「生きさせろ!」というシンプルなメッセージを旗印に、サウンドデモに代表される斬新な文化表象を生み出してきた反貧困運動。そのただなかで活動してきた筆者による、主として文化・芸術・思想運動としての活動の記録。
資本、国家権力と対峙しながら、自らの思想を問い直し、ゆたかな表現活動を展開する若者たちは、強靭な対抗的サブカルチャーを構築してきた。現状肯定的にして無思想な圧倒的多数の後続若者世代に、こうした新たな文化が継承されるかといえば悲観的とならざるをえないが、火種を絶やさずに第二の「反撃カルチャー」につなげる試行は続けていくべきだろう。
目次
反撃を開始する!―「文化」としてのプレカリアート運動
九〇年代「だめ連」に学ぶ―「『こころ』の問題についての二、三の事柄」
日韓メディアアクティビスト連帯とG8洞爺湖サミットへの対抗運動から生まれたもの―映画監督・土屋豊氏に聞く
韓国「考試院」放火事件と「麻生邸見学ツアー」と秋葉原事件―長らく知られなかった派遣の実態
サウンドデモという文化運動―反戦と抵抗の祭“フェスタ”、路上の「原石」
年越し派遣村、可視化された日本の「貧困」―「優しくない」国の中で声をあげる
格差社会が生む「文化の貧困」―若者たちの中の新自由主義
奪われた「場」を奪還せよ!―偏見と疎外に抗し、自由と生存を擁護する
政治と芸術と「貧乏ゆすり」―日本学術振興会特別研究員・五野井郁夫さんに聞く
〇九年、怒涛のメーデー週間!!―日韓連帯&全国インディーズメーデー&「自由と生存のメーデー09六〇億のプレカリアート」ほか
自分たちの生存を肯定する言葉と、貧乏でも豊かに生きるための具体的な生存のノウハウを生みだし続けるプレカリアート運動―。その多様な「文化生産」の現場に迫る。
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