野草が好きです (^-^)

散歩や通勤途中に草花の写真をパチリ。

ヤエヤマノボタン・ヒカゲヘゴ/於茂登岳と自衛隊ミサイル基地建設

2021-05-24 22:55:31 | 日記

 

▲ヤエヤマノボタン 2021年5月22日 石垣市 於茂登岳登山口

 

▲ヒカゲヘゴ 2021年5月22日 石垣市 於茂登岳登山口

 

▲於茂登岳登山口小広場

 

▲林道から見える自衛隊ミサイル基地建設現場 2021年5月22日

 

▲名蔵ダムのそばに立つ台湾農業者入植顕頌碑と水牛像

 

車で於茂登岳登山口に行った。「於茂登山登山道➡」の看板の先で車を降りて歩く。

ヤエヤマノボタン(八重山野牡丹)、学名Bredia yaeyamensis (Matsum.) H.L.Li。石垣島・西表島に分布するノボタン科ハシカンボク属の常緑低木。花弁は4枚。はじめリュウキュウノボタンかと思ったが、リュウキュウノボタンはノボタン科ノボタン属、花弁が5枚だ。

ヒカゲヘゴ(日影杪欏)、学名Cyathea lepifera、方言名ヒグ、マヤーフィグ、バラピ、ヘゴ科ヘゴ属の常緑木生シダ。梅雨期の湿った林間に新葉をどんどん伸ばして大きく広げようとしている。古い葉が枯れ落ちて、葉柄の跡が幹に模様を作っていくのがおもしろい。

しばらく歩くと小広場に来た。ここまでの登山道は整備されていて歩きやすいが、この先は「山道」のようだ。頂上までは約1時間とのこと。ただし今日は登山はしない。誰かが「於茂登岳に登るのは冬がいいよ。春夏は暑すぎるし、ハブもいっぱい出るしねー。」と言っていたから。

於茂登岳は沖縄県で一番高い(525m)山で、石垣島の中央にどっしりとそびえる緑豊かな山だ。この山の中腹から宮良川と名蔵川が流れ出る。於茂登岳がたっぷりと含んだ地下水は、島の飲料水・生活用水と田畑を潤す農業用水の源だ。「山道」の入口には「水源かん水保安林」の看板が立ち、手前には「農」と表示されたマンホールの蓋のような円盤が埋まっている。地下に農業用水の配管とバルブがあるのかもしれない。

ここから先は行かないで車に戻り、林道をたどって名蔵ダムに向う。名蔵ダムの畔には、台湾農業者入植顕頌碑と水牛像が立っている。顕頌碑には、1935年(昭和10年)に台湾の大同パイングループが石垣島名蔵・嵩田地区に大同拓殖株式会社を設立し、60戸330人が台湾から入植してパイン生産を成功させ、1938年初めて缶詰を本土に出荷したことが刻まれている。水牛は「1933年に台湾からの移民により農耕用に30頭が導入された」とある。パイン生産だけでなく石垣島の農業を大きく飛躍させた移民の人たちの努力に敬意を感じる。

 

名蔵ダムへの林道の途中では、「ガンガン、ガンガン、ガンガン」と連続する大きな音が鳴り響いていた。木々の隙間から覗くと、自衛隊基地の造成中の現場が下の方に見えた。重機で硬い岩を砕く音だ。近隣の人たちもカンムリワシも、この騒音には悩まされているに違いない。

自衛隊ミサイル基地建設の問題点は、もちろん環境破壊だけではない。ミサイルを配備するということは「標的」になるということであるし、「戦場」となるということだ。奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島を繋ぐ琉球弧にミサイル基地配備が進んでいる。このことを、琉球弧の住民だけでなく、もっと多くの人たちが知って考えてほしいと思う。

 

<参考文献・URL>

『琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』

《琉球弧の軍事基地化に反対するネットワーク》

《今、自衛隊の在り方を問う!》

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イジュ

2021-05-09 21:26:39 | 日記

▲イジュ 2021年5月8日 石垣市県道87号

 

イジュ(伊集)、別名ヒメツバキ、学名Schima wallichii。ツバキ科ヒメツバキ属。

やっとこの春、この花を実際に見ることができた。思っていたとおり、本当に美しい花だ。

以下《ガジ丸の想う沖縄》さんの「イジュ」の記事をコピーさせていただく(ガジ丸さんが亡くなった後もブログは残っているが、いつか消えてしまうのではないかと気になるので)。

 イジュは琉歌(和歌に似た韻文)に詠われるほど、その花の盛りは美しいものとされている。そして、イジュは奄美諸島以南に生息し、本土には無い。よって、沖縄を代表する花木と言っていい。沖縄の植物としてはガジュマル、モクマオウ、ホウオウボク、ナンバンサイカチなどと共にぜひとも紹介しなければならない植物の一つである。であるのに、その紹介が遅れたのは、私の日常の行動範囲内にイジュが無いからである。イジュは酸性土壌を好み、アルカリ土壌である沖縄島南部には生息しない。(中略)

