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ブラック監査法人からの脱出

会計士による政治・経済評論

世界経済の動向202307

2023-07-29 11:59:40 | 世界経済
今週は中央銀行ウィーク
各国の中央銀行の政策発表が
行われました。
普段は注目されない日本銀行ですが
今回は株式市場でも大きく動きました。
日経平均は前日32,890円ほどでしたが
前日のアメリカ市場の下落を受けて
500円近い下落で前場を終えました。

後場に日銀がYCCの幅を拡大すると発表し
32,800円台まで急回復したあとに
32,050円ほどまで急落しました。
ドル/円も141円台から139円を割り込む
所まで激しい値動きとなりました。
結局、日経平均は131円安の
32,759円で取引を終了し、
夜間では33,100円ほどまで上昇しています。

すでに0.25%の利上げをすると
予想されていたアメリカですが、
そのFOMCが開かれる26日まで
13日も連続でNYダウが上昇する
という記録がでました。
これは過去最長も13日であり
翌日もNYダウは上昇して始まったため
更新するかもと思われていましたが
夜中の2時ごろ、日本銀行が
YCCを修正するかもしれないという
日経のニュース速報により株価が下落し
237ドル安となったため記録更新には
なりませんでした。

なお、12日に発表された米のCPI
3.0%となり、21日に発表された
日本のCPIは3.3%なので
日本よりもインフレが収まっている
形となっています。
その他に27日にはヨーロッパの
ECB理事会も行われ、
0.25%の利上げを決定しました。
日米よりもインフレ率が高い
EUですが、今後の利上げ見通しは
データ次第とコメントしています。

25日にはIMFが世界の成長率
見通しの修正版を発表しましたが、
日本は1.4%アメリカは1.8%、
イギリスは0.4%、EUは0.8%
中国は5.2%となっています。
日本が高いのは前年がコロナで
低かった影響ですが、
意外なのがEUの中のドイツで
同じ製造業中心の国ですが
EUの中でもよくない状況のようです。




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世界経済の動向202306

2023-06-28 19:55:36 | 世界経済
6/14に行われたアメリカ
FOMCでは久々の利上げ停止が
決定されましたが、
世界ではインフレが止まりません。
15日にはECBが0.25%の利上げを決定し、
22日には英国が0.5%の利上げ、
少し前まで日本と同じゼロ金利だった
スイスも0.25%の利上げ
ノルウェーは0.5%の利上げを
決定しました。

この日最大のサプライズはトルコ
これまでエルドアン大統領のもと
利下げを実施していたため、
8.5%の政策金利だったものを
一気に15%まで利上げしました。
トルコのインフレは39.6%
かなり高い水準のため仕方ありませんが
エルドアン大統領は5月末に
再選をはたしたばかりなので
再度中央銀行の総裁を解任して
利下げを実施するかもしれません。

他方で、16日に行われた日銀では
おかしなエコノミストの予想に反し
現状維持を決定しました。
また、中国もコロナから回復せず
20日に利下げを決定しています。
日本は景気自体は問題ないため
現状維持なのですが、
株式市場はインフレ気味です。

日経平均は29,000円ほどから
一気に33,700円ほどまで
上昇していきました。
ここで面白いのが
エコノミスト6/20やダイヤモンド
7/1で日本株についての特集が
組まれた今週に、一気に株価が
1,000円以上下がったということです。
これはアノマリーのようなもので
週刊誌などが株の特集をはじめると
株価が下がるという現象です。
今日はまた上昇していましたが
あまり変なタイミングで株を買うと
高値掴みになる可能性があります。




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世界経済の動向202303

2023-03-31 20:43:46 | 世界経済
東洋経済4/1にアメリカの
シリコンバレー銀行破綻関連の
記事が出ていました。
全米16位のSVBですが
30位のファースト・シチズンズ銀行
買収することが決まりました。
スイスのクレディ・スイスについては
時価総額約1兆円だったものを
UBSは4,200億円で買収したということで
ファースト・シチズンズ銀行も
かなり安い金額でSVBを買収したようです。

SVBの経営破綻が通常と異なると
されるのは以下の点からです。
まず、SVBはベンチャー企業
多くの融資をしていた企業であること。
そして、その預金の55%もの割合を
債券で運用していました。
アメリカの急速な利上げにより
債券価格が下がった結果
債券の損失を大きく計上しなければ
いけなくなったのですが、
普通に考えれば、債券は満期まで持っていれば
額面額で返済されるため損失は発生しません。

SVBはコロナ経済の反転から預金が
急激に減ってきたため
手元のお金を増やすために
債券を満期まで待たずに売却しなければ
ならなくなり、損失を出すことになりました。
さらにこの急速な財務悪化が
SNSなどで拡散され、取り付け騒ぎが起き
さらに支払うための預金を確保するため
債券を売却しなければなりませんでした。

