みなさん、こんにちは。
この取材記事ブログでは初めまして、な光本歩です。
今回は私が、取材レポートさせていただきます。
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ドロップさんは現在15歳の女子中学生。
私の運営する塾の生徒です。
休まずきちんと塾にきて、一生懸命勉強する彼女は
来月、高校受験を控えています。
私から見る彼女の印象は、
周りの雰囲気にとても敏感な女の子だな、というもの。
集団授業のときは友達の発言に反応して、
褒めたり、意見を言ったりと自分をコントロールしています。
一方個別指導のときは、たくさん質問をしてきてくれて、
学校のこと、友達のことなど、積極的に話をしてくれます。
しかし、家族のことを話してくれるときには、
彼女は私から目をそらし、伏し目がちになるのです。
私は彼女が受験を控えている今、
不本意に揺さぶってはいけないと思い、
悲しい目の理由を聞けずにいました。
ところがある日、彼女が私に声をかけてきました。
「先生、何してるの?」
彼女が塾の授業開始時間まで私のそばで待機をしていた時です。
私はちょうど“アンファン宣言”のHPを開いていました。
『今ね、子どもたちの声を世間に広めていく活動をしてるんだ。
そのHPを見ていたんだよ。』
彼女は興味深そうにHPを見つめていました。
そして、こう言ってくれました。
「私も、離婚家庭だよ。」
悲しい目ではありません。
表情もいつもとかわらない明るい表情でした。
でも明らかに、その声はいつもと違っていました。
何かを隠しているような上擦った声でした。
私はこの時まで、彼女が離婚家庭に育った事を知りませんでした。
一度もそのようなことを話してきたことはなく、
塾の申込書にも男性の保護者名が書いてあったことから、
それは思いもつかないことでした。
しかし、思い返せば彼女との会話の間に
父親という単語がでてきたことはありませんでした。
申込書の名義も、おじいちゃんのものだと言います。
そして彼女はこうも言いました。
「私を取材していいよ。」
今までそれを語ろうとしなかった彼女から
このような言葉が出たのは驚きでした。
私は、『話すの、嫌じゃない?』と聞きました。
「だって親の離婚は自分の人生に関係ない。
私は私、親は親。だから別に良い。」
こう言った彼女の表情はすごく大人びて見えました。
そして、私は質問の用紙を彼女に手渡しました。
それを書いてもらいながら、話を進めます。
彼女はお父さんに会ったことがないと言います。
自分が何歳のときに両親が離婚したのかも知らないと言います。
しかし、離婚の事実は知っています。
『お父さんについて知っていることはある?』
「会ったことも聞いたこともない、だからわかんない。」
『知りたい、って思ったことはある?』
「知りたいとは何度も思った。小学校の時も今も、
何で自分にはお父さんがいないのかわからない。
でも聞かない、お母さんが怒るし可哀想だから」
彼女は続けます。
「でも、父親いなくてよかったと思う。」
『そうなの?どうして?』
「え、だって、友達が父親はウザいって言ってたし。」
私は胸が痛みました。
彼女が言わなくてもわかることがありました。
それは、彼女が父親のいないことを受
けとめようとしていることです。
けれど、それには理由が必要だから、
友達から言われたことをそれにして、
今までの葛藤を戦ってきたということ。
彼女は親や大人に対してこう思っているそうです。
「大人って馬鹿だなって。ウチらが何も知らないと思ってさ。
馬鹿な大人にはなりたくない。」
この言葉は全ての親に伝えたいものの一つです。
そう、子どもたちは親が思う以上にいろんなものを感じ取り、
いろんなことを考えています。
しかし育ててくれた親を認めようと、感謝しようとしています。
彼女はお母さんとの喧嘩がよくあると言います。
それでも、彼女の夢は
「看護師になること。お母さんみたいに」
かけがえのない親の存在はかわらないのです。
でも一つだけどうしても知りたいことが彼女にはあります。
これは彼女の知りたいことの全てでもあります。
「離婚するならなんで結婚したのかなー。」
その通りです。
離婚家庭の親からすれば耳の痛い話かもしれません。
しかし、それが子どもたちの本音です。
離婚するなら結婚しなければいい。
安易に結婚に踏み切る前に、きちんと考えなければならない。
犠牲者は離婚する当事者だけでなく、その子どもたちでもあります。
なぜ子どもたちが親の離婚と戦わなければならないのでしょうか。
子どもたちは両親に必死で向き合おうとしています。
子どもたちに向き合っている親は、
果たしてどれだけいるのでしょうか。
最後に、彼女が言ってくれた一番深い一言を紹介します。
「でもさ先生、お母さんとお父さんがいなかったら、
