ダイヤモンド5/21を中心に
円安に関する記事がいろいろとありました。
まず、現在円安になっている原因ですが、
アメリカはコロナからの回復やウクライナ情勢で
物価の上昇が進んでおり、
それを抑えるために金利を上げている途中です。
他方、日本は同じように物価は上昇していますが
海外に比べればその上昇は軽微で
日本銀行のスタンスとしてもっと物価が上がるまでは
金利をあげないゼロ金利政策を取っているため
日米の金利の差が広がってしまいます。
そこで、金利の安い日本円からアメリカドルへ
資金が移動するため円安ドル高となり
年始は115円ほどだったのが131円まで
円安となりました。
また、貿易収支という考え方からも
円安を説明することができます。
日本は原油やLNGなどを輸入に頼っています。
ウクライナ戦争によりEUがロシアから
原油やLNGを買わなくなったり、
場合によってはロシアに止められた結果
原油などの値段が上がっているため
日本はこれまで以上に高い値段で
原油やLNGを購入しなければいけません。
他方で、日本の輸出品である自動車は機械などは
そこまで大きく値上がっておらず
輸入金額は大きくなり輸出金額はそのままなので
入ってくる外貨(主にドル)は少なくなります。
これにより貿易黒字国から赤字国になりつつあり、
特に原油やLNGを買うには円をドルに変えるため
円を売ってドルを買うという状況となり
円安が進むということになります。
記事では悲観的なものが多かったですが
考えなければいけないのは
ウクライナ情勢はともかく
アメリカの金利が上昇し続けることはない
ということです。
現在アメリカの金利は1%ほどですが
すでに市場では3%を見越しています。
現在物価の上昇により購買意欲が落ちており
今後アメリカの景気が下がる懸念もあります。
そうなると金利は3%までいかないのではないか
という考え方が多くなっていきます。
まして4%5%10%など
永遠に上がるわけではありません。
そうであれば、これまでのドルを買って円を売る
という行動を反転させる可能性があります。
また、原油の価格もアメリカが供給を増やしたり
そもそもそんなに原油などを使わない夏の到来で
原油の値段はピークをつけたとされます。
そうなると日本の輸入金額は横ばいか下がっていき
やはり、こちらも円を売ってドルを買うという
行動が止まる可能性がでてきます。