アンファン宣言の取材記事ブログ

アンファン宣言 新川明日菜と光本歩が
子どもの立場の声を取材記事にしてブログに配信していきます。

ケース4 ステップファミリー ~理想と現実のジレンマ~

2010-02-20 01:11:35 | 日記
今回私、光本が取材したのは17歳のジャスミンさん。いまどきの女の子らしい可愛い服装で待ち合わせの駅に来てくれました。初対面の私にも明るく笑顔で接してくれるとても素直な女の子です。辛い環境に育ったことなど微塵も感じさせません。


【生い立ち】
ジャスミンさんは平成4年の夏に産まれました。それから間もない3歳の時、両親が一度目の離婚を決断します。幼少期で記憶さえありませんが、この時ジャスミンさんはお母さんに引き取られました。

その後お母さんは再婚しますが、ジャスミンさんが12歳のときには2度目の離婚。ここでは育てのお父さんに付きました。

・・・・つまり、本当の(産みの)両親は2人とも、ジャスミンさんの元を離れたのです。

今は育ての父も再婚し、今のお母さんとお父さんがそれぞれの子どもを連れたステップファミリー。ジャスミンさんは家族から離れ、一人暮らしをしています。


【耳にした離婚の理由】
・一度目の離婚
「覚えてないけどー・・・・3歳の時に、って後からママに聞いたの」

・二度目の離婚
「ママは“お互い離れた方が良いから”って言ってた。パパはママの鬱についていけなくなったし、ママはお金とかにもルーズだったからそれにもついていけないって。他にも何か言ってたけど・・・・思い出せない」

『それを聞いた時はどう思った?』

「そうなんだー・・・って。ただそれだけ。親に深く関わったら疲れるから、特に意見は言わなかった。」


【離婚後の親子の関係】
「半年くらい前までは本当のパパとも会ってたんだけど、今は連絡がとれない。養育費の振り込みはあるんだけど・・・ママとは今もたまに会う。ママはパパの悪口を言うことが多いの。私はそれが嫌だから“パパも良い人だよ”とか“パパだってママのこと助けてくれたでしょ”とか言うと怒る。“私はひどいことされてきたんだから”って。詳しくは教えてくれないし、話してくれれば聞くけど知らなくても別に問題はないし。ママはよく嘘をつくから信憑性がない。パパがひどいことするとは思えないし、何がホントなのかわかんない。」

『養育費がお父さんからもらえることは嬉しい?』

「嬉しくはない。○○(今のお母さんの名前)が言って、強制的にもらってる感じだから。自分の意思で送ってきてるんだったら別だけど特に喜べない。ありがたいとは思ってもだからどうというわけでもない。今更もらっても・・・と思うし。」

私は両親が離婚したとき、養育費というものがあることすら知りませんでした。しかし、たとえ養育費をもらっていたとしても、ジャスミンさんのような状況では、素直に喜べないだろうと思います。養育費は「愛されている証」として受け取るものだから。子どもとしては強制して払われることに、あまり価値を見いだせないかもしれません。


【辛かったこと】
「私妹がいるんですけどー。2度目の離婚の後、パパが仕事だったりしたから、妹の保育園のお迎えとか全部私が行ってて、私にばっかり負担がかかった。中学校では部活もやってたから。」

ジャスミンさんは中学校時代、陸上部に入っていました。
『やっぱり部活は3年間やりたかった?』

「はい。私には一度も何かをやり遂げたっていう経験がないから・・・・でも学校もよく変わってたし。引っ越しが多い家庭だったんです。保育園も6~7回変わった。小学校は・・・・思い出せない。」