記事では日本では預金者のほとんどが
個人で保護対象の1,000万円を超えるため
取り付け騒ぎが起きれば
資金流出のリスクがあることや
債券の運用により含み損を
抱えている地銀が多いことから
日本でも今後の日銀の政策変更により
リスクがあるとしています。

少し違うと思うのは、確かに外国債券は
満期まで持っていても為替損失
発生する可能性があるためリスクがありますが
その保有割合は全体からすれば低いものです。
そもそも、今回SVBが経営破綻した原因に
FRBの監督不足が主張されていますが
これはトランプ政権で規制緩和された結果
日本ではそんなにあまい検査をしていません。
また、日銀が政策変更をしたとしても
アメリカのように4%などの利上げは
ほぼ永久的にないと思われます。
1%の金利上昇も現実的ではないですが
1%までであれば、十分に耐えられるだけの
耐久性を日本の銀行は持っています。





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世界経済の動向202212

2022-12-18 00:25:20 | 世界経済
年末に近づいていますが
日本を除く中央銀行の動きが
またありました。
注目はやはりアメリカのFRBで
最近ではその方針転換をいつするのか
という言葉でピボットという
言葉をよく聞くようになりました。
14日に行われたFOMCでは
金利をこれまでの0.75%から
0.5%の利上げにとどめることを決め
NYダウも一時700ドル以上の
上昇を見せました。

しかし、終わってみれば
142ドル安となり、翌日も
764ドル安、281ドル安と
3日連続の大幅下落となっています。
これまでは、高いインフレが懸念され
景気の良い経済指標が発表されると
利上げが高まるとして株は下落し
景気の減速を示す経済指標が発表されると
利上げ幅が低くなるという理由で
株価が上がる傾向にありました。
実際、9日の生産者物価が予想を超えると
株価は305ドル下落、13日の消費者物価
予想を下回ると103ドルの上昇でした。

では今回FOMCあとに株価下落に
なったのかというと、
それはスタグフレーション懸念です。
これまでFRBは景気を減速させてでも
利上げを続けてインフレを抑える
という方針でしたが、
物価がまだ7%も上昇しているのに
景気の減速がみられています。
来年は、インフレを抑えるため
いったん利上げをするものの、
年後半では景気悪化を止めるため
利下げをする予想になっています。

この動きは日本以外の国でも見られ
来年は日本以外の世界全体が
景気後退になると予想されています。
ただ、現時点ではインフレが収まらず
6日にはオーストラリアが0.25%
15日にはヨーロッパのECBイギリス
0.5%の利上げをしています。
日本たたき大好きなマスゴミ
経済アナリストは散々日銀の政策を
批判してきましたが、
結果的に、日本のインフレは
世界的に低い状況で抑えられており
来年の景気は日本だけが悪化しない
ということになっていますが、
どのように弁解するのでしょうか。





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謝った経済認識

2022-11-16 22:14:49 | 世界経済
エコノミスト11/5に
インフレ関連の記事がありました。
通常雑誌の冒頭の記事は
テーマに一番合致し、自身のある
記事を記載するはずですが、
かなり残念な記事となっていました。
まず、トランプ政権などが
自国第一主義を掲げた結果として
サプライチェーンの分断が起き
今回の物価高につながっているというのは
事実として正しいと思います。
また、環境関連のESG投資ブームにより
化石燃料関連の投資が抑えられた結果
現在の資源高になっていることも事実です。
 
しかし、日本に関する記事については
誤ったものが多くあります。
例えば、記事では日本の国債利回りは0.25%に対し
アメリカ国債は3.75%などとなっているため
日本の生命保険会社などは日本国債を
いつまでも買い支えることはないという点ですが
債券は金利が上がれば価格が下がるため
米国債を持っていると価格下落リスクがあります。
さらに、現在は円高で海外に投資したものは
為替の影響で利益を得ることができますが
1ドルが150円から130円台になっている現状では
今後は為替の影響で価格が下落して
損を出す可能性があります。
 
外国債券というのはそのようなことも
加味しなければならないため、
全面的に国債から外国債券に移ることはあり得ません。
今後、日本は利上げをしなければいけなくなる
というのも怪しい見通しですが、それを正しいとしても
日銀の国債保有残高は約529兆円なので
「金利が1%上昇すると評価損が5兆円になる」
というのは少し違った表現であり、
その代わりに利息を5兆円もらえるはずです。
また、「日銀は金融機関から国債を買っており
その残高は493兆円に及ぶため
金利が1%上昇すると約5兆円の利払いが
発生する」とされていますが、
日銀は金融機関から買い取った国債は
利払いをするのではなく金利を得る側なので
上記の記載どおり、利息を5兆円受け取れます。
 
最後に「強調したいのは」とした上で
株などはまだ売れるうちに売るべきとしながら
その前で「インフレが進めば現金の価値が
目減りするから、長期の株式投資を考えたい」
と株に対して矛盾した内容となっています。
 

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