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本と音楽とねこと

タフラブ

信田さよ子,2022,タフラブ──絆を手放す生き方,dZERO.(3.2.2023)

 「タフラブ」は、家族の依存症、家庭内暴力、ひきこもり等に悩む人にとっては、福音となりうるコンセプトであろう。
 しょせん、自分は自分、他人は他人。親子だろうが、夫婦だろうが、「身内」であるという思い込みを捨てて、「他人」として距離をおいてかかわればよい。血縁や婚姻縁に幻想をいだかず、家族は「他人どうしの集まり」と思えばよい。
 「話せばわかるはず」という思いを断念し、家族にまつわる幻想を捨ててしまえば、わたしたちはもっと楽に生きていける。

親子でも夫婦でも、友人や上司・部下と同じ。私は「私」、相手も「私」。侵入しない・させない関係をつくる。寂しさと共存し、穏やかに、やさしく、タフに暮らすために。タフラブ(tough love)は、ベトナム戦争帰還兵のアルコール依存や暴力に苦しむ家族が「生きる術」として生み出した概念。「手放す愛」「見守る愛」などと訳されている。東日本大震災以来、「絆」が困難を乗り越えるためのキーワードとして使われてきたが、「絆」は本来、牛馬などをつなぎとめる綱のこと。親子や夫婦、世間の絆に苦しめられてきた人々のカウンセリングを長年続けてきた著者は「絆」に疑問符を投げかけ、「タフラブ」という生き方を紹介する。『タフラブという快刀』(2009年)を改題し、加筆・修正・再編集した作品。

目次
序章 タフラブの誕生
第1章 無法地帯
第2章 巨大なスポンジ
第3章 切り分け
第4章 覚悟と断念
終章 関係からの解放

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