紙魚のつぶやき

読んだ本と美味しいものあれこれ

ミラノスカラ座「リゴレット」

2013年11月16日 20時34分09秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
もう二か月も前ですが、備忘録として。





9月9日(月)、NHKホールにて、ミラノスカラ座「リゴレット」を鑑賞。

指揮・グスターボ・ドゥダメル
マントヴァ公爵: ジョセフ・カレヤ
リゴレット: レオ・ヌッチ
ジルダ: エレーナ・モシュク

素晴らしいの一言に尽きます。リゴレット役のレオ・ヌッチはもちろんですが、ジルダ役のエレーナ・モシュクが素晴らしかった。そして、幕間の鳴りやまない拍手に、二人が即興で掛け合いを歌ってくれたんですが、それも素晴らしかった。それから、「風の中の羽のように……」も。
オペラはまだ初心者のわたしですが、「胸を打たれる」ひとときでした。
うーん、オペラってすごい。

満足度 ★★★★★

ウィーン国立歌劇場「フィガロの結婚」

2012年11月09日 10時20分46秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞


10月28日、神奈川県民ホールにて「フィガロの結婚」を観てまいりました。

指揮:ペーター・シュナイダー
演出・美術:ジャン=ピエール・ポネル
合唱監督:トーマス・ラング

アルマヴィーヴァ伯爵:カルロス・アルバレス
伯爵夫人:バルバラ・フリットリ
スザンナ :アニタ・ハルティッヒ
フィガロ :アーウィン・シュロット
ケルビーノ:マルガリータ・グリシュコヴァ
マルチェリーナ:ドンナ・エレン
バジリオ:ミヒャエル・ロイダー
ドン・クルツィオ:ペーター・イェロシッツ
バルトロ:イル・ホン
アントニオ:ハンス・ペーター・カンメラー
バルバリーナ:ヴァレンティーナ・ナフォルニータ
村娘:カリン・ヴィーザー

ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団


開演前のホール。満席です(幕間のロビーやトイレの混雑ぶりったら!)。わたしたちの席は一階最後列(がんばったのにここしか取れなかった…)。それでも5万2000円です。
クラシックにもオペラにもおよそ知識のないワタシですが、ほんとうに素晴らしい演奏でした。
得も言われぬ音色というのはまさにこういうことなのでしょう。
いままで聴いたことのない、極上の音色。バイオリンもチェンバロも管楽器も、そして歌も、あくまでも柔らかく互いが主張せず溶け合うような、とでもいうのか。とにかく美しい。いまでもしっかり耳に残ってます。
連れは涙ぐんでおりました。気持ちはわかります。いままで様々な演奏を生でレコードで聴いてきた彼にとっても、極上の音だったそうです。
歌手では、ケルビーノのアリアが素晴らしかった。彼女に限らずみんな、けっして張り上げて歌ったりしないんですね。語るように歌う。だから気持ちよく彼らに気持ちをゆだねられる。まさに心地よいのでした。
ああ、こんな音楽ならけっして五万円は高くない。もう一度聴きたいと、せつに思いました。

満足度 ★★★★★



野田秀樹「エッグ」

2012年10月28日 09時14分36秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
10月19日、新装なった池袋芸術劇場で「エッグ」を観劇。



いつものようにいろんなことが複雑にてんこ盛りされている野田ワールドなのだが、今回はいまひとつ入り込めなかった。眠くなってしまったのだ。もちろん初めて。どうしても睡魔に抗えないのであった。
一本調子のセリフが多かった。とくに仲村トオルは滑舌もいまいちで、セリフが聞き取れなかった。妻夫木くんも一本調子。深津絵里はやたらきゃんきゃんしている印象。でも歌はうまい。どうも、出演者自身が脚本をあまり理解できていないのではないかと思ったのである。だからこちらにも伝わらないのではないかと。
スポーツ、歌、流行、そして戦争という、民を熱狂させるものに対する考察をちりばめた、野田秀樹独特の世界観は面白かった。けど、眠かった。でも、また観に行きます。