『周りの環境で諦めざるを得なかったことが多い?』

「そうですね・・。自分の意思で辞めたのは高校だけです。」


【高校中退の決断】
「私には夢があって・・・高校卒業したら専門学校に行くつもりだった。学校の先生にパンフレットも取り寄せてもらってたくらい。」
『夢って??』

「こどもの面倒をみる資格を取って・・・児童指導員になりたかったんです。だから高校もできれば辞めたくなかった。」
「でも、パパに反抗したときに“金出してやってんだよ”って強く言われて、何も言えないのが嫌だった。それが辛くて高校は辞めました。パパは怖いから。けど今もその夢は変わらない。児童指導員の勉強は毎日してるし、国語・英語・数学の勉強も自分でしてる。」

ジャスミンさんのきらきらした目からは夢に向かう希望が見えて、私は少しほっとしました。


【トラウマ】
「親にはよく手を出された。暴力をふるわれたことだけは鮮明に覚えてる。だから親は怖い。これはトラウマ。」

「でも・・・」

「私は親が暴力をふるったのには色々あったんだろうなって思う。私に何かいけないところがあったのかもしれないし、精神的に親も大変だったのかもしれないって。だからこそ嫌いになりたくないのに、そのときの光景が忘れられずにふとした瞬間に出てくるのが辛い。」

ジャスミンさんは親の行動を冷静に分析し、一生懸命に理解しようとしていました。自分ではそう思う反面、その時のことを思い出すと体が否定の信号を出すことに、親を愛するが故の葛藤と戦っているのです。


【周りの態度】
「本当につらい時には学校の先生とかほんとに信頼してる友達とかに相談してた。でも決まって帰ってくるのは、“運がわるかったのよ”とか“親が悪い”とか。そんな言葉を求めてるんじゃなくて、ちゃんとした意見を聞きたいのに。それに、自分が親のことを言うのは別にいいんだけど、他人に親の悪口を言われたくない。だって私の親だもん。」

離婚家庭に育った子どもたちに取材をしていて、大体共通して耳にするのは≪親を擁護する言葉≫。子どもなりに状況を見て、親を認めて前に進もうとしているのがわかります。


【離婚家庭に育って―近い将来の話―】
「自分の意思をしっかり持てるようになったのは良かった。親みたいな親にはなりたくないとも思えたし。そういう部分では親が離婚して良かった。」

『結婚にはやっぱり慎重になる?』

「ううん。ママより早く結婚して、子どもを産みたい。」

『え!?どうして??』

「おじいちゃんに、ひ孫を見せたい。」

おじいちゃんは、今のお父さんのお父さんであると言います。

「おじいちゃんは血のつながりが全くないのに自分の孫より可愛がってくれたから。でも、今はおじいちゃんの体調が悪いの。生きている間に、必ずひ孫を見せたい。親族の誰よりも先に。」

『じゃあまず、結婚だね!結婚式に呼びたいのは誰?』

「理想は産みのママと今のパパ。でも、ママはパパが来るならいかないっていってるし、パパもママが来るならいかないっていってるから無理だと思う。それも大人げないですよね。そしたらパパだけ呼びます。ママはまだまだ甘いって思うし・・・それにパパも血のつながりはないけど、ここまで面倒みてくれたから。」


【大人達へ言いたいこと】
ジャスミンさんは取材の中で「思い出せない」という言葉を何度も使いました。生まれた土地も、通った小学校もはっきり覚えていません。
過去にあった辛い経験は精神的なダメージを与え、記憶にも障害を及ぼすことがあるのです。

そんなジャスミンさんは大人びた表情で言ってくれました。

「もう少し素直になった方がいいと思う。大人だから色々考えるコトあるとは思うけど、もう少し自分たちの考えとか気持ちを冷静に伝えてほしい。」

素直でまっすぐなジャスミンさんから大人達への精一杯の優しさが、この言葉にも隠れています。きちんと大人たちが話をすれば、子どもたちには必ず伝わります。


ジャスミンさんの想いが、どうかたくさんの大人たちに届きますように。

ケース3母子離婚家庭~お父さんへの思い~

2010-02-10 11:09:58 | 日記
今回、新川あすなが取材したのは21歳、林えりこさん。
私と同じ歳の女の子。
小学校3年生のときに両親の離婚、現在は母、姉、ワンちゃん家族で
お母さんと2人で都内に暮らしています。
私はえりこちゃんのお母さんと知り合いで、取材のお願いをしました。
取材をお願いしたいとメールを送って、彼女から返ってきた
返信は「私ママには感謝の気持ちしかないからお役に立つか
わからないですよ…?」の言葉。
私は「悲しい本音だけじゃなくそういった明るいケースも聞きたい
から是非お願いします!」と送りました。


