アンファン宣言の取材記事ブログ

アンファン宣言 新川明日菜と光本歩が
子どもの立場の声を取材記事にしてブログに配信していきます。

ケース2 母子離婚家庭~子どもが知りたい真相~

2010-01-20 00:00:00 | 日記
みなさん、こんにちは。
この取材記事ブログでは初めまして、な光本歩です。
今回は私が、取材レポートさせていただきます。



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ドロップさんは現在15歳の女子中学生。
私の運営する塾の生徒です。
休まずきちんと塾にきて、一生懸命勉強する彼女は
来月、高校受験を控えています。



私から見る彼女の印象は、
周りの雰囲気にとても敏感な女の子だな、というもの。
集団授業のときは友達の発言に反応して、
褒めたり、意見を言ったりと自分をコントロールしています。
一方個別指導のときは、たくさん質問をしてきてくれて、
学校のこと、友達のことなど、積極的に話をしてくれます。

しかし、家族のことを話してくれるときには、
彼女は私から目をそらし、伏し目がちになるのです。
私は彼女が受験を控えている今、
不本意に揺さぶってはいけないと思い、
悲しい目の理由を聞けずにいました。


ところがある日、彼女が私に声をかけてきました。
「先生、何してるの?」

彼女が塾の授業開始時間まで私のそばで待機をしていた時です。
私はちょうど“アンファン宣言”のHPを開いていました。

『今ね、子どもたちの声を世間に広めていく活動をしてるんだ。
そのHPを見ていたんだよ。』

彼女は興味深そうにHPを見つめていました。
そして、こう言ってくれました。
「私も、離婚家庭だよ。」

悲しい目ではありません。
表情もいつもとかわらない明るい表情でした。
でも明らかに、その声はいつもと違っていました。
何かを隠しているような上擦った声でした。


私はこの時まで、彼女が離婚家庭に育った事を知りませんでした。
一度もそのようなことを話してきたことはなく、
塾の申込書にも男性の保護者名が書いてあったことから、
それは思いもつかないことでした。

しかし、思い返せば彼女との会話の間に
父親という単語がでてきたことはありませんでした。
申込書の名義も、おじいちゃんのものだと言います。


そして彼女はこうも言いました。
「私を取材していいよ。」

今までそれを語ろうとしなかった彼女から
このような言葉が出たのは驚きでした。

私は、『話すの、嫌じゃない?』と聞きました。


「だって親の離婚は自分の人生に関係ない。
私は私、親は親。だから別に良い。」

こう言った彼女の表情はすごく大人びて見えました。

そして、私は質問の用紙を彼女に手渡しました。
それを書いてもらいながら、話を進めます。

彼女はお父さんに会ったことがないと言います。
自分が何歳のときに両親が離婚したのかも知らないと言います。
しかし、離婚の事実は知っています。


『お父さんについて知っていることはある?』
「会ったことも聞いたこともない、だからわかんない。」

『知りたい、って思ったことはある?』
「知りたいとは何度も思った。小学校の時も今も、
 何で自分にはお父さんがいないのかわからない。
 でも聞かない、お母さんが怒るし可哀想だから」

彼女は続けます。

「でも、父親いなくてよかったと思う。」
『そうなの?どうして?』
「え、だって、友達が父親はウザいって言ってたし。」

私は胸が痛みました。
彼女が言わなくてもわかることがありました。
それは、彼女が父親のいないことを受
けとめようとしていることです。
けれど、それには理由が必要だから、
友達から言われたことをそれにして、
今までの葛藤を戦ってきたということ。


彼女は親や大人に対してこう思っているそうです。
「大人って馬鹿だなって。ウチらが何も知らないと思ってさ。
馬鹿な大人にはなりたくない。」

この言葉は全ての親に伝えたいものの一つです。

そう、子どもたちは親が思う以上にいろんなものを感じ取り、
いろんなことを考えています。
しかし育ててくれた親を認めようと、感謝しようとしています。


彼女はお母さんとの喧嘩がよくあると言います。
それでも、彼女の夢は

「看護師になること。お母さんみたいに」

かけがえのない親の存在はかわらないのです。


でも一つだけどうしても知りたいことが彼女にはあります。
これは彼女の知りたいことの全てでもあります。


「離婚するならなんで結婚したのかなー。」


その通りです。
離婚家庭の親からすれば耳の痛い話かもしれません。
しかし、それが子どもたちの本音です。

離婚するなら結婚しなければいい。
安易に結婚に踏み切る前に、きちんと考えなければならない。
犠牲者は離婚する当事者だけでなく、その子どもたちでもあります。


なぜ子どもたちが親の離婚と戦わなければならないのでしょうか。
子どもたちは両親に必死で向き合おうとしています。
子どもたちに向き合っている親は、
果たしてどれだけいるのでしょうか。



最後に、彼女が言ってくれた一番深い一言を紹介します。



「でもさ先生、お母さんとお父さんがいなかったら、
 ウチ、いないんだよね。」




ケース1 離婚母子家庭~隠された裏切り~

2010-01-09 10:51:25 | 日記
アンファン宣言の取材活動、

第1回目は 私、新川あすながしてきました。

今回取材をしてきたのは9歳と6歳の元気な姉妹


両親は2年前に突然の離婚、お母さんに引き取られ現在は母子家庭です。

私は取材をする前に、お母さんからどうして離婚に至ったのか?
を聞いていました。

それは仲の良かった家族を突然襲った“お父さんの浮気”

