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grigrisコンセント

自分の見た映画や本の内容を忘れがちな管理人・greeenのためのブログ。

SPAC「THE BEE」野田秀樹

2012-08-11 | お出かけlog
激しい・・・
最初のコミカルな展開はなんだったのか、ってくらい激しくなっていきましたね・・・
ほんとにこれは自分の属性的なものだと思うんですが、セックス&バイオレンスみたいな感性が全くないんですよね。
残念でした。
本当にわからないんですよね。
どんどんレッツバイオレンス!エスカレート暴力!になっていくその感覚が。

極限の状態におかれて、思考能力を失い、一歩間違えた方向に進んでしまったために、それを正当化するためにどんどんエスカレートしていく。
それは確かに9・11以降の世界と言えるかもしれません。
自分が全く共感できないものに、同調できる人種がこの世界に確実にいることが恐ろしいです。


でも、ラストの蜂が飛び回り、舞台がぐしゃぐしゃに丸められて終わる、という終わり方がすごく好きな終わり方で、野田秀樹すごいなーとか思って。
なんか現実にふっと戻されるというか、あれがあったので現実に戻ってこれました。
舞台として、そういう装置がちゃんとついてるなんて良いですね。

SPAC「ライフ・アンド・タイムズーエピソード1」

2012-08-03 | お出かけlog
楽しい!すんごい楽しかった!!
大爆笑。
210分があっと言う間に過ぎていきました。

一人の女性がその半生を電話で語るというありそうでない不思議なシチュエーション。
そして、その会話を忠実に文字に起こして、特に編集することなくミュージカルにしちゃえ!というはっちゃけ具合。
楽しかったです。
すごくパワフルでした。
パワフルにその場を楽しんでいる演者の方々がすごく魅力的でした。
ごちゃごちゃ言わずに踊っちゃえばいいんじゃな~いという大味アメリカンミュージカルがほんと楽しくてwww
ミュージカルはこうでないと!と思います。

語り部である女性の一番古い記憶、洗濯機の上で父親におむつを換えてもらっているシーンから始まる話はすごく楽しく、あるあるでもあったし、自分の記憶の回路とつながって懐かしくなったり。
アメリカと日本で、文化も生活も違うはずなのに不思議ですよね。

あと、自分が会話の最中にいると気づかないけど、一歩離れて冷静に聞いている会話のおかしさったら。
この舞台でそこが一番ハマりました。
ことばっておもしろい。
誕生日のドレスが粘土色でも全然おかしくないのに、笑ってしまうのはなんでなのか。

ことばの組み合わせ。
構成。
起承転結におけるフレーズの置き方。
ことばのリズム。
ことばとことばの間。
ことばの繰り返し。

全てが重なって、絡み合って、、、大爆笑。
すごいエネルギー。
ことばってすごいエネルギーだ。

ことばの魅力にとりつかれた210分でした。

SPAC「完全版ロミオとジュリエット」オリヴィエ・ピィ

2012-08-03 | お出かけlog
ロミジュリ、一応この舞台にあわせて原作も読んでみました。

・・・やっぱり、私は恋愛ものが苦手・・・、再確認、指さして再確認・・・。

出会ってすぐに一目で惹かれあうロミオとジュリエット。
愛を誓い合い、結婚して、悲恋と言われる最期を迎えるまで出会ってから一週間も経ってないんじゃないかというスピード感。
若いね、若いよね。おばちゃんにはちょっとついていけんスピードだわw

あとモンテギュー家とキャピュレット家の確執が二人の愛を阻んだのかと思いきや、最終的にはロミオの浅はかな行動が引き起こしたんじゃないか、みたいな何も考えてないんかい的な衝動とかね。
若さゆえのか?

無駄な若さのエキスを存分に感じつつ、まあ一言で言うとハマらなかったですよ、ロミジュリ。
シェイクスピアの傑作なのにね、・・・ハマりませんでした。
ええ。
むしろ新人類を見るようなw
え?なんで?落ち着きなよ、の連続でしたw


まあそんな気持ちで舞台も見ちゃったので、ストーリー自体は言わずもがなですよ。

でも、でもね、ロミオを演じた子がほんと好青年でw
若さ故に突っ走る、まっすぐでひたむき。
瞬間を生きるバカさ加減も、若さという美しいベールに包まれて、やだ、なんだか眩しいw
まさに、ロミオでした。
そうか、ロミオはこういう男の子だから世紀を越えて愛され続けているのか、と納得できるような。

対するジュリエットはなにか、原作に挑戦しているかのような熟しっぷりでw
原作では13、14歳くらいの設定だったような気がするんですが・・・彼女は一体おいくつの方だったのかwww
ロミオへの愛の独白も、原作ではロミオに聞かれてしまい恥ずかしがるジュリエットという感じだったのに、舞台ではむしろいるのがわかっていてしゃべってるんじゃあ・・なにもかもが計算づくなのでは・・という感じで、恥じらいというよりまんまとロミオが恋の罠にかかったな的なwどや顔感がありました。
斬新ですね。
いや、ほんと斬新だったわ、ジュリエット。