満足度 ★★


三谷文楽「其礼成心中 」

2012年09月01日 10時03分16秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
8月21日、楽日一日前の「其礼成心中」を観てきた。
まず、パルコ劇場でどのように文楽を上演するのかがいちばんの興味。
大夫さんと三味線はどこで演ずるのだろうか、ということ。文楽専用の劇場のようにステージを作るのかなあ、それしかないよなあ、などと思っていたが、劇場に入ってみるといつものパルコ劇場のままだった。で、幕が上がると、舞台の上方に大夫さんと三味線が。二段構えの舞台になっていたのだった。なるほど。
人形はこれも文楽専用の劇場ではないため、全身が表に出てしまうが、なかなか見られないことでもあるので、これはこれでよかった。人形遣いもみな顔を出さず黒子。たぶん若いのだろう、と思わせる遣い手だった。同じような人形を遣っても、人間国宝クラスの人とはやっぱり全然違うのだ。不思議。でも、饅頭屋の娘を遣っていた遣い手はなかなか。コミカルでリアルな動きが面白くて素晴らしかった。あんな動きもできるのかと感心した次第。とても楽しい場面。
物語は「曽根崎心中」をベースに「冥途の飛脚」「心中天の網島」をからませて、近松へのオマージュたっぷりに。近松自身の役も登場して、脚本家の創作にかかわる苦悩を語らせるのも面白かった。巧いなあ。さすが私と誕生日の同じ三谷さんだけある(そればっか)。
とにかく、文楽入門の人にはうってつけだと思いました。
しかし、「桜の園」のときと同様、無理に爆笑しようとする観客ばかりでしらけてしまった。そればかりか、「ええっ、なにそれ!」とすっとんきょうなほど大声を上げる女がいて、こちらのほうがびっくり。家でテレビ見てるんじゃないぞ。それに、それほど不思議な展開でもなかったぞっ。ぷんぷん。コントや漫才じゃないんだから、爆笑するなんてこと、文楽ではありえないでしょう、いくら三谷作品でも…。マナー以前の問題だ。
奇しくも、連れもおんなじことを言っていました。でも、作品は十分楽しかった。
カーテンコールでは、人形遣いさんたちのお顔を拝見でき、大夫さんと三味線さんは、遠慮がちだが笑顔で手を振っていたのがとても新鮮だった。

満足度 ★★★★

三谷版「桜の園」

2012年07月12日 10時33分36秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
コクーン歌舞伎を堪能した翌日(7月5日)は、渋谷パルコ劇場で「桜の園」を鑑賞。
チェーホフの戯曲を三谷幸喜が翻案・演出。主演は浅丘ルリ子。三谷さんの芝居を見るのは、なんとほぼ20年ぶり。じつはワタシ、誕生日が同じです。ふふふ。

まず会場に入り席を探していると、舞台に青木さやか(家庭教師役)が登場。テレビの公開録画などでよくみられる“前説”というやつらしい。替え歌を歌ったりして客をなごませるのだが、ま、どうでもよかった。
せっかくの古典演劇を観るのだからと、原作を読んだのだが、例によって登場人物の名前がなかなか覚えられず、けっきょくおぼろげにしか内容は頭に入らなかった。没落する貴族と相反するように興隆する農民。そんなところかなあーと思って観劇。
まず感じたのは、浅丘ルリ子の芝居についていけない。一本調子のせりふが、どうも浮いているような気がした。むかし観た杉村春子の芝居(晩年)を思い出した。あのころの演劇スタイル。でも、「存在感」と言われればそうなんでしょうか。わたしは彼女が台詞を言うたびにしらーっとしたけど。
対してロパーヒン役の市川しんぺーがよかった。成り上がり者の品のなさやがさつな雰囲気がよく出ていた。青木さやかは演技と言うより“まんま”のような感じ。なにより、一幕ものにした以外はほぼ原作に忠実だったので驚いた。もっと三谷解釈が入るのかと思った(だから頑張って原作を読んでいったのである)。「喜劇」として演出したというけれどやっぱり悲劇でもある。最後の場面ではじーんとさせられた。
それにしても、お客さんの多くが、笑おう笑おうとしているように見えた。ちょっとしたセリフなのに大笑いしようとする人ばかり。「そんなに笑えないだろ」と独りごちていました。三谷演出だから期待してきたのは分かるけど、無理に笑わなくてもいいのに。それがいちばん印象に残った。

