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ブラック監査法人からの脱出

会計士による政治・経済評論

世界経済の動向202202

2022-03-05 18:54:49 | 世界経済
ロシアウクライナに侵攻したことで
株式市場は大きく下落しています。
2/17にはウクライナが爆撃を受けて
NYダウが622ドルの下落、
22日はドネツク州とルガンスク州の独立を
ロシアが認めたことで482ドルの下落
3/1には1回目の停戦合意が成立せず
597ドル下落しました。

これを受けてアメリカのFRB
3月の利上げを0.5%の予想から引き下げて
0.25%にすることを事実上宣言しました。
ただ、インフレは続いており
特に原油WTIは90ドルほどで推移していたものが
一時116ドルとリーマンショック後の高値となり
も日本では1g=7,269円まで上昇しました。
ロシアのシェアが高いのはこれだけでなく
天然ガスはアメリカに次ぎ2位、ニッケル
インドネシア、フィリピンに次ぎ3位、
パラジウムも南アフリカ40%、ロシア37%と
大きなシェアを持っているため値上がっています。

小麦についてはロシアが1位で17%、ウクライナが
2位で12%となっているため、
最近カップ麺などが値上がりしましたが
さらに値上がりする可能性もあります。
国際銀行間取引のSWIFTから西側諸国が
ロシアを排除したり、中央銀行の資産を凍結したため
ロシアのルーブルは1ドル=75ルーブルほどだったのが
110ルーブルまで下落する場面もあり
ロシアは金利を9.5%から20%に一気に引き上げました。
SWIFT排除はロシア最大手銀行が除かれているため
影響は限定的と言われていますが
石油メジャーの英国BPやシェルなどが
ロシアの油田事業などから撤退するなど
企業がロシアから手を引くことで
ロシアには大きな打撃となりそうです。

個人的には、ビットコイン
ロシア人の新たな資金の逃避先になるのでは
という思惑から上昇して利益がでました。
また、トヨタの関連会社がサイバー攻撃を受けたことで
特にマザーズにあるセキュリティ銘柄が
上昇したりして全体が下落相場の中、健闘しています。
FXでは、ユーロやポンドが下落する一方で
豪ドル・ニュージーランドドルが健闘しています。
ただ、ビットコインも金曜の途中くらいから
急に下落し始めたりしているため
利益を確定するのは早い方がよさそうです。



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世界経済の動向202112

2021-12-26 17:10:47 | 世界経済
新型コロナのオミクロン株
世界中で感染を強める中
各中央銀行にいろいろな動きがありました。
15日には米国でFOMCが開かれ
現在行われている量的緩和QE
来年3月で終了することが決定されました。
これは直近のインフレ率が上がっていることに起因し
物価上昇を抑えるために金利を上げるための準備です。
市場では5月ごろから利上げが見込まれ
最大で3回0.75%までの利上げが見込まれています。

オーストリアではコロナの感染で再度ロックダウンが
行われる中、16日にはEUでECBが開かれ
パンデミック資産購入プログラム(PEPP)が
米国同様やはり来年3月で終了することが
決定されました。
他方で、イギリスでは0.1%だった金利を
16日に0.25%に上昇させることになり
アメリカやEUよりもいち早く利上げを決定しました。
他方で、恒大集団が外貨建て債務の返済ができないなど
不動産バブルがはじけつつある
中国では利下げを行うという決定をしました。
市場では利下げをしなければいけないほど
景気が悪くなっているのかという
憶測が生まれ、日経平均も607円安になりました。

では日本の日銀はどうかというと
現状維持を決めています。
ただ、これまで株式市場が下落した場合に
ETFを購入することで市場に資金を供給していましたが、
ここ3ヶ月でこのような行動を取ったのは数回で
実質的な資産購入の停止をしているのと同じで
アメリカなどより先に行っている状況となっています。