そんなこんなで舞台は意外と楽しかったです。
大道具が一つで、それがバルコニーになったり、テーブルになったり、壁になったり、くるくる変わる装置がおもしろくて。
美しいフランス語の流れる空間にうっとり。
というか、フランス語が気持ちよすぎて、一瞬、眠りの世界に逝ってしまいましたwww
あの、寝ちゃいけないのにすげー眠たくて眠気に勝てなくて、あ、あ、もうだめ・・・と思いつつ、落ちる瞬間の気持ちよさを久々に味わいましたw
いや、ほんと気持ちよかったですwww

SPAC「 アルヴィン・スプートニクの深海探検」ティム・ワッツ

2012-08-03 | お出かけlog
ポンテデーラの素敵な旅から始まったふじのくにせかい演劇祭。
次に訪れたのはティム・ワッツのアルヴィン・スプートニクの深海探検!
そして舞台となったのは、私にとって初となる舞台芸術公園!!
そこはすごくすごく素敵な場所でした。なんで今まで知らなかったの、私。
茶畑を歩いて、竹林を抜けて、現れるBOXシアター。
そこに辿り着くまででもう気持ちが日常から非日常に切り替われるその仕掛けに感動。

シアター前にたまたま横山さんがいて、息子を見て「ここの坂を滑り降りると超気持ちいいよ!」と声をかけてもらい、なんだかほんわかした気持ちになりましたw
その後、劇が始まるまで坂ダッシュを繰り返し続ける息子www
劇場内に入っても、すでにスタンバイしているティム・ワッツが手を振ってきてくれたり。
たぶん息子が最年少だったのでwなんかハートフル空間で嬉しかったです。

ティム・ワッツはサービス精神に満ち溢れていてとにかく楽しかったです。
二次元のアニメも、パペットを使った三次元の人形劇も、ティム・ワッツ自身が演じる演劇もウクレレ演奏も、全てが同時に、同じ次元に起こっているその奇跡的なエンターテイメントを心から楽しめました。
これがエンターテイメントなんだと思います。
というか、これがエンターテイメントであってくれと思います。
めちゃ夢があるじゃないですか。

世界中が海に沈んでしまったという世界観の中、突然始まる世界救出作戦の解説のそのテンションwww
シッパーイ、シッパーーイ、ダイシッパーイ、と日本語を挟んでくるセンスが素敵。
奥さんが死んでしまう悲しみ、そこから海へ繰り出していく震えた勇気、太陽の出ない暗い世界を一人でさまようアルヴィンの孤独。
表情のないパペットの表情が見える、舞台の力に圧倒されました。

最後にシャボン玉が雨のように会場に降り注いですごく感動しました。
二次元のアニメ、目の前で繰り広げられる三次元のドラマ、それすら越えて観客である自分までお話の世界に参加してしまうその仕掛け。
深海に響く空気の音、それはアルヴィンの生命のカウントダウンでもあって、今、現実に自分の目の前で起こっているシャボン玉がわき出てくる音でもある。
お話の世界と現実の世界がが重なりあって、ただ見ているのではない感覚、自分がその場にいるような、目の前にいるアルヴィンを助けられない悲しみすら感じました。
その悲しみに静かに、優しく、泡の雨が降り注いで、あーほんとに感動しました。

私がこういった娯楽に求めてるのは非日常だと自分で思います。
そのエンターテイメントの持つ世界にどこまで深くトリップできるのか。
共感とは全く違う、トリップ感を得たい。
自分の好きなものはどれもみんな根幹に深い世界観を隠し持った素敵なものばかりで、いろんな世界にトリップして、最近、毎日ほんと楽しいな~と思います。

SPAC「旅」ポンテデーラ・ラボラトリー・カンパニー

2012-06-12 | お出かけlog
SPACのふじのくに⇄せかい演劇祭、満喫しています。
楽しいです。
なんかふとした日常にハイスペック文化がふっとある、その静岡の懐の深さみたいなのに日々幸せを感じています。

演劇祭のはじまりは「旅」からでした。
なんのことはないいつもの商店街がありえないほどスタイリッシュな空間に早変わり!!
すごい。なんの魔法?

チャリンコで颯爽と現れた黒スーツ集団とリンゴ。
ふと見ると屋根の上でギターを素敵に弾いていたり。
ビルから手を振っていたり。
チャリを漕ぎながらぐるぐる回る黒スーツを追いかけて、ぞろぞろついて回るその観客ごとアートな空間である不思議。

なんかね、チャリンコで商店街から入った路地の駐車場へ移動していく彼らをキラキラした目でわぁぁって追いかけてく大人たちがすごいよかったんだ。
大人が夢中でなにかを追いかけてる様ってなんかかわいいw
ぞろぞろと歩いてく感じに、ハーメルンの笛吹きを思い出しましたwww
連れてかれちゃうw
そんなある種、異様な。熱気を帯びた七間町。

駐車場でフィナーレを迎え、空へと上っていくスーツの風船と見慣れた古いビルがほんとにかっこよくって。
見せ方なんだとほんとに思いました。

息子もスーツの風船をすごく気に入って、空を歩いてるみたい!!と感動してました。
弔いの火のように積まれた自転車にも心を動かされていましたし。
いいなー。
子どもの感性にはこの街がどんな風に映るのかな。