![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/27/5d5f1029c286ae87f1acaa981abfb105.jpg)
The Everly Brothers
1960
Produced by Archie Bleyer
※タイトルは50字以内でと怒られまして、ブラザーズを省いてます
この紹介の仕方は少しズルいのです
実はこの①~⑭は、実質3作目にあたる『The Everly Brothers Best』と、4作目となる、今回のタイトルのアルバムに収録された曲を両方くっつけてます
なんでそんなことをしたのかと言うと
(1)3作目と4作目のアルバムは、ベスト盤のような作りをしているアルバムに、それぞれ新作が入っていたんです
…つまり、1枚目収録の作品も平気な顔して入っていたのです
50年代のアルバムはそんなもんなんだそうです
(2)だから、現在売れられているCDも、先月紹介したデビュー作に、上記①~⑭の順番で、3作目と4作目の新作だけを付け加えているのが圧倒的に多いので、僕もそれにあやかろうかなと
・・・イギリスでは当時こんな形で売られていたのかも知れませんね
14曲だし。
突然ですが、ポール・マッカートニーの大ヒット曲に「幸せのノック」という作品があります
ノックしてる人たちがいるので部屋に入れよう、という不思議な歌。
歌詞の中で、部屋に招待される人は、ジョン・レノンや奥さんのリンダ・マッカートニーなど、音楽的にも血縁的にも身内ばかりです。
身内以外は2組で、一人は“マーチン・ルーサー”。ビートルズと同時代で、彼らとも関連がある、キング牧師ですね。
もう一組、“フィル&ドン”が呼ばれてます。
えぇ、エヴァリー兄弟です
身内以外の音楽関係者でポールの部屋に呼ばれたのが、エヴァリー兄弟だけってのは意味深だなぁ、などと考えてしまう
彼らがビートルズにとって大きな存在だったかを表していますね
さて、このアルバム収録の曲、60年代音楽を聴く人は、是非お勧めです
Fabulousとは良く言ったもので、本当に素晴らしい音楽スタイル
進みすぎです
⑧なんて、60年代半ばに出てても良いのではなかろうか。
ランク見てください。人気も最盛期ヒット曲だけをざっと年代順に書いても、
58年:⑭①(A面B面)、⑨⑦、⑪⑫
59年:⑥⑬、⑩
60年:④、⑧、②
とまぁ、14曲中12曲
しかも半分は特大ヒットです
彼らの快進撃は62年まで続きますし、そもそも、最大のヒット「キャシーズ・クラウン」は④と⑧の間に出てます
ファーストの時にも書きましたが、この時期の作品は、ボーナスも多い2枚組みのこちらをお勧めします。
これの1枚目収録の、フィルが作曲したデモ作品、素晴らしいポール・マッカートニーも真っ青なバラード曲。
トラック・バイ・トラック
① Claudette R.Orbison :US #30 /UK #1
プリティ・ウーマンのテーマ曲で異様に有名な、ロイ・オービソン(Roy Orbison)のカヴァー
でも元々も彼らの曲だったのではないかと思いたくなるような、見事な歌いっぷり
歯切れが良い
② Like Strangers B.Bryant :US #22 /UK #11
作者のブライアントさん、これだけの数のバラードを書いて、ほとんど“外れ”がない
凄いライター夫婦です
歌詞も素敵です
しかもだ、これは④のB面凄いクオリティのシングル盤。
③ Since You Broke My Hart D.Everly
④ Let It Be Me M.Curtis - P.Lelange :US #7 /UK #13
なぜかカラオケでエヴァリーズの欄を見ると、必ずこれが入ってます
ドラマか何かで使われたことがあるんでしょうか?