春のように暖かい午後、ホテルのカフェラウンジに
現れた彼女は一目をひく抜群のスタイルと日本人離れした目鼻立ちを持つ美人。
明るい笑顔で手をふって、緊張する私のもとに歩いてきました。
私は1度だけ彼女に会ったことがあるし、彼女のお母さんには
お世話になっていたけれど、離婚の話や家族の話はまったく
知らない状態からの取材でした。

ママには感謝しかない…
って言っていたので、何から聞いたらいいかな…と迷いながら質問する私に
人なつっこく話しはじめました。

【大好きなパパとの別れ】

離婚したのは小学校3年生。
お父さんと過ごした時間もわりと長いし、私パパっ子
だったのね。パパすごい好きだったから結構きつかったの。

との予想外な発言に驚く私。
えりこちゃんは素直に語り続けます。


別れる理由は後から聞いたけどパパの浮気。
なんか今思えばあの頃のママって笑ってるイメージがないの。

いよいよママが離婚を切り出す時、ソファーに座って
その様子を見てたんだけど、パパがママに土下座して謝ってて、

その光景が今でも忘れられないんだよね。

【ジョジョ(犬)が欲しかった理由】

中学生になった頃からママは仕事に忙しくて、お姉ちゃんは
モデルの仕事でいないし、当時ママには彼氏がいて、しょっちゅう家に来てたの。
私ほんとにその人のことキライだったからご飯に誘われてもいつも一人で留守番してたの。

ちょーーー寂しかったよぉ。
なんか、うん…なんかなんだろうね…すごい孤独感が強かったんだよね。

話せる相手がいないから、自分の必要価値がわかんないみたいになってくるじゃん。
だからジョジョもママに泣きながら「犬欲しい」って頼んだの。

その彼氏とママの関係もぐちゃぐちゃ色々あって、時には警察呼んだり、
包丁持ち出したケンカになったり。その間何年も、ほんとうに嫌なことがありすぎた。

明るくて元気なえりこちゃんからは想像できないほど
沢山の体験と思いがあるなって感じました。
とてもこのブログには書ききれないほど。

【傷は忘れる、自分で解決するしかなかった】

「その彼とママはどれくらい続いたの?」の質問に

「どんくらい続いたんだろう…なんかさこれ
私だけかもしれないけど、嫌なことがいっぱいありすぎて、
それをすぐ忘れる癖がついて覚えてないの全然。」

って言いながら、えりこちゃんは笑ってました。
そういえば森川さんに取材したときも「忘れる」って言ってたな。

「昔の私ってすごい傷つきやすくていつも泣いてたの。
お姉ちゃんはモデルでみんなが注目するのに、私には取り柄が
ないなぁとか。」

「それにパパからも中学1年くらいから連絡ないから、
そういうのがあるとさ、私って必要だったのかな?」ってさ。

「でもさ今えりこちゃんすごい明るいのはなんで?
支えてくれる誰かがいたの?」

「なんでだろうね?なんかもう泣き疲れて、自己解決法を見つけるしかないんだ!」
ってさ。

あのね、嫌なことがあると感情を全部紙にわーっと書くの。
それでどうしたらいいか考えて。それを繰り返してたなぁ。。

「スポーツやってたのもよかったのかも。発散できるし結果も出るし。
新体操と高校から陸上、中学はダンス部。」

えりこちゃんの場合、自己解決法を必死であみだして
実行してきたから明るい今があるけれど、もしそれが出来ない子どもだったら
どうなってるんだろう。って私は怖かった。

