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ブラック監査法人からの脱出

会計士による政治・経済評論

歪んだ国際基準の適用

2021-08-27 19:39:16 | 世界経済
ダイヤモンド8/28に
日本の物価や賃金が上がらないことについて
特集が組まれていました。
そこで竹中平蔵氏などとともに
成長戦略会議のメンバーとなっているGS出身の
デビッド・アトキンソン氏のコメントがありました。
彼らの残念なところは
なんでも欧米の方法を取り入れれば成功する
という間違った認識を持っていることです。

彼らの会議のせいで7/14に厚生労働省で
最低賃金の引き上げが決定し、
すでに死に体の飲食業からは悲鳴が上がっています。
賃金を上げる→物価が上がる→売上が上がり儲かる
→設備投資をし、賃金が上がるというのは
経済学的には国の成長方式として正しいものです。
しかし、どの国でも当てはまるものではないでしょう。
まして、コロナ禍の日本ではなおさらです。
海外の人はマスクもせず、ロックダウンをして
罰金を科しても自由に動き回ることからも
顕著になりましたが日本は欧米とは全然違います。

彼らが言っているのは、海外でも罰金をしているから
日本でも罰金をしたらいいではないかというものです。
しかし、その国には法律や国民の特性があり
海外の方式を輸入したからといって
すべてうまくいくわけではないのです。
竹中氏は小泉政権で規制改革すればすべてうまくいく
という主張のもと派遣労働の拡大や
郵政民営化を行いました。
しかし、現実となったのは、派遣労働者の増加で
将来が不安な人が増え、お金を使わなくなり
物価は下がってデフレが続きました。
お金持ちの人はお金が増えましたが、
貧乏人も大量に増えて格差が拡大しました。

竹中氏はこの失敗を小泉政権が終わった後に
民主党政権に変わったからダメになったと主張します。
しかし、政権変更はあまり関係ない郵政民営化でも
民営化による成果主義の導入で問題が起きました。
郵便局の職員はお中元ギフトなどにノルマを課されたため
自分で購入しなければいけないという自爆営業が起き
かんぽ生命では、契約を更新するより
新規の契約を取った方が報酬が増えるため
顧客に虚偽の説明をして、解約させ
新たに契約させるなどの詐欺事件が起きたのです。

郵政民営化で国は日本郵政やゆうちょ銀行、
かんぽ生命の保有割合を段階的に減らし
最終的に3割ほどまで下げる予定でしたが、
上記のような事件があったため、
2015年の上場以降、株価は低迷しています。
国は追加の売却で売却益を受け取って、その財源で
東日本大震災の復興財源にするはずでしたが
計画は頓挫しています。
そもそも、欧米のやり方事態も正しかったか
疑問がもたれており、それがピケティー氏によって
数年前に話題となった21世紀の資本というものです。




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世界経済の動向202108

2021-08-23 19:36:04 | 世界経済
最近、記載していませんでしたが、
世界経済が大きく動いています。
1つはアフガニスタン情勢です。
米国が今月末までに
アフガニスタンから撤退する意向を示していたため
この機会を狙われ、タリバンに制圧されました。
今後アフガニスタンが多くの難民を出して
影響を与えることはもちろんですが、
アフガニスタンはもともと
国際的な援助によって国を運営していたため
タリバンの政権では国際的な援助は期待できず
IMFなども緊急の資金の引き出しを停止し
国家を運営するためのお金がありません。
 
そこで考えられるのがアヘンなどの薬物や
軍事物資などをテロ組織に売ることです。
これまでも9.11のアルカイーダ
タリバンは繋がっていることが確認されており
これらのテロ組織に軍事物資がいけば
また同時多発テロのようなことも考えられます。
そして、民主主義を重んじるとしていた
バイデン政権にも疑問がでてきています。
これにより、米国内で対立が深まるばかりか
貿易戦争に発展している中国との闘いでも
中国に有利な状況になります。
中国はアメリカなどの民主主義国家は
最後は同盟国を見捨てるというような宣伝をし
自分たちの陣営に持ってこようと
アフリカなどの国々を勧誘するでしょう。
 国際的な分断は貿易戦争だけにとどまらず
いろいろな事態が考えられてしまいます。
ただでさえ、新型コロナで世界全体が
大きな影響を受けているのにさらに打撃となりえます。
 