満足度 ★★★




コクーン歌舞伎「天日坊」

2012年07月08日 16時44分51秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
7月5日(木)、渋谷コクーンにて「天日坊」を観てきました。

出演 中村勘九郎、中村七之助、中村獅童、白井晃ほか
原作 河竹黙阿弥
脚本 宮藤官九郎
演出 串田和美
粗筋 鎌倉時代。木曽義仲が将軍・源頼朝の命令によって討たれた後、都で化け猫騒動が起こる。義仲に娘を嫁がせていた猫間中納言が謀反の疑いを掛けられ自害、その怨霊が帝の愛猫に乗り移っていたのだ。北条時貞と修験者・観音院の力で化け猫は退治された。観音院の弟子、法策は「生き延びよ」という化け猫の不思議な一言を聞く。法策はふとしたことから、飯炊きのお三婆さんの死んだ孫が将軍・頼朝のご落胤であることを知った。証拠の品は頼朝自筆の御書と三条小鍛冶の短刀。拾われた子であり、身元も知れず、親族もいない法策は、ご落胤になりすますことを決意し、お三を殺して証拠の品を奪う。悪事を重ねながら鎌倉へ向かう途中、盗賊・地雷太郎やその女房で女盗賊のお六たち一味と出会い、殺されそうになるが、開き直って、自分の素性と企みを明かし、加担しないかと持ちかける。その時、お六が法策の本当の素性を見抜いた。驚く法策だが、その素性ゆえに盗賊たちも結束し、法策は天日坊と名を変えて、一同は、鎌倉へ乗り込むのだった――(チラシより)

一か月ほど前だったか、チケットあるかな~とふと探してみたら、平場(桟敷)席を発見。ラッキー。コクーン歌舞伎、一度は見たかったんだよね。
というわけで行ってまいりました。約3時間半の長丁場でしかも桟敷。ネットで検索してみると、長時間の平場はつらい! との感想ばかり。座布団一枚の広さではねー。ちょっと後悔…しながら文化村へ。
けれど幕が上がれば、すべては杞憂のことでした。自分とは何者か――というテーマに絞った演出・脚本がとにかく面白かった。それにくわえて、なんと華やかな! 官九郎、七之助、獅童くんがそろい踏みで見栄を切れば圧倒的な美しさにほれぼれ。特に、七之助の妖艶な美しさには感動しました。すっかり七之助ファンになりました。そして脚色もとてもよかった。ときどきおふざけのセリフもあったが、わかりやすい芝居になっていた。これは演出のよさもあると思う。特にトランペットを中心に洋楽器を使った生演奏が舞台を盛り上げていた。要所要所での、トランペットの哀切な響きが心に沁みました。
平場席については……やっぱり、けっこうきついものがあった。座布団一枚のスペースだから、足を崩すに崩せないので、けっきょく、あぐら。それでもきついんだけど、狭いのでなかなか足を組み替えられない。ただ、役者が花道に出てくる演出が多かったので、近くで見られるというおまけはある。でもわたしは、今度は椅子席でいいかな…。カーテンコールもやっぱり華やかで、「ああ見に来てよかったなー」と心から拍手。ともあれ、コクーン歌舞伎はまたぜひ観たいです。
ところで……幕間のロビーで串田さんを見つけた。串田さんはやっぱりウラジミールにしか見えないのだった……。

満足度 ★★★★★



グスタフズベリのお皿

2012年02月23日 15時11分00秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
昨日クイーンズシェフへ久しぶりに買い物に行ったら、ヨシカミのハンバーグ(冷食)を見つけた。ヨシカミといえば、浅草の老舗洋食屋さん。行ったことはないけど、グルメ雑誌や番組によく登場するので、一度は行ってみたいお店だ。でも連れは、洋食はあんまり好きじゃないので、洋食屋さんで外食などはありえないという人である。ゆえに、足を向けることもないのだった。とほほ。ということで。


