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本と音楽とねこと

だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない

キム・ウォニョン(五十嵐真希訳),2022,だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない,小学館.(8.24.23)

 重度の障がいをもち生まれてくることは、「不当な生」(wrongful life)なのか。
 骨形成不全症当事者である著者が、自らの経験とさまざまな社会思想を参照しながら、徹底的に考え抜く。
 障がい当事者への「合理的配慮」という言葉遣いの背景にある、健常者の傲慢にあらためて気付かされた。障がいのあるなしで、他者の幸福を勝手に判断することの愚かさにも気付かせてくれる良書である。

すべての生には価値があり、美しい
韓国のベストセラー日本上陸!
2018年「今年の人権書」受賞
ソウル大卒の弁護士、俳優、
そして骨形成不全症のため車いすユーザーの著者が、障害者や人とちがった容姿や性的指向の人々など
「失格の烙印」を押されがちな人生には、価値があって美しいことを、理性的に論理的に弁論します。
「すべての人に尊厳がある」といわれても、それは現代社会ではあまりに当たり前のことで、深く考えることはないかと思います。
しかし、著者は、「すべての人に尊厳があるとしたらその根拠はなにか?」を深く思索し、古今東西の事例や書物からひも解きます。
読み終わったときには、人生観がガラリと変わるはずです。
「ロングフルライフ(不当な生)訴訟」「合理的配慮」「ジョゼと虎と魚たち」「コーダ」「ディボティー(障害のある身体への欲望)」「三島由紀夫」…さまざまなキーワードから現代を俯瞰する、画期的な人文書の誕生です。

目次
第1章 障害の熟練者
第2章 品格と尊厳のパフォーマンス
第3章 私たちは愛と正義を否定する
第4章 ロングフルライフ―不当な生
第5章 喜ばしい責任
第6章 立ちはだかる法の前で
第7章 権利を発明する
第8章 魅力不平等の問題
第9章 怪物になる必要はない  

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