その他に気になる世界の動きとしては
12日にはバイデン大統領の呼びかけで
民主主義サミットが行われました。
中国をけん制するとともに、
中国のウイグルに対する人権を抑止するため
カナダやイギリス、オーストラリアなどが
北京オリンピックの政治的ボイコット
表明することになりました。
日本もその動向が注目されていましたが
東京大会で中国が支持したこともあり
政治的ボイコットという言葉は使わないとし
次回パリ大会を控えるフランス
政治的ボイコットは行わないとしています。

中国関連では19日には香港で選挙が行われ
民主派が活動できなくなった影響で
投票率がそれまでの60%から30%と半減しました。
また、日本では補正予算が成立しましたが
米国ではバイデン政権が目指している巨額の歳出法
20日に不成立の可能性が示唆されました。
現在議会では民主党と共和党の議席が僅差ですが
民主党の一部の議員が自分の州の利益に反するとして
この法案の反対に回った影響ですが、
今後来年の中間選挙に影響がありそうです。





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世界経済の動向202110

2021-10-15 22:27:36 | 世界経済
今週IMFが世界経済見通しの修正を発表し
世界の経済成長は0.1%減少の5.9%
アメリカは1%減少の6.0%
日本は0.4%減少の2.4%となりました。
そんな中逆に0.4%増加の5.0%となった
ユーロ圏ですが、それとは裏腹に
通貨ユーロは売られています。
その1つの要因が日本より一歩やはい
9/26にドイツで行われた議会選挙です。

それまで12年もドイツで首相を務めてきた
メルケル首相が退任することになり
メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟
(CDU・CSU)はこれまではトップでしたが
今回の選挙で第2位に転落しました。
他方、これまでCDU・CSUと連立していた
社会民主党(SPD)がトップになるとともに
環境政策を重視する緑の党が第3位に躍進し
自由民主党(FDP)が第4位となりました。

これまで通りCDU・CSUと社会民主党が
連立を組めばいいのですが、
今回はそれがないということになっているので
社会民主党+緑の党+自由民主党
の連立が本命となっています。
ただ、困ることに自由民主党は
日本と同様に経済を重視する政党で
経済のことを考えると環境への規制は
なるべく抑えたいという考えになります。
他方、そうなると緑の党が黙っておらず
環境にも配慮しつつ経済も重視するという
難しい問題をクリアしなければいけません。

前回メルケル首相が誕生した時も
半年ほどかかって交渉して
連立政権を組んだこともあり
今年中には政権ができないのではとされています。
日本ではそんなに新政権ができないのは
考えられないですが
ドイツではナチス誕生の反省から
1つの政党が多くの議席を得ることが
難しくなっており難航することが予想され
それまで、経済が安定しない可能性があります。
ドイツがEUの中心国の1つであるため
これによりEU自体不安定な状況が続きます。

これに加え、以前記載したように
アメリカやイギリスがAUKUSの結成により
オーストラリアとフランスで結ばれていた
潜水艦7兆円のプロジェクトが
契約破棄されてしまった形となっており
フランスはアメリカをよく思っていません。
したがって、EUとアメリカの関係を
修復させるのもいろいろと難しそうです。




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上がらない物価と賃金

2021-10-04 21:39:47 | 世界経済
エコノミスト10/5に
物価や賃金について
為替を交えた記事がありました。
記事の中には、日本だけが平均給与が上がらず
今や先進国の中で最下位となっており
韓国にも抜かれているとされています。
ただ、給与が上がらず、物価が上がるのでは
生活は苦しくなるばかりですが、
給与も物価も同時に上がらないということは
事実上ずっと同じ状況が続いているだけで
そんなに悪いことだとは言えないはずです。

ちょうど総裁選で一番票数が少なかった
野田氏が一番まともなことを言っていましたが
そもそも、日本の人口が減少している中で
物価(成長率)が上昇するはずはないのです。
これは、いわゆるどんどん人口が増えている
発展途上国が高い成長率を得ているのと
裏返しの理論です。
なお、アメリカは移民による人口増加で
低いものの成長が続いています。