昨日のランチは、ヨシカミのハンバーグ。うーん、デミグラスソースがうまし。おいしかったー。満足満足。
ところで、ハンバーグとパンの載ったお皿は、先日、思い切って買ったグスタフズベリのお皿(「思い切って」というわりには一枚ずつだけど…)。ずーっと欲しくて欲しくてたまらなかったが、たまらなくなって買ってしまいました。だけど、このお皿に似合う料理が作れなくてねえ。やっと使いました。冷食のハンバーグだけどね。
グスタフズベリは1825年、スウェーデンのストックホルムに設立されたメーカー。イタリアもいいけど、北欧の食器って素敵だよね。ほかにも欲しい食器はたくさんあるけど、少しずつ集めよう。

早稲田ぶらり散歩

2012年02月16日 10時52分52秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
昨日は近くに用事があったので、ちょっと足を延ばして早稲田までぶらり。


まずは穴八幡神社へ。学生のあいだは一度も訪ねたことがなく(当然それ以後も)、なんと30年目にして初めて足を踏み入れたのでした。
この長い石段に拒否反応があったんだよね。


ということで初めてお参りしました。


今日は法学部の入試ということで、人通りもまばらだ。大学の構内には入れないが、なつかしい通りをぶらーり。


大隈講堂は受験者の保護者待機場となっていたが、いまどきは入試にも親がついてくるのか…。ほぼ一日、子供の試験が終わるまで、なにをしてなにを考えて待ってるんだろう。考えただけで気が遠くなる。


なつかしい店がまだあった。キッチンオトボケ。安くてボリュームたっぷりの定食屋さん。お世話になりました。さすがに今は完食の自信がないので入りませんでした。


「ぷんんらた」じゃないよ、ぷらんたん。友達とよくお茶を飲んだ喫茶店。当時のまま。
だけど、このあたりは昔のお店がほとんど消えていた。なつかかったのは高田牧舎、メルシー、三朝庵くらいか。喫茶店と食堂が特に消えている。いまどきの学生気質をあらわしてるのかなあ。


と思っていたら、焼き肉大昌苑は健在でした。ずいぶんきれいな店構えになっちゃったけどね。ここの焼き肉とナムルはめっちゃうまかった。


そして、このあたりに私がバイトしていた喫茶店「南米航路」があったんだけど、もうなくなってた。マスターは徳川さんといって、将軍家徳川の末裔。紙相撲を発明した人で、紙相撲協会の会長でもあった。とても優しくて楽しいひとだったなー。いまはどうしているかしら。

けっきょく、早稲田近辺では昼食を食べそびれ、地元にかえってきてしまった。


そして、家の近所で本日のカレーセット。
なにやってんだか。今度はぜったい高田牧舎でご飯食べるぞ。何を隠そう、三十数年間、一度も入店したことがないのだった。




遅まきながら謹賀新年

2010年01月18日 20時21分15秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞


一月も半分過ぎてしまいましたが、謹賀新年。
おめでとうございます今年はまめまめしくブログを更新するつもりです…ハハハ。



一昨日の土曜日は、木村伊兵衛とアンリ・カルティエ・ブレッソンの写真展に行ってまいりました。
後世に名を残した二人の共通点は、ライカ。でも、カメラには全く疎い私はそちらには興味はなく、もっぱら写真鑑賞。
特にブレッソンがよかった。作ったでしょう! と思うくらいのシュールな画は、フェリーニの映画を思い出させた。すぐれた写真って、芸術なのだと改めて実感。

写真展のあとは、お隣の恵比寿ビールで乾杯!



アイスバインと、



ソーセージの盛り合わせ。うまいっ。

と、ここはこれぐらいにしておきましょう。

なぜなら、これから合羽橋へ移動するのである。
砥石を買いに…。



で、無事に砥石をゲットしたら、お約束の「染太郎」でお好み焼き。
いつ来てもおいしい。まったくおいしい。



そのあと、仲見世へ。
写真展でみた、木村伊兵衛の写真のなかに、仲見世で撮った永井荷風の写真があったので、どのあたりかを検証。

古くからのお店の人にうかがったところ、丁寧に教えてくれた。
その結果、連れによれば、このあたりじゃないかというのですが、はたしてどこなんだか。
今年は荷風が「三田文学」を創刊して100年にあたるそうである。
年内には「墨東奇譚」くらいは読んでみようと思いました。






