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垂れ流す部ログ

色々なことについてぶつくさ言う、垂れ流す部ログ。
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『大葬儀』駕籠真太郎 太田出版

2007年08月26日 22時11分26秒 | 漫画
『マンガ・エロティクス』『マンガ・エロティクスF』に掲載されたものをまとめたもの。一巻。
『マンガ・エロティクス』『マンガ・エロティクスF』というマンガ誌があるんですね…初めて知りました。

エロ・グロ・ギャグのマンガです。エロとグロにかなり力を入れているので、女性が読むと気持ち悪いかもしれないですね。『かすとろ式』なんてタイトルのマンガ出しているぐらいの作者ですし…。
ま、「…こんなマンガもあるのか」ぐらいで。

『短編マンガ集 バニーズほか』笠辺哲 小学館

2007年07月21日 23時23分27秒 | 漫画
月刊 IKKI に掲載されたものと書き下ろしを集めた短編集、全一巻。
どこか懐かしく感じるようなほのぼのとした絵柄です。ちょっとひねりが利いたオチの喜劇的ものや不条理なもの、しんみりしたものなど色々な作品が収録されていますが、どの作品も飄々とした絶妙の脱力具合。
IKKI らしいというか、子供よりも大人が読んでこそ面白いです。

『怪談人間時計』徳南晴一郎 太田出版

2007年06月09日 19時54分36秒 | 漫画
「QJマンガ選書」の一冊。併録『猫の喪服』
友達に教えてもらったんですが、これはすごい。読み終わる前に「これ、俺も探して買う!」
『怪談人間時計』『猫の喪服』とも元々は1962年に曙出版から初版発行された作品で、こちらは復刻版です。
徳南晴一郎についてはウィキペディアなどで見てもらえばいいと思いますが、苦難に満ちた人生を歩んでいたようです。ガス自殺を図ったこともあるぐらいですから。
そうした人生を反映してか、絵柄も内容も鬼気迫るものがあります。不気味な絵と不条理な展開ですので、今なら「サブカルっぽい変なマンガ」としてギャグ的に捉えられてしまいそうですが…いや、この狂気と迫力はなかなか無いです。

『虫けら様』秋山亜由子 青林工藝舎

2007年05月08日 22時43分06秒 | 漫画
ガロとアックスで散発的に掲載していたものをまとめ、書き下ろし作も加えた単行本。
タイトルからも伝わってくるように、虫やその生態を主題とした作品群がそろっています。ネズミや貝(貝殻)を取り上げた作品もあるので、そういった「ちいさなもの」に関心が高いのでしょう。草子絵巻からテキストを得て描かれた作品もあります。
「いかにもガロ系」という濃密な絵の作品もあれば、あっさりとした絵の作品もあります。擬人化された虫が自らの生態を解説しているのみという内容の作品もあったりしますが、だからといってつまらないということがありません。
作者の「ちいさなもの」に対する愛情を感じさせ、じんわりほのぼの、なんとも味わい深いです。

『プルンギル -青の道- 』原作江戸川啓視 作画クォン・カヤ 新潮社

2007年04月12日 20時14分26秒 | 漫画
週刊コミックバンチにて連載、全5巻。
日韓両国のお互いに対する愛憎というテーマを下敷きに、日本と韓国で起こった連続殺人とそれを追う韓国人と日本人の刑事二人を主人公に据えた、読み応えありの骨太の漫画です。
新宿の廃ビルで異様な死体が見つかるところから物語は始まります。全身の関節が伸ばされ捻られた、ぞうきんのような死体の傍らには、ハングルで書かれたメッセージ。そしてちょうどその死体発見後に現場に現れた韓国の刑事が明かしたのは、韓国でも同じ死体が見つかっていること、そしてその死体の傍らには日本語でメッセージが書かれていたこと…。
そしてそのメッセージは、凶戦士哀美里(えみり)の兵法書の一節であるという事実も明かされます。哀美里は、16世紀の豊臣秀吉の朝鮮出兵に対抗し日本兵を串刺しにして震え上がらせた朝鮮朝の軍人ではあるが、もともとは出兵した日本兵=日本人であり、日本兵のあまりの残虐ぶりに怒り朝鮮軍に味方した「降倭」と呼ばれる投降者の一人であった…、など日韓の近現代史まで触れた作品。
あまり有名ではありませんが、良作です。