もう1つがアメリカの金融政策です。
新型コロナで打撃を受けた経済を支えるため
現在、金融緩和政策が行われ、
それに伴い株価も上昇しています。
ちょうど27日にジャクソンホールでの
各国金融トップの会合が開かれますが、
ここで思い出されるのが2013年の
バーナンキFRB前議長の講演です。
現在のように当時も金融緩和をしていましたが
このジャクソンホールの講演で
金融緩和の縮小を発表したため
当時の金融市場が大混乱に陥り
株価が大きく下げたということがありました。
 
すでにアメリカでは金融緩和の縮小が
2022年から行われると予想されていますが、
この2013年のことがあったために
ここで年内の金融緩和縮小が発表されて
金融市場が混乱に陥るのではないかということが
実際にはありえないことですが
まことしやかに言われています。
そうでなくても、すでにアメリカ物価は上がっており
金融緩和の必要性はないとされています。
 
ただ、現在は失業保険給付が8月末まで
上乗せされているため、多くの労働者が
就職せずに、失業保険を受けた方が有利として
働いていないため、労働市場が人手不足
賃金を上げなければならず、
結果的にその賃金上昇分を価格に転嫁しているため
物価が上がっているとも言われています。
それが正しければ、物価上昇は一時的なもの
失業保険の上乗せが終わる来月からは
みんなが職を求めて労働市場に出てくるため
賃金を上げる必要もなくなり
物価上昇も止まることが予想されます。
物価上昇が止まれば、まだコロナが収束しない中
わざわざ急いで金融緩和の縮小をしなくてもよく、
来年以降でいいのではないかという議論になり
金融市場の混乱には発展しないことになります。



 
 
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世界経済の動向202103

2021-03-27 23:55:00 | 世界経済
久しぶりですが、
世界経済に大きな影響を与える出来事が
今月はいろいろとありました。
まず、米国ですが、バイデン政権は
約200兆円規模の経済対策が可決し
例えば、成人1人当たり15万円ほどの
現金給付が行われています。
ただ、これによりインフレ懸念がでてきて
10年債利回りは1.75%まで
上昇する場面がありました。

この金利上昇はいわゆるグロース株という
成長途中の企業に悪影響があるため
特にナスダックは調整局面となっています。
17日に行われたFOMCではパウエル議長が
インフレ懸念について否定していましたが
SLR(補完的レバレッジ規制)という
銀行に一時的に認めていた制約の緩和を
継続しないことを決定したことで
NYダウは大きく下げる場面もありました。
その他にも上記の経済対策の財源として
増税の議論も出てきたり、
中国への制裁による米中対立が懸念されています。

これに対応しているのが日本のドル/円
109円台まで円安となっています。
ただ、円安なのにも関わらず
日経平均は30,500円から28,400円まで
下落する場面がありました。
これは19日に行われた日銀会合
これまでETFの購入について
一律で購入するのではなく
株価が大きく下落した場面で
大きな購入をするという方針になりました。
また、ETFについても日経平均連動型を辞め
TOPIX連動型のみにするということで
相対的に日経平均が下落する要因となっています。

EU関連としては、英国のワクチン接種が
順調なことからEUからワクチンを輸出しなくても
良いのではないかという議論が起きていたり
フランスやドイツでは変異株の影響で
再度ロックダウンの延長となっています。
EUは中国への制裁を天安門事件以降
初めて実施することを決め
欧米VS中国という関係が鮮明になりました。
トルコではエルドアン大統領が財務大臣を解任し
1トルコリラ=15円から12.6円まで暴落しました。

