エロゲ感考おきば

エロゲの感想をメインに、時たま考察を綴ろうと思います。ネタバレありで書きますが、注意書きは入れるようにします。

暁の護衛トリニティ感想

2019-01-27 16:43:20 | エロゲ感想





暁の護衛トリニティコンプリートエディションをプレイしました


このゲームは、『暁の護衛』、そのファンディスクである『暁の護衛〜プリンシパルたちの休日〜』及び続編の『暁の護衛〜罪深き終末論〜』が三つセットになったエロゲです。DMMの年末年始セールになっているのを買いました。DMMの年末年始セールは、中古より若干安かったりするのでおすすめです^^



あらすじ
このエロゲはお嬢様のボディーガード訓練生として、お嬢様の側にいながら同じ学園に通って仲良くなって行く話。ところがボディーガードと護衛対象者(プリンシパル)との恋愛は禁忌とされ、付き合うことは許されないことが暗黙の了解となっている。もし恋愛しようものなら、ボディーガード訓練生は護衛から外されるだけでなく、金持ちである親からの制裁により、社会から追放される。果たして主人公はお嬢様と付き合うことが出来るのだろうか?それとも他の女性と付き合うことになるのだろうか?



このエロゲの特徴
主人公が能力を隠す強者で、普段はバカやってるけど、いざとなったら力強い。
プレイ時間は、一作目が20時間くらいで、プリンシパルのはファンディスクということもあり、一作目より少なめ。罪深き終末論は何か凄い長かった印象がある40時間くらいやったかな?

最初の二つは掛け合いがただただ面白くて、キャラが可愛く、主人公の謎に迫っていく引きのあるエロゲでした。
終末論の方は、いくつか章があり、その章ごとに何人かのヒロインが攻略可能で、その章のヒロインを全員攻略したらつぎのシナリオに進めるといったスタイルでした。
なんていうか、『暁の護衛』『暁の護衛〜プリンシパルたちの休日〜』は個別√メインなところが少しあるキャラゲーって感じで、『暁の護衛〜罪深き終末論〜』は個別√がシナリオを見せるために書かれてる気がしてシナリオゲーってイメージが強かったです。
といっても終末論でも好きなヒロインいます。舞カワ(・∀・)イイ!!

キャラゲーとシナリオゲー両方好きがというオールラウンダーの方には、非常におすすめできます。




以下ネタバレ含みます(ネタバレ嫌いな方はブラウザバックしてね)























プレイ感想


『暁の護衛』
誘拐犯を倒し、いとも容易く麗華を助ける海斗。しかし学園では成績は下から五番目。履歴書はテキトウに書いてあり、海斗がどういう出生なのか、どうして学園にきたのか分からなくて含みが興味をそそりました。そんな海斗は何者かという疑問に加えて、コントみたいな掛け合いが面白くてすぐに物語に引き込もれました。ツキとの掛け合いは特に面白くてお笑い芸人目指せるレベルで(というかむしろ芸人のネタ使ってた)、尊徳も、最初の方の高慢で潔癖な態度は思うところがあったけど、だんだん麗華が好きなバカキャラとして掛け合いが面白くなってきました。

一番好きなキャラはツキです。あのぶっきらぼうでたまに照れるところがたまらん。



個別√

・麗華√
気丈で強情で個人主義的なところのある性格だけど、周りに対する思いやりもちゃんともっている立派な女の子でした。
作中では数少ない常識人でツッコミ担当。怒ったり恥ずかしがったりしているところが可愛かったです。
メインヒロインだけあってシナリオがしっかりしていました。




この一番最初の文章が『宝』の入った金庫を開けるシーンに呼応しているようです。罪悪感から逃れるために冷徹で非情な人物像を想い描いて、本来の優しさをなかったことにするって話。すなおに感動しました。
佐竹がまさか引き金を引くためだけに海斗を連れてきたことの執念深さには、そこまでするのかと思いました。

麗華√少し見直したところ、麗華が禁止区域で道を尋ねていたのが、実は雅樹だったことを確認しました。何をしていたんでしょうね。


方向性を間違えた気がしますが何となく要約を作ってしまいましたので、稚拙な文章ですが一応載せておきます。どんなシナリオだったか思い出すの使ってもらえると光栄です。(次からはやらない。めんどう)

(要約)
誹謗中傷が原因で、自ら屋敷を去った海斗。ツキから話を聞いて、麗華は彼を追ってたった一人禁止区域に立ち寄る。なんとか無事に海斗の元にたどり着き、二人は海斗の父が大切にしていた『宝』の入った金庫を開ける。そこから出てきたのは意外なことに金や財宝ではなく、家族の思い出だった。そして海斗は、冷徹で非情なだけの父の人物像は、自分が作り上げた贖罪なのだと悟る。父を殺した彼にとって、父に優しさを認めないことは、罪悪感から逃れる自己防衛であった。その後、屋敷に戻った二人は結ばれるが、もちろんそれは二人の身分の違いから認められることではない。彼らは今後の関係について考える中、海斗の両親もまたボディーガードとプリンシパルだったことを知る。両親と同じように駆け落ちでもしようかと麗華が提案するが、親父の選択は間違っていないが、自分が親父のように行動することは間違いだと海斗は答える。突然、海斗は銃口を向けられる。佐竹が撃とうとしている。駆け落ちするならば撃つと言った。しかし駆け落ちしないかどうか重要ではないようだ。佐竹は、自分がかつて止められなかった場面に今を重ねているのである。海斗とその父雅樹を重ね、あの日引けなかった引き金を引こうとしている。「やめろ」海斗は雅樹ではない。そう佐竹を止めたのは麗華の父源蔵だった。源蔵は海斗の母親百合の許嫁であった。だから雅樹を憎む気持ちもあっただろう。当然酷いことをした。しかし同時に罪悪感も感じていた。就職先をなくし、悪評を広め、彼ら二人を社会から締め出して本当に良かったのだろうか。もちろん間違っている。かつて雅樹らを追放した源蔵は悔い改め、佐竹を止め、海斗が屋敷に留まることを許したのだった。

