結構気が強いほうだったから、
よく遊ぶ時も中心となりかえるときも彼女が帰ろうというまで帰らなかった。
だけど「正義感」は強くはない。
例えばある大きな遺跡で遊んでいたらいつしかあたりは暗くなってゆき、「親代わり」率いる大人の皆が僕やウォルなど仲間達を捜してきた。
遺跡は広々としていて、まだ奥は何があるか分からなかったから
ウォルはその奥を見るまで帰らない、といった。
そこで僕が大人たちが来るかを調べる見張り役となった・・・・・のだが。
大人たちが来たと僕が言いに来るとウォルはいきなり何かをした。
いきなり、目の前が真っ暗になる。そして、目の前で倒れた。
ウォルと仲間達は倒れた僕を置き去りにしてそのまま奥へと直行した。
そして仲間達を追いかけに来た大人達は地面で倒れている僕を見つけた。
後でウォルに聞けば、僕を「おとり」に使ったらしい。
しかも僕にした「何か」とは僕の腹を躊躇なく蹴ったらしい。渾身の力で。
本人は「別に死にはしない」と思ってやったらしいがその後僕は1週間近くベットの上での治療生活を強いられた。
それ以来、僕はウォルの事は嫌い・・・・・というか、苦手だった。
「・・・・・なんで、君がここにいるの」
いつもとは違う口調。
いつもより少し低い声のトーン。
それは、いつもウォルに向けるものだった。
・・・・・未だに、あのときのトラウマに近いほどのウォルの蹴りは覚えている。
「別に。なんとなくこの町に入ったら偶然にあんたがこの宿に泊まっていた、ということだけど」
ウォルは少し生意気そうに、言った。
変わってないな、と心の中で呟いた。
「あんた、まだ里に帰ってないの?」
「・・・・うん。まだ、旅をしたいから」
「・・・・・みんなと逢ってきたよ。親代わりも元気そうだったしね。」
「・・・・そう・・・・」
彼女はそれから「親代わり」と、僕たちの仲間についてを、楽しそうに語った。
ウォルは、肩まで伸びている自分の黒い髪を整えて、『親代わり』たちのいる方角を見た。
その目は、とても懐かしく故郷を見ていた。
「・・・・皆、あの時からちっとも変わってなかった。私も、あなたも・・・・」
ウォルは今度、僕のほうを見る。
しかしその目は、さっきの故郷を懐かしむような目ではなかった。
もっと冷たいものだった。
「いつまで、過去を引きずるつもりなの?あなたは」
僕を縛る見えない鎖が
見え隠れし始めた。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
どうも、月空です。
久々のお題小説です。結構長いので省略させてもらいました。
詳しいことは又明日で!
以上、月空でしたー。