 ツバキ科の常緑高木 奄美以南の南西諸島 方言名:イジュ、イズ
 イジュはウチナーグチ(沖縄口)の呼び名で、それがそのまま和名となっている。イジュというウチナーグチの由来は不明。イジュ(伊集)という地名はある。沖縄島中部の中城村にある部落名。イジュ(伊集)という姓もある。
 奄美諸島、沖縄諸島、八重山諸島に自生する固有亜種で、沖縄島にも自生するが、私の住む那覇には無い。ちゃんと確認はしていないが、宜野湾市にも無い。読谷村以北で私は確認している。酸性土壌を好むとのことで、そうである沖縄島中北部にはあり、そうでない南部では生育しにくいようだ。小笠原には別亜種のヒメツバキがあるとのこと。
 高さ20mに達するが、自然に整った形になるので民家の広めの庭に使える。テレビで民家のイジュを紹介していたが、それは、剪定して盆栽仕立てになっていた。
 花は枝先にかたまってつく。ツバキに似た一重の美しい白い花が、樹冠を覆うように咲き、花の盛りは歌(琉歌)に歌われるほどの見事な景色となる。開花期は4~6月。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミゾカクシ

2021-05-08 19:43:18 | 日記

▲ミゾカクシ 2021年5月2日 石垣市白保の水田で

 

ミゾカクシ(溝隠)、別名アゼムシロ(畦筵)、学名Lobelia chinensis Lour.、方言名は不明。

キキョウ科ミゾカクシ属、北海道から琉球まで分布し、国外では中国、インド、マレーシアに分布するらしい。

柔らかな茎葉と変わった形の薄紫の花が、水田の縁に爽やかな雰囲気で広がっていた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プルメリア/石垣島移民集落のこと

2021-05-07 10:21:08 | 日記
 

▲プルメリア 2021年5月2日 石垣市白保

 

▲大里集落の開拓の碑 2020年8月29日 石垣市白保

 

プルメリア(Plumeria)は、キョウチクトウ科インドソケイ属に属する植物の一般的な総称で、300種類ほどあるらしい。

中南米、カリブ海諸国の原産の落葉小灌木。プルメリアの花は、タヒチやフィジーなどの太平洋の島々でレイに好んで使われる。【Wikipediaより】

神代植物公園(東京都調布市)の温室で初めて実物に出会ったプルメリア、石垣島ではあちこちの民家の庭に植わっているので嬉しい。

このプルメリアは、大里集落のおうち。石垣島の北部には戦後沖縄本島から移住した人々が開拓した集落が多い。大里集落もその一つだ。大里売店の前に立つ開拓の碑には、1950年に先陣が「自由移民」として入植、1953年には「政府計画移民団」として大宜味村・羽地村から入植と刻まれている。

大里集落の北には星野集落がある。星野集落の紹介ページ「石垣島星野 星野ってどんなところ?」では、YouTubeを使って「開拓移民の歴史」が短い動画にまとめられている。当時の貴重な映像を見ることができるので、ぜひ訪問してみて欲しい。

また、紙芝居のような動画「人魚の伝説」もある。明和大津波にまつわる伝説で、興味深い物語だ。

<追記>《ガジ丸が想う沖縄》さんより

方言名 フランギニハ。

フランギニハの出所が概ね判明した。プルメリアの英名の一つにfrangipanierというのがあり、フランギニハはそこからきていると思われる。アメリカ人がフランギパニエーと言っているのを、ウチナーンチュはフランギニハと聞いたのであろう。frangiは壊れやすいという意味があり、panierは昔のヨーロッパの、腰が風船のように広がった婦人服で、広げるために使われたクジラの髭で作られたカゴのこと。花の形がそのカゴのように見えて、また、花びらが柔らかいので、その名になったのだろう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツキミソウとコマツヨイグサ

2021-05-05 16:05:34 | 日記

▲ツキミソウ 2021年5月2日 石垣市白保

 

ツキミソウ(月見草)、学名 Oenothera tetraptera 、方言名は不明。アカバナ科マツヨグサ属、メキシコ原産。

夜咲いて朝しぼむ一夜花。写真は朝8時頃撮ったもので、しぼんだ花はピンク色だ。

 

▲コマツヨイグサ 2021年5月2日 石垣市白保

 

コマツヨイグサ(小待宵草)、学名 Oenothera laciniata 、方言名は不明。

アカバナ科マツヨイグサ属、北アメリカ原産の帰化植物。

茎が地面を匍匐し広がり、花は薄黄色ハート型の4弁花で、咲き殻はオレンジ色になる。

 

沖縄地方は今日(5月5日)梅雨入りしたそうだ。平年より5日早いとか。

石垣島は最高気温29℃、最低気温23℃、曇りでジメジメしている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする