アンファン宣言の取材記事ブログ

アンファン宣言 新川明日菜と光本歩が
子どもの立場の声を取材記事にしてブログに配信していきます。

ケース3母子離婚家庭~お父さんへの思い~

2010-02-10 11:09:58 | 日記
今回、新川あすなが取材したのは21歳、林えりこさん。
私と同じ歳の女の子。
小学校3年生のときに両親の離婚、現在は母、姉、ワンちゃん家族で
お母さんと2人で都内に暮らしています。
私はえりこちゃんのお母さんと知り合いで、取材のお願いをしました。
取材をお願いしたいとメールを送って、彼女から返ってきた
返信は「私ママには感謝の気持ちしかないからお役に立つか
わからないですよ…?」の言葉。
私は「悲しい本音だけじゃなくそういった明るいケースも聞きたい
から是非お願いします!」と送りました。


春のように暖かい午後、ホテルのカフェラウンジに
現れた彼女は一目をひく抜群のスタイルと日本人離れした目鼻立ちを持つ美人。
明るい笑顔で手をふって、緊張する私のもとに歩いてきました。
私は1度だけ彼女に会ったことがあるし、彼女のお母さんには
お世話になっていたけれど、離婚の話や家族の話はまったく
知らない状態からの取材でした。

ママには感謝しかない…
って言っていたので、何から聞いたらいいかな…と迷いながら質問する私に
人なつっこく話しはじめました。

【大好きなパパとの別れ】

離婚したのは小学校3年生。
お父さんと過ごした時間もわりと長いし、私パパっ子
だったのね。パパすごい好きだったから結構きつかったの。

との予想外な発言に驚く私。
えりこちゃんは素直に語り続けます。


別れる理由は後から聞いたけどパパの浮気。
なんか今思えばあの頃のママって笑ってるイメージがないの。

いよいよママが離婚を切り出す時、ソファーに座って
その様子を見てたんだけど、パパがママに土下座して謝ってて、

その光景が今でも忘れられないんだよね。

【ジョジョ(犬)が欲しかった理由】

中学生になった頃からママは仕事に忙しくて、お姉ちゃんは
モデルの仕事でいないし、当時ママには彼氏がいて、しょっちゅう家に来てたの。
私ほんとにその人のことキライだったからご飯に誘われてもいつも一人で留守番してたの。

ちょーーー寂しかったよぉ。
なんか、うん…なんかなんだろうね…すごい孤独感が強かったんだよね。

話せる相手がいないから、自分の必要価値がわかんないみたいになってくるじゃん。
だからジョジョもママに泣きながら「犬欲しい」って頼んだの。

その彼氏とママの関係もぐちゃぐちゃ色々あって、時には警察呼んだり、
包丁持ち出したケンカになったり。その間何年も、ほんとうに嫌なことがありすぎた。

明るくて元気なえりこちゃんからは想像できないほど
沢山の体験と思いがあるなって感じました。
とてもこのブログには書ききれないほど。

【傷は忘れる、自分で解決するしかなかった】

「その彼とママはどれくらい続いたの?」の質問に

「どんくらい続いたんだろう…なんかさこれ
私だけかもしれないけど、嫌なことがいっぱいありすぎて、
それをすぐ忘れる癖がついて覚えてないの全然。」

って言いながら、えりこちゃんは笑ってました。
そういえば森川さんに取材したときも「忘れる」って言ってたな。

「昔の私ってすごい傷つきやすくていつも泣いてたの。
お姉ちゃんはモデルでみんなが注目するのに、私には取り柄が
ないなぁとか。」

「それにパパからも中学1年くらいから連絡ないから、
そういうのがあるとさ、私って必要だったのかな?」ってさ。

「でもさ今えりこちゃんすごい明るいのはなんで?
支えてくれる誰かがいたの?」

「なんでだろうね?なんかもう泣き疲れて、自己解決法を見つけるしかないんだ!」
ってさ。

あのね、嫌なことがあると感情を全部紙にわーっと書くの。
それでどうしたらいいか考えて。それを繰り返してたなぁ。。

「スポーツやってたのもよかったのかも。発散できるし結果も出るし。
新体操と高校から陸上、中学はダンス部。」

えりこちゃんの場合、自己解決法を必死であみだして
実行してきたから明るい今があるけれど、もしそれが出来ない子どもだったら
どうなってるんだろう。って私は怖かった。

【それでもママと良い関係になった理由】

「私にはママしかいなかったから」

私のお姉ちゃんってモデルだから親戚とかみんな
お姉ちゃんばっかりで、子どもながらになんでって感じてたの。
例えばね、父方の祖父母とか、お姉ちゃんには可愛いフリフリの洋服送るのに私には
普通の服だったりしたからさ。それをママに言ったことがあったの。
そこでもし「そんなことないよ」ってごまかされたらママも信用できなかったと思うけど、

「確かにそうだよね。でもママはえりこちゃんが一番だよ。」

って言ってくれたの。すごい嬉しかったんだよね。

子どもは親に愛された記憶を、大人になっても
覚えてる。その親からの自分だけに注がれる愛情がほんとうに大切なんです。

それから、一度だけストレスが溜まって悪酔いしたママと大喧嘩したことがあって
「陸上だってお金かかんのよ!!お金ないんだからうちは!!」
とか酷いこと散々言われて…

ママのそんな姿はじめて見て…

それまで母親っていう絶対的な存在だったのが崩れて、私も号泣して。

その事件から、母親って感じよりは私が守ってあげなきゃだめなんだな。
って思ったの。陸上もやめようかと考えたけど私の唯一の表現方法
だったし辞めなかったんだ。

【心に残るパパへの思い】

あの頃の夢はね、陸上でオリンピックとかに出て、自分
から言わなくてもパパに

「私ここにいるよ」って見せたかったの。

今は連絡ないの?

離婚した始めの頃は頻繁にご飯行ったりしてたんだけど
だんだんそういうのもなくなって、今はもう連絡先すらわかんない。
なんかね私の中でずっと心に残ってる…

何回も手紙書いたりしたんだけど、
「実はお父さん再婚してるらしい」って知人から聞いてさ
「あー送れない」ってなっちゃって…。
でもまぁ自分が結婚する時がきたら彼についてきてもらって
挨拶くらいは行きたいと思ってる。

あっちはどう思ってるんだろう、なんなんだろうねぇ…

えりこちゃんはお父さんに会いに行くのが
今は怖いんだなって。でもきっと彼女の中でそれが大きな
引っかかりになってるんだなって。

なんでお父さんは実の娘に会いにこないのかな?
小3まで可愛がってたのに離れたら、再婚したら忘るの?
なんで?どうして?

理解はできるけど悲しい。

【過去を忘れて今】

そんな経験があって、ママを支えようって決めてからは
まるで私がお母さんみたい。女友達みたいな関係でもあるし。
酔ったママの服を着替えさせたりさ(笑)
今は絆もちょー深いかな。
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えりこちゃんが辛かった、離婚してからの寂しかった成長期。
ママとママの彼氏とのぐちゃぐちゃした数年間。
それは彼女が言うように忘れてしまったことが多いと思う。
でも間違いなくその数年間はえりこちゃんの大事な思春期の記憶で、
変えられないし消せない。必死に乗り越えてきた過去。

親の恋愛についてどう思ってた?

の回答は本として出版するときまでとっておきますね。


そしてえりこちゃんが結婚するときに
パパに会って、もう一度、愛情を確認できる日がくるのを
私は一緒に願ってます。

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