本と音楽とねこと

超少子化



NHKスペシャル「私たちのこれから」取材班,2016,『超少子化──異次元の処方箋』ポプラ社.(7.15.2019)

 フランスにおいて、大たんな子育て支援策、とくに手厚い現金給付により出生率が回復したのは知っていた(回復の要因としては移民の増加もある)が、岡山県奈義町における出生率回復事例は本書で初めて知った。
 見も蓋もない噺になるが、子どもをもっても、経済的に疲弊するだけで、自らの仕事のキャリアを断念せざるをえないリスクもあるとなれば、子どもをもつ価値よりも自分自身の人生の価値を優先して、当然だろう。晩婚化・非婚化と低賃金・不安定就労層の増加も少子化の大きい要因だが、要するに、子どもをもっても「損はしない」しくみをつくらないと、出生率の回復など、実現できるわけがない。
 このままの政府の実質的無策状態が続けば、人口減少を移民の増加で補うほかないのだろうが、子どもを育てる経験をしてみたくてもできない者が増え続ける社会は、つくづく人を不幸にするそれでしかないと思う。

目次
第1章 日本がじんわり滅びている
第2章 なぜ少子化に陥ってしまったのか
第3章 少子化を打開したフランス
第4章 日本でもできる! 岡山県奈義町
第5章 〈財源〉と〈合意形成〉をどうつくるか
第6章 日本社会を「子育てシフト」に

安心して子育てできる社会へ非常事態を乗り越える糸口を探る!日本では、出生率「1・5」を下回る「超少子化」と呼ばれる状態が20年以上も続く。問題は、人口減少そのものではない。高齢者が多く、働く世代が極端に少ない人口のアンバランスだ。背景には一体何があるのか?これまでの経緯と、深刻な少子化から脱却した成功例を紐解きながら、具体的かつ新鮮な打開策を提案する。

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