お父さんは“彼女”を作り家族ではなく“彼女”を選びました。

それを子ども達はすべて知っているといいます。

そして、その“彼女”にも会ったことがあると。

9歳のお姉ちゃんがゆみかちゃん
6歳の妹ちゃんがあいこちゃん

お母さんに似た、明るい元気な女の子です。
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まず、2人に質問を書いた用紙をわたして取材をしました。
妹のあいこちゃんも「私も書きたい!」と言ったので
書かせていると、

Q1.あいこちゃんの家族を教えてください。
の項目にお父さん、お母さん、お姉ちゃんの似顔絵を描いて
いました。

それを見たゆみかちゃんは
「わたしにはお父さんはいないの。かぞくは3人
とすかさず発言。

「なんで?お父さんいるじゃん」とあいこちゃんが反発すると

ゆみかちゃんは少し怒ったようなきっぱりした口調で
「りこんしたから関係ないじゃん」と言いました。

「今はゆみかちゃんにとっての“家族”は3人なんだ?」
と聞くと

「うん。それがいい」
「ママはやさしいし良く育ててくれるしママがいい」

「パパだと変なとこで怒るし仕事で家いないし」

「じゃあ、りこんしてどう思った?」
の質問には

「あたしはママがよかったしお父さんとはあんまり仲良し
じゃなかったからよかった」

「3人のほうが賑やかになったかな」
ととにかく今の生活がよかった。ということを強調していました。

でもお母さんからは仲良しな親子、家族だったと聞いていました。

あいこちゃんがパパに対して“家族”という言葉を使ったとき
ゆみかちゃんがとてもつよい口調で否定したのを私はすごく驚きました。

と同時になんだかいたたまれない気持ちになりました。

「パパは家にひとりでいるの?」
「うーんと、今付き合っている子と」
「パパの新しい彼女?」
「うん。」

「嫌じゃない?」
残酷だけど聞いてみました。だって、面会交流にその彼女も
一緒についてくるというんです。


「嫌!」
と即答したゆみかちゃんの顔は「わたしにはお父さんはいないの!」
と言ったときと同じ怒ったような悲しいような表情でした。

「お父さんとお母さんがなんで離婚したかって言われた?」

「うん。隠してパパとみほちゃんが付き合ってたから
それで怒った」

「ゆみかちゃんはどう思う?」

「私は隠すのは嫌だった、隠したらダメだと思う」

ここまで聞いて、ゆみかちゃんが必死に“お父さんの思い出”
を悪いものにしようとしてること。

家族からは忘れようとしてること。

これでよかったと納得しようとしてることがわかりました。

最近はあまりお父さんにも会ってない。と言っていました。

お父さんは娘たちとの面会の際には“みほちゃん”という
大学生の彼女を連れてくるそうです。

でもゆみかちゃんがお父さんの彼女を「嫌!」と即答したように
ほんとうは会いたくないんじゃないでしょうか。

というか、そんなの当たり前

私からしたら信じられません。

今、あいこちゃんはまだ小さくてお父さんの思い出も
楽しいものみたいです。

ゆみかちゃんは必至にお父さんを「関係のない人」
にしようとしています。

二人がこれから成長していく課程の中で
良かったはずのお父さんの思い出も、家族の思い出も
消さなければいけないんでしょうか。

お父さんの彼女と共に、もっとお父さんを憎むように
なるんじゃないでしょうか。

そのとき二人はもっと絶望して怒りが湧くんじゃないでしょうか。

彼女をつくって家族を捨てただけでも裏切りなのに
面会交流に彼女を連れてくるなんて

その無責任な行動はどこからくるの?

そう思ってやりきれなかったです。

二人はごく普通の元気な女の子で

お母さんのお手伝いもよくする偉い姉妹です。



1日一緒に過ごしてみての取材でしたが

取材のときに一番感じたのは

子どもは今の状況をどうにかして受け入れようと
幸せに思うようにしていること。

その姿はもう見たくないなって思いました。










アンファン宣言 始動!!

2010-01-09 10:18:14 | 日記
みなさん改めまして初めまして。


そして

明けましておめでとうございます

アンファン宣言始動します。
NPO法人ウインク新川あすなです。

アンファン宣言の主旨と活動内容、私たちのプロフィールは
ページをご覧いただければご理解いただけると思います。

今後この取材記事ブログで

貧困家庭(または親に恵まれなかった)の子どもたちへの
取材記事を配信していきます。

更新日時は毎月2回

10日と20日です

10日は私、新川あすな

20日は、光本歩

が交互にアップしますね

新年からの新しい活動

みなさん応援してくれたら嬉しいです

昨年より少しづつ取材を行っていました。
過去記事はこちらからhttp://ameblo.jp/t-wink/
(9月あたりから~思いの輪~という題で4回ほどちょろちょろ書いてます)

それでは簡単ではございますが、ご挨拶まで。

今週10日からの記事をお楽しみに。