京都の町屋リフォーム工務店ブログ

数寄屋建築を中心に社寺、茶室、住宅、店舗の設計、施工と町家再生を手掛ける工務店の活動報告

あらかべ(荒壁)

2006年04月23日 | 建築用語
■あらかべ(荒壁)

地方地方によって解釈が違いますが、
粘性の高い砂混じりの粘土に乾燥させた藁を混ぜ水捏ねしたものを
小舞竹(竹で作った下地)に塗り、
裏側から裏返し塗りをして仕上げた壁のことを荒壁と言います。

また、荒木田土に荒苆(あらすさ)を交ぜて練ったものを
塗るものを荒壁とも言われています。

荒壁は、調湿性能が高く、断熱材の役割も果たし、
筋交いの替わりとして漆喰で仕上れば美しい壁になります。
ただ、欠点としては、荒壁の乾燥に時間がかかり、現在の建物の
工期を考えると、適さない場合が多い。


■あらきだつち(荒木田土)

荒川沿岸の荒木田原から産出する土で、
壁や屋根瓦葺下地に荒苆(あらすさ)を混ぜて用いられます。
この土は粘着力があるので
壁の下塗に適していると言われています。


■こまいだけ(小舞竹)

土壁の下地に使う細かく割った竹のことを言います。
柱に小さな穴をあけ、小舞竹といわれる割竹を横に渡し、
さらに竹を交差するように組んでいきます。
小舞竹と小舞竹の交差する部分はワラや棕櫚(しゅろ)縄で巻くのが
一般的ですが、最近は手間を省きビニールで巻くこともあります。
ビニールで巻くと耐久力がなくなるので、弊社ではワラで巻いています。


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200年持つ家

2006年04月16日 | 日々の活動
古民家の建て直しの仕事があり、その打合せに参加しました。

施主様から要望の一つに、『200年家をもたせたい』という要望がありました。
200年というと、当然、このブログを読んでいる人は生きていませんし、
地球がどうなっているのか?も解りません。
あまり聞きなれない要望なのでビックリしてブログのネタにしました。

200年もたせるには、やはり先人の知恵が必要で、200年前に建てられた
建物の構造からヒントを得るしかないように思えます。
最先端の工法を取り入れても200年もつかどうかわからないからです。
どうせ死ぬから・・と無責任な仕事をするつもりは到底ないので、
実績のあるやり方を貫いていくしかないようです。
荒壁とか、トントンとか。

当社はまだ創業100年ぐらいですが、200年先のことを考えながら
仕事ができることを光栄に思っています。
5年先、10年先、30年先は考えますが、
200年先を考えている人は少ないでしょう。


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ホームページを見てご来店頂きました

2006年04月15日 | 日々の活動
京都は、ここ一週間パッとしない天気が続いています。
少し肌寒く、桜が散るのを遅らせているのかもしれません。

昨夜の出来事ですが、前日ホームページをご覧頂き、
当社に興味を持って頂いたお客様がご来店されました。

色々と質問を受けましたが、回答に困った質問もありました。

『御社の強みは?』

難しい質問です。
強みを前面に出して営業をしていませんので
この質問の回答には困りました。

そこで強みについて少し考えみました。

・創業が古い(創業97年)
・地域密着でやっている(紹介が多いので京都市中心)
・大本山大徳寺の御用達工務店である
・数寄屋建築が好き
・洋風、和風、現代風など、どのジャンルの施工もできる
・主婦にお馴染みの地元スーパーの建築も手掛けている
・社長が白黒はっきりしているので、利益度外視で良いものを建築する
・小回りが利く
・木曽や吉野などへ材木見学ツアーをやっている

今思いつくだけでは、こんな感じです。

同業他社との差別化の面で考えると、
社長の性格や仕事に対する考え方が他社との大きな違いかもしれません。

自社の強みを改めて考えてみると、過去の施工した建物をみてもらうのが
一番良いのかもしれません。
最近のものではなく、10年、20年前の建物を見るのが良いでしょう。


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