【それでもママと良い関係になった理由】

「私にはママしかいなかったから」

私のお姉ちゃんってモデルだから親戚とかみんな
お姉ちゃんばっかりで、子どもながらになんでって感じてたの。
例えばね、父方の祖父母とか、お姉ちゃんには可愛いフリフリの洋服送るのに私には
普通の服だったりしたからさ。それをママに言ったことがあったの。
そこでもし「そんなことないよ」ってごまかされたらママも信用できなかったと思うけど、

「確かにそうだよね。でもママはえりこちゃんが一番だよ。」

って言ってくれたの。すごい嬉しかったんだよね。

子どもは親に愛された記憶を、大人になっても
覚えてる。その親からの自分だけに注がれる愛情がほんとうに大切なんです。

それから、一度だけストレスが溜まって悪酔いしたママと大喧嘩したことがあって
「陸上だってお金かかんのよ!!お金ないんだからうちは!!」
とか酷いこと散々言われて…

ママのそんな姿はじめて見て…

それまで母親っていう絶対的な存在だったのが崩れて、私も号泣して。

その事件から、母親って感じよりは私が守ってあげなきゃだめなんだな。
って思ったの。陸上もやめようかと考えたけど私の唯一の表現方法
だったし辞めなかったんだ。

【心に残るパパへの思い】

あの頃の夢はね、陸上でオリンピックとかに出て、自分
から言わなくてもパパに

「私ここにいるよ」って見せたかったの。

今は連絡ないの?

離婚した始めの頃は頻繁にご飯行ったりしてたんだけど
だんだんそういうのもなくなって、今はもう連絡先すらわかんない。
なんかね私の中でずっと心に残ってる…

何回も手紙書いたりしたんだけど、
「実はお父さん再婚してるらしい」って知人から聞いてさ
「あー送れない」ってなっちゃって…。
でもまぁ自分が結婚する時がきたら彼についてきてもらって
挨拶くらいは行きたいと思ってる。

あっちはどう思ってるんだろう、なんなんだろうねぇ…

えりこちゃんはお父さんに会いに行くのが
今は怖いんだなって。でもきっと彼女の中でそれが大きな
引っかかりになってるんだなって。

なんでお父さんは実の娘に会いにこないのかな?
小3まで可愛がってたのに離れたら、再婚したら忘るの?
なんで?どうして?

理解はできるけど悲しい。

【過去を忘れて今】

そんな経験があって、ママを支えようって決めてからは
まるで私がお母さんみたい。女友達みたいな関係でもあるし。
酔ったママの服を着替えさせたりさ(笑)
今は絆もちょー深いかな。
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えりこちゃんが辛かった、離婚してからの寂しかった成長期。
ママとママの彼氏とのぐちゃぐちゃした数年間。
それは彼女が言うように忘れてしまったことが多いと思う。
でも間違いなくその数年間はえりこちゃんの大事な思春期の記憶で、
変えられないし消せない。必死に乗り越えてきた過去。

親の恋愛についてどう思ってた?

の回答は本として出版するときまでとっておきますね。


そしてえりこちゃんが結婚するときに
パパに会って、もう一度、愛情を確認できる日がくるのを
私は一緒に願ってます。

ケース2 母子離婚家庭~子どもが知りたい真相~

2010-01-20 00:00:00 | 日記
みなさん、こんにちは。
この取材記事ブログでは初めまして、な光本歩です。
今回は私が、取材レポートさせていただきます。



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ドロップさんは現在15歳の女子中学生。
私の運営する塾の生徒です。
休まずきちんと塾にきて、一生懸命勉強する彼女は
来月、高校受験を控えています。



私から見る彼女の印象は、
周りの雰囲気にとても敏感な女の子だな、というもの。
集団授業のときは友達の発言に反応して、
褒めたり、意見を言ったりと自分をコントロールしています。
一方個別指導のときは、たくさん質問をしてきてくれて、
学校のこと、友達のことなど、積極的に話をしてくれます。