『ムーたち』榎本俊二 講談社

2007年03月15日 22時04分31秒 | 漫画
モーニングにて連載中。現在のところ1巻。
体裁としては、一羽簡潔…もとい、「一話完結が基本のショート・ギャグ」ですが、内容的にはかなりシュール。クスッと笑う感じでもなく、口角が少しあがる感じでしょうか。理知的なシュールさです。
絵も(一応)かわいらしいです。
やはり「お父さん」の表情が好きです。もちろん内容も。
ラーメンズが好きな人は騙されたと思って買って下さい。そして騙されて下さい。

『マルヒ警察24時』小田扉 実業之日本社

2007年02月17日 17時23分47秒 | 漫画
週刊漫画サンデーにて連載、全1巻。
タイトルの「マルヒ」は「○かいて中に秘」です。
刑事赤山を主人公としたぬるいギャグマンガ。てきとうかつ結構やりたい放題。でも後半は同僚の女性刑事藤の因縁を中心に話が進んで、最後は真面目(普通)に終わります。

『団地ともお』はなぜか苦手な部長ですが、これは好きです。

『5001年ヤクザウォーズ』原作高円寺博 作画石川賢&ダイナミックプロ 双葉社

2007年02月04日 17時56分40秒 | 漫画
全一巻。
以前紹介した『麻雀鳳凰城』(06年9月25日紹介)が「『北斗の拳』の世界観で麻雀マンガ」ならば、こちらは「『スター・ウォーズ』の世界観でヤクザマンガ」です…。「&ダイナミックプロ」が示す通り、絵柄は永井豪直系じゃあ!
舞台は西暦5001年、関東異次元一家は宇宙有数の歓楽星である新宿カブキ星を縄張りとする大所帯の極陽組の跡目争いにつけ込み、カブキ星を我がものとしようと色々画策したり殴り込みをしたりとがんばります。代貸北斗の源二が電磁刀を手にがんばるんです。ところがどっこい、関東異次元一家を鉄砲玉としてカブキ星に送り込んだ、極陽と一番張り合っている七ツ星連合がなんとも卑劣な後始末の付け方を…という話。
麻雀鳳凰城並みのクソマンガですわ兄貴ィ!誉めてるんですけどね。

『文庫版 孤独のグルメ』久住昌之原作 谷口ジロー作画 扶桑社文庫

2007年01月11日 00時47分03秒 | 漫画
言ってしまえば、主人公が腹が減ったと彷徨い歩いてご飯を食べる、というだけのマンガ。しかも食べるものは至って普通のものばかり(よくある料理マンガのように、見ていて「これ食べてみたいな~」とお腹が減るということがあまりないです)。
でも不思議と面白い。
所謂グルメ・食通ではないけれど、充実感のある食事を求める主人公。「充実感」といってもお腹がいっぱいになるというだけの意味でなく、その食事をしていた時間そのものも充実したものであったか、ということです。客の目の前で従業員を叱りつけている店主にたいして主人公が怒るというという場面があるのですが、そのとき主人公はこう言うのです。
「モノをたべるときはね 誰にも邪魔されず自由で なんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……」

あとがきで久住昌之が「入ったことのない飲食店に入る時、ある種の『勇気』がいるのはなぜだろう」と書いていますが、うん、分かる。知らない街で食事をしなければいけなくなった時(実は知っている街でも)、私は難民化しています。あまりに追いつめられると、コンビニでパンかおにぎりを買って公園を探し始めます。公園が見つからなかった時など、ビルの隙間や駐車場に逃げ込みます…。
でもこれだけチェーン系の飲食店がはやるってことは案外みんなそうなのかな。どこにいっても同じメニューで同じような内装だしね、安心感はある。

"CINEMA PANOPTICUM" Thomas Ott  Edition Moderne

2006年12月05日 00時45分51秒 | 漫画
現代スイスを代表するコミック・アーティストThomas Ottさんによる作品です。ワークショップで会っているので「さん」付けです。作品を見ただけでは想像もつかない、男前のナイス・ガイでした。
台詞のいっさい無いコミックで、絵柄と相まってサイレントのホラー映画を見ているようです。デヴィッド・リンチの映画が好きなんですって。さもありなん。悪夢的です。
「絵柄」と言いましたが、正確には絵は「描いて」いません。(「画材屋さんに行けば売っている」と本人は言っていましたが)黒いボードの表面の石灰をカッターで削り落としていって絵を作り上げています。普通は線を描き影を塗っていきますが、これは全くの逆です。一枚一枚に大変な手間をかけているだけあり、絵のもつ迫力はかなりのものです。