The Beach Boys
1962.10
Produced by Nick Venet
第一号は、ビーチ・ボーイズのデビューアルバムです
1962.10
Produced by Nick Venet
第一号は、ビーチ・ボーイズのデビューアルバムです
リーダーのブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)を長兄に、デニス・ウィルソン(Dennis Wilson)、カール・ウィルソン(Carl Wilson)という3兄弟と、いとこのマイク・ラヴ(Michael Love)、ブライアンの同級生のアル・ジャーディン(Alan Jardine)という、ご近所バンド。
彼らのデビュー時のごたごた話は結構有名
身内でコーラスを楽しんでいた彼ら、音楽関係の仕事をしていた父の勧めもあり、ペンデルトンズとして「サーフィン」を録音しローカルデビュー
んで翌朝なぜかビーチ・ボーイズと名前が変えられており(笑)、ほとんど泳がないし、サーフィンもしない連中は、海・夏のシンボルとして生きていくことに
唯一のサーファー、デニスの勧めでサーフィン系の音楽を作り出したブライアンですが、これはある意味ついてたと思う
この4年後には“天才ブライアン”と呼ばれる彼ですが、あまりにマニアックに完ぺき主義者でしたから、サーフィンや車といった、軽くてブームになりやすいテーマがなかったら、理解不能な存在として、それほど世に知られなかったかも知れませんね。
この時、ブライアンは20歳、マイクが21歳、デニスが18歳、カールは16歳、アルも20歳で、この頃だけ在籍していた、これまたご近所さんのデビッド・マークス(David Marks)に至っては14歳でしたかね 若過ぎるな~
バンドの結成って、普通は“楽器やってた連中が集って出来る”のでしょうけど、ビーチ・ボーイズは、“集ってた連中がそれぞれ楽器を選ぶ”ことで出来たという、逆の存在ですね
だからこのアルバム、自他共に、ローカル・ブームで終わるか、少なくとも長いことこの顔ぶれでやるとは思ってたなかった可能性が高い、そんな一発企画的な作品と言っていいかも知れませぬ。
トラック・バイ・トラック
⑦ Surfin' B.Wilson - M.Love :US #75
実質のデビュー曲がなので、こちらからローカルヒットが長じて、全米75位に
実は相当マイク主導で書いたようです
確かにマイク・ラヴは初期から“何かをつかむ”才能を開花させてたと思いますねー
④や⑫といい、面白く、何より、ビーチ・ボーイズの空気に合った歌詞が作れてますよね
ポッポーテュッテュルールルって低音パート、あれがたまらない
① Surfin' Safar B.Wilson - M.Love :US #14
いやはや、⑦から随分一気に成長したもんです。全米デビューを14位で飾った、アップテンポの好シングル
こちらはブライアンが主導で書いたのでしょう
その後のサーフィン・ホットロッド(改造車)系音楽の典型の一つとなる、“つかみはOK”的な作り、完璧です
注:キャッチーなワンフレーズを出だしに持ってきて、それをサビでも使い、サビの直前は割りと単調なメロディを繰り返す、「サーフ・シティ」系の作り(笑)
・・・ドラムがどんどん崩れていくのもご愛嬌
白人中産階級の若者が、個人的関心事を、とてつもなく楽しいメロディに乗せて歌うという、ビートルズに先駆けた出来事でした
② County Fair B.Wilson - G.Usher
歌詞と曲の持つ空気、アルバムの雰囲気、この辺でブライアンの作曲能力って、割り引かれてしまうのではないかなーって思います
実際、ブライアンのメロディ・メイカーぶりには恐ろしいものがあって、こちらは単なる田舎の祭りの歌なんですが、後に同じメロディで「アイ・ドゥー」という名バラードに大変身