野田秀樹「パイパー」

2009年02月01日 08時38分28秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
先週の27日(火)、渋谷の文化村で「パイパー」見てきました。
野田秀樹の芝居は、ここ数年、はまっていて、楽しみの一つ。
今回は、主役に松たか子と宮沢りえという豪華キャスト。うーん、すごい。
なにしろ、手に入れたチケットは前から2列目中央の席なのである。よく見えたよ~。

物語は未来の火星。地球から移住した人類だったが、地球からの支援もなくなり、火星は荒廃していく。…うまく説明できないなあ。

松たか子と宮沢りえは姉妹役。対照的な性格がよく出ていた。芝居のラストで二人がかけあいのようにいうセリフが圧巻だった。膨大なセリフ、二人とも間違えず、つっかかったりせず、見事にこなした。よく覚えられたもんだ。すごい。
それだけに限らず、特に宮沢りえの演技力には驚いた。
おととし見た「ロープ」では、正直いって、一所懸命やってるよね、といった感じだったけど、今回の舞台は凄味があった。いい女優になっていてびっくり。

あとは橋爪功もよかったけど、やっぱり大倉孝二が素晴らしかった。
だいぶ前ですが、大河ドラマ「新撰組!」で、新撰組の勘定方・河合きさぶろう役をやっていたので、それ以来、連れは大倉君を「勘定方」と呼ぶんですが、芝居がはねた後も「勘定方よかったなあ」としきりに言っていました。ちなみに、野田秀樹のことは「勝海舟」と呼んでいる…。

野田秀樹の芝居は、膨大なセリフの中に、きらきらする言葉がたくさん詰まっていて、とても刺激になる。だから好きだ。

来年の舞台も楽しみだ。ほんとにおもしろかった!

アンドリュー・ワイエス展

2008年12月20日 15時42分10秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
一昨日の木曜、渋谷の文化村のアンドリュー・ワイエス展に行ってきました。



名前は知っていたけれど、絵を見るのは初めて。と思ったが、どこが見たような、懐かしい風景だ。すれ違うように目にしていたかもしれない。

代表作といわれる「クリスティーナの世界」を楽しみにしていたのだけど、習作だけで本物は拝めなかった。残念。
印象に残った絵は、「747」「火打石」「オイル・ランプ」「野に置かれた義手」。とくに「747」がよかった。タイトルは7時47分と、ボーイング747を意味するんだって。ジェット機の飛行機雲を見上げる女性の後ろ姿を描いた絵。

それにしても習作ばかりでびっくり。習作を見ることなんてなかなかないから、おもしろいとは思うけど、習作は習作だもんなあ。ひどくがっかり。
「クリスティーナの世界」見たかったなあ。



おみやげの一行箋は「火打石」。一行箋にもポストカードにも「クリスティーナ」はなくて、またしてもがっかり…。

初めてのオペラ

2008年12月10日 19時49分17秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
昨日の12月9日、ワタクシ、生まれて初めてオペラを鑑賞してきました!



会場は、新国立劇場。雨がしとしと寒かったけど、初台駅から濡れることなく入れました。



演目は「ドン・ジョヴァンニ」。言わずと知れたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの傑作です。もう、一週間前から、わくわくでした。連れはオペラが好きなので、何度か見たことがあるらしいが、こっちはなんたって初めてですから。簡単なストーリーとおもな登場人物の名前くらいは覚えておくように言われ、ネットでお勉強しました。



連れとはロビーで待ち合わせしていたので、早く到着した私は飲み物なぞ…。
ヴーヴクリコ、1600円也。久しぶりのクリコだぜ。やっぱりおいしーい!
もっとも、あとから来た連れに、無駄遣いだと叱られまひた…。

本題のオペラですが、もうほんとうに楽しかったし、美しかったし、あっというまの3時間でした。
連れがよくいってた「オペラは最高の芸術だ」というのが実感できました。なんともいえないゴージャスさ。そして音楽の美しさ。やはり芝居や音楽は生で聴かないとだめだね。つくづく納得。すっかりはまってしまいました。
もっとも、お値段がお値段ですから、しょっちゅういけるわけないんで、また手頃な値段で見られる演目があったら、いきたいなあ。
ちなみに、この日のチケットは2万3000円。連れによると安いほうらしい。
行く前は、なんて高いんだと思ってたけど、今は妥当な金額だと納得。