ウチ、いないんだよね。」
この取材記事ブログでは初めまして、な光本歩です。
今回は私が、取材レポートさせていただきます。
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ドロップさんは現在15歳の女子中学生。
私の運営する塾の生徒です。
休まずきちんと塾にきて、一生懸命勉強する彼女は
来月、高校受験を控えています。
私から見る彼女の印象は、
周りの雰囲気にとても敏感な女の子だな、というもの。
集団授業のときは友達の発言に反応して、
褒めたり、意見を言ったりと自分をコントロールしています。
一方個別指導のときは、たくさん質問をしてきてくれて、
学校のこと、友達のことなど、積極的に話をしてくれます。
しかし、家族のことを話してくれるときには、
彼女は私から目をそらし、伏し目がちになるのです。
私は彼女が受験を控えている今、
不本意に揺さぶってはいけないと思い、
悲しい目の理由を聞けずにいました。
ところがある日、彼女が私に声をかけてきました。
「先生、何してるの?」
彼女が塾の授業開始時間まで私のそばで待機をしていた時です。
私はちょうど“アンファン宣言”のHPを開いていました。
『今ね、子どもたちの声を世間に広めていく活動をしてるんだ。
そのHPを見ていたんだよ。』
彼女は興味深そうにHPを見つめていました。
そして、こう言ってくれました。
「私も、離婚家庭だよ。」
悲しい目ではありません。
表情もいつもとかわらない明るい表情でした。
でも明らかに、その声はいつもと違っていました。
何かを隠しているような上擦った声でした。
私はこの時まで、彼女が離婚家庭に育った事を知りませんでした。
一度もそのようなことを話してきたことはなく、
塾の申込書にも男性の保護者名が書いてあったことから、
それは思いもつかないことでした。
しかし、思い返せば彼女との会話の間に
父親という単語がでてきたことはありませんでした。
申込書の名義も、おじいちゃんのものだと言います。
そして彼女はこうも言いました。
「私を取材していいよ。」
今までそれを語ろうとしなかった彼女から
このような言葉が出たのは驚きでした。
私は、『話すの、嫌じゃない?』と聞きました。
「だって親の離婚は自分の人生に関係ない。
私は私、親は親。だから別に良い。」
こう言った彼女の表情はすごく大人びて見えました。
そして、私は質問の用紙を彼女に手渡しました。
それを書いてもらいながら、話を進めます。
彼女はお父さんに会ったことがないと言います。
自分が何歳のときに両親が離婚したのかも知らないと言います。
しかし、離婚の事実は知っています。
『お父さんについて知っていることはある?』
「会ったことも聞いたこともない、だからわかんない。」
『知りたい、って思ったことはある?』
「知りたいとは何度も思った。小学校の時も今も、
何で自分にはお父さんがいないのかわからない。
でも聞かない、お母さんが怒るし可哀想だから」
彼女は続けます。
「でも、父親いなくてよかったと思う。」
『そうなの?どうして?』
「え、だって、友達が父親はウザいって言ってたし。」
私は胸が痛みました。
彼女が言わなくてもわかることがありました。
それは、彼女が父親のいないことを受
けとめようとしていることです。
けれど、それには理由が必要だから、
友達から言われたことをそれにして、
今までの葛藤を戦ってきたということ。
彼女は親や大人に対してこう思っているそうです。
「大人って馬鹿だなって。ウチらが何も知らないと思ってさ。
馬鹿な大人にはなりたくない。」
この言葉は全ての親に伝えたいものの一つです。
そう、子どもたちは親が思う以上にいろんなものを感じ取り、
いろんなことを考えています。
しかし育ててくれた親を認めようと、感謝しようとしています。
彼女はお母さんとの喧嘩がよくあると言います。
それでも、彼女の夢は
「看護師になること。お母さんみたいに」
かけがえのない親の存在はかわらないのです。
でも一つだけどうしても知りたいことが彼女にはあります。
これは彼女の知りたいことの全てでもあります。
「離婚するならなんで結婚したのかなー。」
その通りです。
離婚家庭の親からすれば耳の痛い話かもしれません。
しかし、それが子どもたちの本音です。
離婚するなら結婚しなければいい。
安易に結婚に踏み切る前に、きちんと考えなければならない。
犠牲者は離婚する当事者だけでなく、その子どもたちでもあります。
なぜ子どもたちが親の離婚と戦わなければならないのでしょうか。
子どもたちは両親に必死で向き合おうとしています。
子どもたちに向き合っている親は、
果たしてどれだけいるのでしょうか。
最後に、彼女が言ってくれた一番深い一言を紹介します。
「でもさ先生、お母さんとお父さんがいなかったら、
ウチ、いないんだよね。」