そういう時に改めて、彼の素晴らしさに気づいたりします
③ Ten Little Indians Trad. B.Wilson - G.Usher :US #49
この頃はブライアンはまだ天才じゃない、なんていう人がいるが、そんなことはないでしょう
超有名な童謡「十人のインディアン」ですが、コーラス配置といい、転調の入れ方といい、こんなに格好良いアレンジになるとは
なぜかセカンドシングルでした(笑)。
④ Chug-A-Lug B.Wilson - M.Love - G.Usher
当時の彼らと、その周辺人物が登場する歌デビューと同時に身内ネタで攻めるって凄いよね(笑)。
バックのコーラスは、後を思えば割と控えめかなでも楽しいです
元祖ノンアルコール飲料、ルート・ビアの歌
⑤ Little Girl (You're My Miss America) Catalanoe - H.Alpert
彼らのハーモニーの絶妙なスパイス、枯れた声のデニスがリード
オリジナルはダンテ&ヒズ・フレンズ(Dante & His Friends)の「ミス・アメリカ」
彼ら自身の知名度はほとんどない、どころか、この曲以外は全くの謎
逆に、この曲は割と有名で、ドゥ・ワップの編集版なんかにひょっこり収まってたりします
確かに親しみやすい良いメロディ、と思ったら、何とライターがハーブ・アルパート
後のA&M創始者、ブラスのリーダー、はたまたシンガーとしても大活躍
ポップス界のレオナルド・ダ・ヴィンチ(笑)。
⑥ 409 B.Wilson - M.Love - G.Usher :US #76
って名前の車の歌
冒頭のエンジン音、ブライアンと共作者のゲイリー・アッシャー(Gary Usher)は、どうやらマジでこの車のエンジンを、他人の家に忍び込んで録ったらしい(笑)。すぐにバレて猛ダッシュで帰ったとか
彼らの音へのこだわりから考えて、さもありなんってエピソードですね
この車好きの友人、ゲイリーは、初期ビーチ・ボーイズにとって、そして西海岸ポップスにおいて、非常に重要な役回りをした人
曲の中で特筆すべきはマイクの歌い方
ハイトーンで「She's real fine my」と歌った直後に、超ベースで「409」ですからねー。すげぇ
これは①のB面で、A面にサーフィン、B面に車って組み合わせが当時の定番になんて言われますが、「サーフィンUSA」と「サーファーガール」と、計3回だけなんですけどね
⑧ Heads You Win, Tails I Lose B.Wilson - G.Usher
初期の良さが詰まったような感じ
リズムといい、ハーモニーといい、こういうの大好きです
マイクの低音がテンポ良く感じさせるんでしょうね~
コイン占いの歌
⑨ Summertime Blues E.Cochran - J.Capehart
エディ・コクラン(Eddie Cochran)の超有名曲を、若々しくカヴァー
なぜか今年のフジ・ロックでアンコール曲としてやってましたね
・・・きっとかなりの観客が“あ、この曲ってビーチ・ボーイズのなんだ”って誤解したでしょうね(笑)。
日本でも清志郎が凄い歌詞でやってたはず。
こちら、カールとデビッドがリードを取っているという説が有力です
⑩ Cuckoo Clock B.Wilson - G.Usher
これもなー、もし歌詞が
「恋人と良い感じなのに、うるさいよ鳩時計」
なんて歌詞でなければ、傑作バラードなんですけどね~(笑)。
ブライアンの無垢な歌声は泣けますでも歌詞は鳩時計。
⑪ Moon Dawg D.Weaver
初期~中期のアルバムにはなぜか必ずインスト曲が入ってました。
『パーティ』くらいですかね、入ってないの
他のアーティストと比べても、ビーチ・ボーイズのインスト使用率は高すぎなんですが、これは一体何でなんでしょう??
ブライアンの意向なんでしょうかね?