ただ、日本は貿易をして商品を輸入しているので
10月から小麦粉の価格が上昇したように
日本の物価は変動しなくても外国での価格が
上昇してしまえば苦しくなることもあります。
これを本来修正するのが為替の動きです。
しかし、日本の為替市場はアベノミクス
象徴されるように、どちらかというと
輸出企業を中心に考えられており
円安がよいとされてきた結果、
日本で390円のビックマックがアメリカでは
600円以上といういびつな状態となっています。

これは輸入で考えると、海外のものは
円安により本来よりずっと高い値段で
買わされていることになります。
ここで、インチキな為替予想をするで有名な
JPモルガンの佐々木氏が、現在の米国の
消費者物価指数は5%でこのままインフレ5%が
続くと10年後には米国のビックマックは
1000円になるので日本人が旅行などを
できなくなるとしています。

一見正しいように見えるこの内容は
酷いウソが隠されています。
まず、日本も一応目標のインフレ率は2%で
ここ数年間目標を達成したことがありませんが、
アメリカでも数年を平均すれば2%程度となっており
5%が続くことなどありえないことです。
これはFRB(日本の日銀)が物価に合わせて
金利を変動させているからで、
もし、5%になるような事態が生じれば
一気に利上げを加速させてインフレを抑えにかかります。

ではなぜ今は5%かと言えば、昨年がコロナ
一部のものを除き一気に物価が下がったからです。
また、以前記載したように労働者が戻っておらず
一時的に製造価格が上がっていることも要因です。
コロナで下がった反動で一時的に高くなっている
異常な物価の状況をあたかも10年続けばという
暴論にのっけるとはまさに詐欺師のような主張です。
また、発展途上国であれば輸入ばかりすることで
外貨が不足して輸入ができなくなる可能性がありますが
日本は大幅な経常黒字国で、輸入以上に輸出しているので
そこまで心配する必要はありません。



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世界経済の動向202109

2021-09-23 07:16:27 | 世界経済
先月末のアメリカのアフガニスタン撤退から
やっと少し落ち着いてきたと思ったら
原子力空母を巡って米仏で対立が起きています。
アメリカは中国包囲網として、
日米豪インドでQUADというものを組織しましたが
米英豪でAUKUS(オーカスA、UKやUSは頭文字)
というものも組織し、オーストラリアに
原子力空母の技術供与を行おうとしています。
しかし、オーストラリアに対して空母建設の
7兆円規模のプロジェクトを契約していた
フランスがプロジェクトを台無しにされて
怒っているのです。

アフガンの件もそうですが、バイデン大統領は
いまいち外交がうまくいっていない感じで
今後支持率低下による影響が懸念されます。
そんな中、日本のシルバーウイーク中に
NYダウが4日連続で下落し、
900ドル近く下落した原因となったのが
中国の不動産3位にある恒大集団問題です。
中国は、いきなり学習塾を営利目的で
経営してはならないであるとか
ゲームをする時間は1時間に制限するなど
制度を急転換させることがありますが
不動産に対しても過剰な金融機関による
貸付を規制する制度を設けました。

これによりお金が借りられなくなったのが
この恒大集団で、資金繰りが懸念されて
香港市場では20香港ドル近くあった株価が
2香港ドルまで急落しました。
負債総額は33兆円にも及ぶため
リーマンショックの再来と呼ぶ人もいますが
実際には不動産という現物資産を持っており
現物弁済なども考えているようなので
そこまでの大きな問題にならないはずですが
日経平均も2日で860円ほど下落しました。

特に9/23の2億元にはじまり、12/28の2億元まで
断続的に社債などの返済期限が到来するため
デフォルトするのではないかと心配されています。
また、日本の年金を運用するGPIFも投資しており
株の37億は絶望的でしょうし、
社債59億円も帰ってくるか不明です。
今後世界全体の株価が下落すれば、
その株価評価損も加わるため少し問題です。
最近米国株が軟調なことの理由の1つに
上記の問題に加え、年内のテーパリング
重しになっていますが、
ちょうどFOMCが23日に開かれました。
結果としては若干利上げの見通しが早まったものの
大きな変化はなくNYダウは400ドル以上
反発して取引を終えました。




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