著者自身が認めているとおり、データの分析が粗く、解釈の妥当性に疑問をもつ部分が少なくなかったが、それを補ってあまりある着眼点の鋭さ、問題意識の深さがひかる。
「人間力」(笑)の形成を売りにする職場で禄を食む者として、過剰な同調圧力からどう身を守るべきか、若い人たちに示唆できる知見を得られて有益であった。
目次
序章 現代社会で求められる「能力」
第1章 ハイパー・メリトクラシーの大合唱―「人材」像をめぐる九〇年代日本の言説構造
第2章 「がんばる子ども」の作り方―「能力」としての「努力」
第3章 高校生の「対人能力」―「メリトクラシーの弛緩」の帰結
第4章 生きるためのスキル―「社会的地位」を左右するもの
第5章 女性たちの選択―自分が戦うか、子どもに戦わせるか
第6章 ハイパー・メリトクラシーに抗うために
現代社会で求められる「能力」とはなにか。「人間力」「大人力」などの言葉が氾濫する「『能力』の多元化」という社会状況の一端を、ハイパー・メリトクラシー(超業績主義)というキーワードを手がかりに描き出していく。
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