⑫ Shift B.Wilson - M.Love
ブライアンが、主にミュージシャンに“凄い”と言われやすいのは、こんな感じのことをするからなんでしょうねー
つまり、ある曲を、少しだけいじくって別の曲にしてしまうこと
「ビーチ・ボーイズって、曲が全部同じに聞こえるからダメ」と思う人と、「同じ曲を様々に膨らませて、素晴らしいね」と思う人がいるようで、最近後者が増えてきたようです
歌詞はドレスについて。
・・・このアルバム、サーフィン歌ったり、車歌ったり、祭り歌ったり、ビール歌ったり、コイン占い歌ったり、鳩時計歌ったり、ドレス歌ったり、ちょっとコミックなバンドですよね
まともなのは、女の子を歌ったカヴァー曲くらい??(笑)
身内でコーラスを楽しんでいた彼ら、音楽関係の仕事をしていた父の勧めもあり、ペンデルトンズとして「サーフィン」を録音しローカルデビュー
んで翌朝なぜかビーチ・ボーイズと名前が変えられており(笑)、ほとんど泳がないし、サーフィンもしない連中は、海・夏のシンボルとして生きていくことに
唯一のサーファー、デニスの勧めでサーフィン系の音楽を作り出したブライアンですが、これはある意味ついてたと思う
この4年後には“天才ブライアン”と呼ばれる彼ですが、あまりにマニアックに完ぺき主義者でしたから、サーフィンや車といった、軽くてブームになりやすいテーマがなかったら、理解不能な存在として、それほど世に知られなかったかも知れませんね。
この時、ブライアンは20歳、マイクが21歳、デニスが18歳、カールは16歳、アルも20歳で、この頃だけ在籍していた、これまたご近所さんのデビッド・マークス(David Marks)に至っては14歳でしたかね 若過ぎるな~
バンドの結成って、普通は“楽器やってた連中が集って出来る”のでしょうけど、ビーチ・ボーイズは、“集ってた連中がそれぞれ楽器を選ぶ”ことで出来たという、逆の存在ですね
だからこのアルバム、自他共に、ローカル・ブームで終わるか、少なくとも長いことこの顔ぶれでやるとは思ってたなかった可能性が高い、そんな一発企画的な作品と言っていいかも知れませぬ。
トラック・バイ・トラック
⑦ Surfin' B.Wilson - M.Love :US #75
実質のデビュー曲がなので、こちらからローカルヒットが長じて、全米75位に
実は相当マイク主導で書いたようです
確かにマイク・ラヴは初期から“何かをつかむ”才能を開花させてたと思いますねー
④や⑫といい、面白く、何より、ビーチ・ボーイズの空気に合った歌詞が作れてますよね
ポッポーテュッテュルールルって低音パート、あれがたまらない
① Surfin' Safar B.Wilson - M.Love :US #14
いやはや、⑦から随分一気に成長したもんです。全米デビューを14位で飾った、アップテンポの好シングル
こちらはブライアンが主導で書いたのでしょう
その後のサーフィン・ホットロッド(改造車)系音楽の典型の一つとなる、“つかみはOK”的な作り、完璧です
注:キャッチーなワンフレーズを出だしに持ってきて、それをサビでも使い、サビの直前は割りと単調なメロディを繰り返す、「サーフ・シティ」系の作り(笑)
・・・ドラムがどんどん崩れていくのもご愛嬌
白人中産階級の若者が、個人的関心事を、とてつもなく楽しいメロディに乗せて歌うという、ビートルズに先駆けた出来事でした
② County Fair B.Wilson - G.Usher
歌詞と曲の持つ空気、アルバムの雰囲気、この辺でブライアンの作曲能力って、割り引かれてしまうのではないかなーって思います
実際、ブライアンのメロディ・メイカーぶりには恐ろしいものがあって、こちらは単なる田舎の祭りの歌なんですが、後に同じメロディで「アイ・ドゥー」という名バラードに大変身
そういう時に改めて、彼の素晴らしさに気づいたりします
③ Ten Little Indians Trad. B.Wilson - G.Usher :US #49
この頃はブライアンはまだ天才じゃない、なんていう人がいるが、そんなことはないでしょう
超有名な童謡「十人のインディアン」ですが、コーラス配置といい、転調の入れ方といい、こんなに格好良いアレンジになるとは
なぜかセカンドシングルでした(笑)。
④ Chug-A-Lug B.Wilson - M.Love - G.Usher
