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本と音楽とねこと

Bryan Ferry,'Dylanesque'(2007)

 5年ぶりのニューアルバムは、タイトルどおり、ボブ・ディランのカヴァー集。
 取り立てて斬新なアレンジがほどこされているわけではない。ディランの曲はディランのものでしかない。しかし、ここには、たしかにフェリーにしか歌えないディランの曲がある。
 フェリーの歌声もバックバンドの演奏も秀逸としかいいようがない。とくに、すぐにでも壊れそうなくらいに繊細な効果音を奏でるギターがすばらしい。このアルバムを聴く前に、2月に行われたブライアン・フェリーのセッション二つを、Dimeで落としDVDに焼いて視聴したんだが、いぶし銀のような渋い楽曲を奏でるバンドメンバーのなかに、一人だけ若くて際だってかっこいいギタリスト、Oliver Thompsonの姿があった。Chris Speddingのかっこよさとはまた違う圧倒的な存在感と今にも切れそうな糸のように繊細なリフ。最高のギタリストを迎えて奏でられるボブ・ディランの名曲の数々に、ときめき、切なくなり、やがて悲しくなった。
 涙、涙、また涙の名盤だ。

Track Listings
1. Just Like Tom Thumb's Blues
2. Simple Twist Of Fate
3. Make You Feel My Love
4. The Times They Are A-Changin'
5. All I Really Want To Do
6. Knockin' On Heaven's Door
7. Positively 4th Street
8. If Not For You
9. Baby, Let Me Follow You Down
10. Gates Of Eden
11. All Along The Watchtower

Bryan Ferry - The Official Site

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