音楽は人を立ち止まらせる

2008-04-23 12:05:20 | いいくぼ日記
 散歩中、奇跡を見た。

久しぶりに晴れ渡った空の下、
青々と光る緑の中を突き進む。

気持ち良い。

小学校の前を歩いていたら、
凄く心地良いリコーダーの音が聞こえてきた。

小学生がベランダで練習してるのかなぁと思ったのだけど、
究極にうまい。蛇も簡単に操れそうだ。
ステレオから流れてるのかとも思った位。

メロディーは1本のリコーダーから流れていて、
学校内を巡回してた警備員さん、
子供達を見守っていた校長先生らしき人、
そして学校の外側を歩いてた私が
吸い寄せられるように、音色を辿る様に
音へ向かって歩いていく。

草花の手入れをしていた用務員さんも
立ち上がって空を見てる。


音色の先は教室のベランダで、
先生らしき人がリコーダーを吹いていたのだ。


学校はお昼休みの時間らしく、
校庭では子供達の笑い声や走り回る音が響いてるのだけど

笛の音が鳴り響くその空間だけ、
子供達が先生を囲むように集まって
楽しそうに、というよりは
その音色に立ち尽くして聴いてた。10人位が。

私も立ち止まり、聴いてたのだけど
傍にいた犬を散歩中のおじいさんも、
近くに住んでいる洗濯物を取り込もうとしている奥さんも
皆がそれぞれの手を休めて、時が止まったように聞いてた。

「素晴らしい」でもなく、「上手」でもなく、
それを表現する言葉が分からないのだけど
本当に神様っているのかもしれないと思ってしまう位の音だった。

演奏というか、吹くのをやめて
「さぁ、そろそろ教室入りましょうか」
とその女性の先生は私達にも気付かず、
いなくなってしまったのだけど

特別拍手する人もいなく、
時が戻ったように
皆がまた今までの作業や生活に溶けていく。

奥さんは洗濯を取り込み部屋へ消え、
散歩中のおじいさんは犬を見てる、
校長先生は生徒に笑いかけ、
私は歩き出す。


時間も自分も風景も忘れて
ただぼんやりと音色のする方を眺めていた不思議な時間。
空から音楽を浴びてるような、
平和を感じた。


その後、散歩からの帰り道に
またその小学校の前を通ったのだが

小学校2年生位の女の子2人、そしてその弟なのか男の子2人、
「ごっこ遊び」的な事をやろうとしていたのだけど

●女子A「じゃあ、○ちゃんはお姉ちゃん役ね、△君はお兄ちゃんね。
私お母さん役やるから。じゃあ、お父さん役は□君ね。」
●女子B「いいよー♪」
●女子A「じゃあまず、お父さんの給料の10分の1は税金ね」
●女子B「いいよー♪」


え!?

どんな遊びをやろうとしていたのか分からないが、
衝撃であった。