当時の彼らと、その周辺人物が登場する歌デビューと同時に身内ネタで攻めるって凄いよね(笑)。
バックのコーラスは、後を思えば割と控えめかなでも楽しいです
元祖ノンアルコール飲料、ルート・ビアの歌
⑤ Little Girl (You're My Miss America) Catalanoe - H.Alpert
彼らのハーモニーの絶妙なスパイス、枯れた声のデニスがリード
オリジナルはダンテ&ヒズ・フレンズ(Dante & His Friends)の「ミス・アメリカ」
彼ら自身の知名度はほとんどない、どころか、この曲以外は全くの謎
逆に、この曲は割と有名で、ドゥ・ワップの編集版なんかにひょっこり収まってたりします
確かに親しみやすい良いメロディ、と思ったら、何とライターがハーブ・アルパート
後のA&M創始者、ブラスのリーダー、はたまたシンガーとしても大活躍
ポップス界のレオナルド・ダ・ヴィンチ(笑)。
⑥ 409 B.Wilson - M.Love - G.Usher :US #76
って名前の車の歌
冒頭のエンジン音、ブライアンと共作者のゲイリー・アッシャー(Gary Usher)は、どうやらマジでこの車のエンジンを、他人の家に忍び込んで録ったらしい(笑)。すぐにバレて猛ダッシュで帰ったとか
彼らの音へのこだわりから考えて、さもありなんってエピソードですね
この車好きの友人、ゲイリーは、初期ビーチ・ボーイズにとって、そして西海岸ポップスにおいて、非常に重要な役回りをした人
曲の中で特筆すべきはマイクの歌い方
ハイトーンで「She's real fine my」と歌った直後に、超ベースで「409」ですからねー。すげぇ
これは①のB面で、A面にサーフィン、B面に車って組み合わせが当時の定番になんて言われますが、「サーフィンUSA」と「サーファーガール」と、計3回だけなんですけどね
⑧ Heads You Win, Tails I Lose B.Wilson - G.Usher
初期の良さが詰まったような感じ
リズムといい、ハーモニーといい、こういうの大好きです
マイクの低音がテンポ良く感じさせるんでしょうね~
コイン占いの歌
⑨ Summertime Blues E.Cochran - J.Capehart
エディ・コクラン(Eddie Cochran)の超有名曲を、若々しくカヴァー
なぜか今年のフジ・ロックでアンコール曲としてやってましたね
・・・きっとかなりの観客が“あ、この曲ってビーチ・ボーイズのなんだ”って誤解したでしょうね(笑)。
日本でも清志郎が凄い歌詞でやってたはず。
こちら、カールとデビッドがリードを取っているという説が有力です
⑩ Cuckoo Clock B.Wilson - G.Usher
これもなー、もし歌詞が
「恋人と良い感じなのに、うるさいよ鳩時計」
なんて歌詞でなければ、傑作バラードなんですけどね~(笑)。
ブライアンの無垢な歌声は泣けますでも歌詞は鳩時計。
⑪ Moon Dawg D.Weaver
初期~中期のアルバムにはなぜか必ずインスト曲が入ってました。
『パーティ』くらいですかね、入ってないの
他のアーティストと比べても、ビーチ・ボーイズのインスト使用率は高すぎなんですが、これは一体何でなんでしょう??
ブライアンの意向なんでしょうかね?
⑫ Shift B.Wilson - M.Love
ブライアンが、主にミュージシャンに“凄い”と言われやすいのは、こんな感じのことをするからなんでしょうねー
つまり、ある曲を、少しだけいじくって別の曲にしてしまうこと
「ビーチ・ボーイズって、曲が全部同じに聞こえるからダメ」と思う人と、「同じ曲を様々に膨らませて、素晴らしいね」と思う人がいるようで、最近後者が増えてきたようです
歌詞はドレスについて。
・・・このアルバム、サーフィン歌ったり、車歌ったり、祭り歌ったり、ビール歌ったり、コイン占い歌ったり、鳩時計歌ったり、ドレス歌ったり、ちょっとコミックなバンドですよね
まともなのは、女の子を歌ったカヴァー曲くらい??(笑)
・・・僕ももう少し皆様のブログにすばやく反応したいな~。
>初期の2枚はブライアンプロデュースでないので弱い
まさしく。
まるで別のアーティストかというくらい、サウンドが違いますよね。
『サーファー・ガール』のプロデュースの段階で、まだ21歳くらいのはずですが、恐ろしいもんです