そもそもはフランスかどっかの曲らしいです
エヴァリーズがカヴァーして大ヒットさせてからは、後の人がカヴァーすると「エヴァリー・ブラザーズの…」と紹介されるようになってますな
ストリングスがバッチリ決まってて、コーラス部分もソロ・パートも、“聴かせる”お二人です
⑤ Oh, What A Feeling D.Everly
ドン・エヴァリーが書く曲は無茶をする(笑)。
何がって、高低の移動が
時にそれが魔法のような魅力を発揮します
⑥ Take A Message To Mary B.Bryant - F.Bryant :US #16 /UK #29
ブライアント夫妻必殺のバラード(笑)。
「Take a message to Mary, but don't tell where I am. Take a message to Mary, but don't say I'm in a jail.」と始まる悲しい曲
誤って人を殺してしまった男性からの手紙
「You can tell her I have to change my plan and cancel out wedding day.」と来ると、もう
しかも、良い人見つけるよう伝えてくれ、ってなるんよ
しっとりとしたイメージ、ギターも良いが、パーカスが良いですよね~
更に素晴らしいのは、この曲のB面
⑬ Poor Jenny B.Bryant - F.Bryant :US #22 /UK #14
ひっくり返した途端に超々高速リズム・ギターが入って、誰にもマネできない、いつもの歯切れの良い和音コーラスが始まるんです
何と素晴らしいシングル盤でしょう
ブリティッシュ・ビート勢も真っ青な名アップテンポ
どうしてこんな歌い方できるんかなー
しかも綺麗にハモってるしね
UKで出た別ヴァージョンも、よくボーナスで入ってます。
にしても、本当にビートルズの音楽は彼らに似過ぎています
怖いくらい。
⑨ Bird Dog B.Bryant :US #1 /UK #2
⑦のA面が⑨なので、こちらから紹介します。
ドンさん、本当にドラムのようにギターを弾いてます
これ以上にはできないでしょう。・・・真似したい(笑)。
珍しく低音の合いの手も楽しく、最っ高のノリです
この伸びの良さと歯切れの良さはないよな~。
1年前に「バイ・バイ・ラヴ」の全米2位、「起きろよ、スージー」で1位、1曲挟んで、58年「⑭夢を見るだけ」も1位、続くこちら、⑨も1位
世紀のスーパースターですね
⑦ Devoted To You B.Bryant :US #10
裏面までトップ10入り
ビーチ・ボーイズのアコスティック“パーティ”ヴァージョンのカヴァーでも有名なこの曲、意外に本家の方が凝った演奏になってます
⑭もそうなんですが、二人の声、どっちがリードということもなく、抜群のハーモニーを効かせてます
実際、どちらのパートを歌ってみてもグッと来るメロディをしているのは凄い
こんな彼らの良さが、当時の音楽少年達に真似をさせ、ハモりの楽しさを教えていったのでしょう
⑧ When Will I Be Loved P.Everly :US #8 /UK #4
上のデモ曲の話でも書いたが、フィルの作曲センスは本当に凄いと思う
この1曲には本当にハマりました(笑)。
アレンジとかは誰がやったのでしょう?
「When I meet a new girl~」のサビ、バックの演奏が1番と変化する2番
あのリズムが本当に好きなんです
・・・歌詞はえらく後ろ向きですが(笑)。
⑩ ('Til) I Kissed You D.Everly :US #4 /UK #2
国内サイトで、一番エヴァリーズを詳しく丁寧に扱ってらっしゃる方、この曲でエヴァリーズ好きになったとおっしゃってました
ドンの、相変わらずが魅力的でキャッチーなこの曲は、兄弟自作で初の特大ヒット
「アッハ」とか「オーイァー」の掛け声はトレード・マーク的
ビートルズがBBCライヴでエヴァリーズの「ソゥ・ハウ・カム」を演ってましたが、ちゃんと「アッハ」って言ってましたね(笑)。
⑪ Promblems B.Bryant - F.Bryant :US #2 /UK #6
これが⑨に続いて2位を取ります。驚き
ブライアント夫妻の文句なしにポップな曲に、得意のリズム・ギターが冴えます
⑫ Love Of My Life B.Bryant - F.Bryant :US #40
これもブライアント夫妻の“たまらん”バラード
泣きたくなるほど美しいメロディです
エヴァリーズは、本当に曲を“魅せる”歌い方をするよなぁ。
⑭ All I Have To Do Is Dream B.Bryant :US #1 /UK #1
稀代の名曲ブライアントさんは、この一曲しか書かなかったとしても、音楽史上で最も優秀なライターと呼んで良いのでは???(大袈裟)
3つ目のヒットにコレってのが、エヴァリー・ブラザーズを、それこそエヴァー・グリーンな存在にしたのではないでしょうか?
それまでのノリの良い曲とは一線を画す、奥深さと繊細さ
爆発的な人気で、5週連続の1位
いや、確かにラジオからこれが流れてくるインパクトは凄かったろうな~
当時の人が羨ましい
⑦でも触れましたが、二人のパートはどちらも超綺麗
僕もラジカセの前で両方を良く歌ってましたが(笑)、それぞれに素晴らしい味があり、とにかく美しいです
ギターも大好きデス
エヴァリーズ、大好きなんですが、ベスト盤止まりの駄目な私でございます。ちゃんとオリジナルアルバムを聴いて行きたいと思っていおります!もしくはボックスが欲しいです!!