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世界経済の動向202010

2020-10-16 22:11:06 | 世界経済
IMFによる今年の経済成長率
-4.4%と少しだけ上方修正されました。
しかし、ワクチン開発は次々に停止され
新型コロナの影響は
まだまだ続くと予想されています。
ただ、株式市場特に米国市場は好調で
バイデン候補の勝利に傾いた
動きを見せています。
これまでバイデン候補が勝利すると
大規模減税がなくなるので株安となり
トランプ大統領が再選すると株高
という動きになっていました。

しかし、バイデン候補が
大型のインフラ投資などを政策として
掲げてからはその動きが変わっています。
バイデン候補が勝利し、インフラ投資をすると
景気が良くなるため株価が上昇するという方向になり
バイデン候補の当選確率が上がるにつれて
株価が上昇する動きになってきたのです。
ただ、この場合、債務残高が増えることになるので
米国債券のうち10年債などの価格が下落し
長期金利が上昇する動きも起きています。

なお、大統領選挙に加えて
上院と下院の選挙も行われますが、
現在言われているのはオールブルーです。
これは上院、下院、大統領すべて民主党になる
ということで民主党のカラーであるブルーに
すべてが染まることを意味します。
現在は大統領と上院は共和党、
下院は民主党になっており、
日本でいう衆議院と参議院の
ねじれのような状態になっています。
日本ではねじれ国会になった場合
政策が進まず、問題視されましたが、
アメリカは上院と下院が対立していても
大統領令というものを使ってある程度
政策を打ち出すことができます。

ただ、現在アメリカでは追加経済対策を巡って
民主党側は2.2兆円を要求しているものの
共和党は0.5兆円を主張して対立しているように
オールブルーになった方がよいことには
変わりありません。
ただ、何回か取り上げているように
前回もヒラリー氏有利と報道される中で
トランプ大統領が誕生したため
どうなるかはわかりません。

その他に、欧州で感染が再度拡大しています。
経済的にロックダウンはもうできないものの
頭の悪いヨーロッパ人は未だに
マスクをしようとはせず、経済が悪化してます。
15日にはイギリスとEUのFTA交渉
期限となっていましたが、
こちらも進展がありませんでした。





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世界経済の動向202007

2020-08-01 18:00:15 | 世界経済
日本同様、世界のコロナ感染者も増えていますが
感染軽視でよく取り上げられていたブラジル
ボルソナロ大統領が感染しました。
マスコミは「それ見たことか」というように
報道していますが、
結局イギリスのジョンソン首相のように重症化せず
彼の「コロナは風邪のようなもの」という言葉を
裏付ける結果になってしまいました。
ただ、ブラジルの感染者は260万人超で
死者は9万人にも及んでいるので
感染しないことに越したことはありません。

アメリカで発表されたGDPは年間換算で
32.9%のマイナスとなり、
リーマンショックの△8%を大きく上回りました。
この影響でドル安が進んでおり、ドル/円も
一時104円台半ばまで円高になりました。
これは円だけでなくユーロに対しても
ユーロ高ドル安になっています。
理由としては、米国経済の停滞に加え
17日にEU首脳会議において
コロナ復興基金が成立したためです。

復興基金の規模は92兆円で内訳は
補助金3,900億ユーロ、融資は3,600億ユーロ
となっており、一時は成立しないのではと
言われていました。
ドイツを筆頭にオランダ、オーストリア、
フィンランド、デンマークといった
財政の健全なEU国家は補助金部分を
より少なくしたいと主張した一方、
補助金を受け取る側の
イタリヤやスペインのような
財政が厳しいEU国家
より多くの補助金を主張し対立したからです。
成立というサプライズと
EUの結束が高まったことで
当分はユーロは強く推移しそうです。

ドル安は金の価格にも影響し
7/31に1トロイオンス2,000ドルを
瞬間的に突破しました。
少し前まで1,800ドルの最高値に迫る
などと言っていたのに
そこから1割近く上昇しています。
最近は金の高値を警戒して、
銀の価格まで上昇しているそうです。
ここ数日でやはり上昇しているのが
ビットコインです。
90万円から110万円ほどを
ずっとウロウロしていましたが
120万円を超えてきました。



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