しかし、家族のことを話してくれるときには、
彼女は私から目をそらし、伏し目がちになるのです。
私は彼女が受験を控えている今、
不本意に揺さぶってはいけないと思い、
悲しい目の理由を聞けずにいました。


ところがある日、彼女が私に声をかけてきました。
「先生、何してるの?」

彼女が塾の授業開始時間まで私のそばで待機をしていた時です。
私はちょうど“アンファン宣言”のHPを開いていました。

『今ね、子どもたちの声を世間に広めていく活動をしてるんだ。
そのHPを見ていたんだよ。』

彼女は興味深そうにHPを見つめていました。
そして、こう言ってくれました。
「私も、離婚家庭だよ。」

悲しい目ではありません。
表情もいつもとかわらない明るい表情でした。
でも明らかに、その声はいつもと違っていました。
何かを隠しているような上擦った声でした。


私はこの時まで、彼女が離婚家庭に育った事を知りませんでした。
一度もそのようなことを話してきたことはなく、
塾の申込書にも男性の保護者名が書いてあったことから、
それは思いもつかないことでした。

しかし、思い返せば彼女との会話の間に
父親という単語がでてきたことはありませんでした。
申込書の名義も、おじいちゃんのものだと言います。


そして彼女はこうも言いました。
「私を取材していいよ。」

今までそれを語ろうとしなかった彼女から
このような言葉が出たのは驚きでした。

私は、『話すの、嫌じゃない?』と聞きました。


「だって親の離婚は自分の人生に関係ない。
私は私、親は親。だから別に良い。」

こう言った彼女の表情はすごく大人びて見えました。

そして、私は質問の用紙を彼女に手渡しました。
それを書いてもらいながら、話を進めます。

彼女はお父さんに会ったことがないと言います。
自分が何歳のときに両親が離婚したのかも知らないと言います。
しかし、離婚の事実は知っています。


『お父さんについて知っていることはある?』
「会ったことも聞いたこともない、だからわかんない。」

『知りたい、って思ったことはある?』
「知りたいとは何度も思った。小学校の時も今も、
 何で自分にはお父さんがいないのかわからない。
 でも聞かない、お母さんが怒るし可哀想だから」

彼女は続けます。

「でも、父親いなくてよかったと思う。」
『そうなの?どうして?』
「え、だって、友達が父親はウザいって言ってたし。」

私は胸が痛みました。
彼女が言わなくてもわかることがありました。
それは、彼女が父親のいないことを受
けとめようとしていることです。
けれど、それには理由が必要だから、
友達から言われたことをそれにして、
今までの葛藤を戦ってきたということ。


彼女は親や大人に対してこう思っているそうです。
「大人って馬鹿だなって。ウチらが何も知らないと思ってさ。
馬鹿な大人にはなりたくない。」

この言葉は全ての親に伝えたいものの一つです。

そう、子どもたちは親が思う以上にいろんなものを感じ取り、
いろんなことを考えています。
しかし育ててくれた親を認めようと、感謝しようとしています。


彼女はお母さんとの喧嘩がよくあると言います。
それでも、彼女の夢は

「看護師になること。お母さんみたいに」

かけがえのない親の存在はかわらないのです。


でも一つだけどうしても知りたいことが彼女にはあります。
これは彼女の知りたいことの全てでもあります。


「離婚するならなんで結婚したのかなー。」


その通りです。
離婚家庭の親からすれば耳の痛い話かもしれません。
しかし、それが子どもたちの本音です。

離婚するなら結婚しなければいい。
安易に結婚に踏み切る前に、きちんと考えなければならない。
犠牲者は離婚する当事者だけでなく、その子どもたちでもあります。


なぜ子どもたちが親の離婚と戦わなければならないのでしょうか。
子どもたちは両親に必死で向き合おうとしています。
子どもたちに向き合っている親は、
果たしてどれだけいるのでしょうか。