そうそう。「わたしはあなたとは違うんです」福田前首相がご夫妻でいらしてた。
冷たそうな顔してるけど、意外と奥様と仲良しなんだね。




大琳派展

2008年10月31日 21時34分07秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞
昨日、東京国立博物館で行われている「大琳派展」へ行ってきた。



上野駅を出たらすごい人。平日だよね…今日は。なにゆえこんなに混雑しているのか。「フェルメール展」混んでるのかなあと思いつつ、ランチを食べようと、文化会館二階の精養軒へ向かうと、行列。ぎぇっ、やっぱりね。
じゃあ、博物館のレストランにしようかと、先へすすむ。



博物館前で信号待ってたら、やっぱりすごい混雑ぶり。え、フェルメールじゃないのか、混雑は。横断歩道を渡ると入口には、「大琳派展」はただいま非常に混雑しておりますという注意書きが貼られていた。え? ここが混んでるのか…想定外だ。混んでるの、苦手だ。
おまけに宝物館と東洋館のレストランもすごい行列なのだった。どうみても1時間は待たなきゃならないみたいだ。読みが甘いよね、わたしたち。
しかたないので、東洋館のショップでサンドイッチとビールでランチにすることにした。



精養軒で食べられなくてちょっとがっかりしたけど、こういうのもたまにはいいね。サンドイッチ、なかなかおいしかった。天気がいいと、屋外で食べるのは気持ちいい。



さて、腹ごしらえもすんで、いよいよ「大琳派展」。
本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳ら琳派の作品展だ。光琳の生誕350年なのだとか。
お目当てはもちろん風神雷神。
宗達、光琳、酒井抱一、鈴木其一四人がそれぞれ描いた「風神雷神」が一度に見られるんである。
これは本当に圧巻のひとことにつきました。すばらしいね。たいへんな迫力。実物を見るとやはり印象が全く違った。
わたしは宗達の風神雷神がいちばんよかったです。品がある、というのか、構図も表情もほんとに美しい。

とにかく展示品の数がすごいし、目を引くものばかりで、たっぷり二時間半鑑賞いたしました。後半は疲れて、流してしまった…。混んでるし、疲れたよ。

風神雷神以外では、光悦の「赤楽茶碗」、宗達「双犬図」、光琳「波図屏風」などが印象的だった。ほかにもいっぱいあったが、作品名を忘れました。
光悦、宗達って、粋でおしゃれな芸術家だったんだなあ。発想が自由だもんね。



記念のおみやげは、辻利の宇治茶。風神雷神の缶が気に入ったので買ってしまいました。

さて、まだちょっと夕暮れには早いけど、どこかでいっぱいやろうかね。

ということで、このあとはグルメ編につづく。




文学フリマ

2007年11月12日 00時00分44秒 | 芝居・絵画・音楽鑑賞


本日、文学フリマに参加してきました。第2回からの参加なので今年で5回目です。
今年も最低ラインの売り上げはクリアしまして、本当に楽しい一日でした。
買っていただくときの話のやりとりの中で、文学の話を、ふだんは会話を交わせない年代や環境の人とできるのは大変に貴重なことで、とても楽しかった。
安部公房ファンの青年がいたり、菊池寛にはまる若い女性などと話をする機会などなかなかありませんし…。
ホント、楽しいんですよ。



それから、顔なじみの方が増えて、いろいろと情報交換できるのがうれしい。
リピーターで買っていただける方も増えた。
ありがとうございます。
「レベルの高い同人誌ですね」といわれると、面映いけど、本当に涙がにじむほどうれしかったよ。



でも、今回いちばんうれしかったこと…。
それは、中沢けい先生にサインを頂いたこと。
30年前に買った「海を感じるとき」に、サインをしていただいた。
ワタシは先生と同い年。
当時、この小説を読んで、おぼろげに作家になろうなんて夢もっていましたが、捨てました。
それ以来ずっと小説からは離れていたけど、あることがきっかけで15年ほど前から再び小説を書こうと動き出し、同人誌をはじめとする活動をしているわけです。
中沢先生とお話をしている自分を見ているもう一人の自分が、「こんなことがあるんだよ。生きてることは案外おもしろいもんだねえ」と言っているみたいだった。
本日の酒は、いつもの何倍もうまいです。