・彩√
社交的ですが、家柄のせいか遊び相手がおらず寂しがり屋です。
他人には気を遣いますが、親しい間柄だとけっこうわがままで、でもそんなところが可愛くて好きな甘え上手でした。

・ツキ√
なんだかんだいって一番好きだったヒロイン。エキセントリックでぶっきらぼうで可愛かったです。
下ネタを平気でいうようなヒロインです。突然あらわれて耳に熱湯を垂らしたりしてきます。けっこうからかってくる感じなのかな
禁止区域出身で、昔禁止区域で犯されたことがあるので海斗に処女を捧げられないと嘆いたわけだけど、実は犯したのが海斗で、海斗とのえっちすることで初めての相手と結ばれたということになるわけでもありまして、処女性について考えさせらる内容でした。

・妙√
救いようのないアホの子でした。けどそこが良かったです。
最後、妙の護衛ロボットである侑祈が動かなくなって、それを直すため妙が頑張りだして天才になるはずのドラえもんみたいな話。
妙√以外では、このあと続編でも、侑祈が動かなくなることはないのはどうしてなんでしょうか。
おそらく亜希子さんがわざと動かなくさせたんじゃないのかと思ってます。海斗が護衛するから必要ないし、妙の成長のために利用したのだと考えてます。
侑祈の扱いって何かひどい気がする。

・萌√
食いしん坊。勝負好き。ぼーっとしているように見えて実はいろいろ考えてるようです。
禁止区域にいって、住人を救いたいと思えるくらい優しいです。
自分で屋台作ろうとしたり、少しお嬢様としては変わってます。


『暁の護衛〜プリンシパルたちの休日〜』
短めだったけど面白かった。

だいたい上と被るので鏡花√だけ。
・鏡花√
ですわ口調がバカっぽくて世間知らずで気の強そうなお嬢様のようですが、実は、読書家で教養があり、理性的な女の子でした。


『暁の護衛〜罪深き終末論〜』
すごく長かったです。薫助けて、警察に協力して、朱美に協力して、麗華殺されて、麗華助けて、禁止区域テロに加担して、色んなことがありました。ちょっと√分岐が分からなかったので途中から攻略サイト見ながらやりました。完結したときの達成感はすごかった。あと強制バッドエンドは見るのが辛かったです。

禁止区域テロ事件を巡って、止めるもの、巻き込まれるもの、そして起こすものの立場からそれぞれ三つの物語が展開されていて、どの立場にも尊重できる人がいて絶対悪が存在せず、どれも素晴らしかったです。特に、最初ただテロリストのボスだと思っていた五十嵐が、最終章では、禁止区域の住人の強制労働化を防ぐため『過程』を変えるために戦っていることが明らかになり、かっこよかったです。

個別√はヒロインが多すぎるのと、個別シナリオがほとんどHシーンだけだったりと短かったりするので気になったヒロインのだけ書こうと思います。

・朱美√
朱美は正直なんとも言えないけど、絆ちゃんが可愛かったです。
ラスト絆ちゃんが海斗と朱美の子だと分かり、三人で仲良く海に向かうという微笑ましい終わり方を遂げたはずなのに、最終章攻略後は、三人揃って四国の施設で強制労働させられてるって考えるとすごい悲しいです。

・詩音√
禁止区域テロは関係ないので起こらないはずの√
ツンデレヒロインがデレデレになるのもありだが、ツンツンヒロインがツンデレに変わるのもなかなか乙なものだと思いました。

・麗華√
強制BADENDで一回殺されてしまい辛かったですが、無事救うことができました。
個人的に、海で二人で釣りをするシーンが気に入ってます。あと最後、ピンチの時に雅樹が登場して一緒に闘うところも気に入ってます。

・舞√
最初、拷問を受けていたのでSっ気の強いお姉さんかと思っていたのですが、親からは愛されず、禁止区域内にも味方がおらず、誰もが敵と思いながら、「殺すぞ」と虚勢を張りながら生きてるどこか拗ねた子供っぽさをもったヒロインでした。彼女は、強いが無鉄砲なところがあるので放っておけないといった感じで、かといって近づいても簡単には愛を受け入れられないところもまた可愛かったです。禁止区域√では、一番最初に攻略したせいあったでしょうが、一番作りこまれたヒロインだと思ってます。そして、罪深き終末論の中で一番好きなヒロインです。欲を言えば、もっとイチャイチャするシーンが欲しかったです。





総評

キャラの可愛さと、掛け合いの面白さと、わくわくするシナリオの詰まったすごい作品だと思います。
ただシステム面に関して、シーンジャンプがないのに加え、終末論でシナリオが長いのに選択肢が散りばめられていてスキップしながら選択肢を選んでいくのに苦労させられたことにじゃっかん不満点があります。
まあでも面白かったから良かったです。
プレイ中は気づかなかったし、すっかり忘れてたことなんですが、改めて振り返ってみると、冒頭の記憶は曖昧でおぼろげだっていうシーン重要なものだったんじゃないかなと思いました。終末論まで通して「記憶」というものがこの作品のテーマであるとなんとなくそう思えます。(五十嵐が人々の記憶に残すためテロを起こしたり、明美が復讐心を忘れないために絆を生んだりなど )