最後に、彼女が言ってくれた一番深い一言を紹介します。



「でもさ先生、お母さんとお父さんがいなかったら、
 ウチ、いないんだよね。」




ケース1 離婚母子家庭~隠された裏切り~

2010-01-09 10:51:25 | 日記
アンファン宣言の取材活動、

第1回目は 私、新川あすながしてきました。

今回取材をしてきたのは9歳と6歳の元気な姉妹


両親は2年前に突然の離婚、お母さんに引き取られ現在は母子家庭です。

私は取材をする前に、お母さんからどうして離婚に至ったのか?
を聞いていました。

それは仲の良かった家族を突然襲った“お父さんの浮気”

お父さんは“彼女”を作り家族ではなく“彼女”を選びました。

それを子ども達はすべて知っているといいます。

そして、その“彼女”にも会ったことがあると。

9歳のお姉ちゃんがゆみかちゃん
6歳の妹ちゃんがあいこちゃん

お母さんに似た、明るい元気な女の子です。
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まず、2人に質問を書いた用紙をわたして取材をしました。
妹のあいこちゃんも「私も書きたい!」と言ったので
書かせていると、

Q1.あいこちゃんの家族を教えてください。
の項目にお父さん、お母さん、お姉ちゃんの似顔絵を描いて
いました。

それを見たゆみかちゃんは
「わたしにはお父さんはいないの。かぞくは3人
とすかさず発言。

「なんで?お父さんいるじゃん」とあいこちゃんが反発すると

ゆみかちゃんは少し怒ったようなきっぱりした口調で
「りこんしたから関係ないじゃん」と言いました。

「今はゆみかちゃんにとっての“家族”は3人なんだ?」
と聞くと

「うん。それがいい」
「ママはやさしいし良く育ててくれるしママがいい」

「パパだと変なとこで怒るし仕事で家いないし」

「じゃあ、りこんしてどう思った?」
の質問には

「あたしはママがよかったしお父さんとはあんまり仲良し
じゃなかったからよかった」

「3人のほうが賑やかになったかな」
ととにかく今の生活がよかった。ということを強調していました。

でもお母さんからは仲良しな親子、家族だったと聞いていました。

あいこちゃんがパパに対して“家族”という言葉を使ったとき
ゆみかちゃんがとてもつよい口調で否定したのを私はすごく驚きました。

と同時になんだかいたたまれない気持ちになりました。

「パパは家にひとりでいるの?」
「うーんと、今付き合っている子と」
「パパの新しい彼女?」
「うん。」

「嫌じゃない?」
残酷だけど聞いてみました。だって、面会交流にその彼女も
一緒についてくるというんです。


「嫌!」
と即答したゆみかちゃんの顔は「わたしにはお父さんはいないの!」
と言ったときと同じ怒ったような悲しいような表情でした。

「お父さんとお母さんがなんで離婚したかって言われた?」

「うん。隠してパパとみほちゃんが付き合ってたから
それで怒った」

「ゆみかちゃんはどう思う?」

「私は隠すのは嫌だった、隠したらダメだと思う」

ここまで聞いて、ゆみかちゃんが必死に“お父さんの思い出”
を悪いものにしようとしてること。

家族からは忘れようとしてること。

これでよかったと納得しようとしてることがわかりました。

最近はあまりお父さんにも会ってない。と言っていました。

お父さんは娘たちとの面会の際には“みほちゃん”という
大学生の彼女を連れてくるそうです。

でもゆみかちゃんがお父さんの彼女を「嫌!」と即答したように
ほんとうは会いたくないんじゃないでしょうか。

というか、そんなの当たり前

私からしたら信じられません。

今、あいこちゃんはまだ小さくてお父さんの思い出も
楽しいものみたいです。

ゆみかちゃんは必至にお父さんを「関係のない人」
にしようとしています。

二人がこれから成長していく課程の中で
良かったはずのお父さんの思い出も、家族の思い出も
消さなければいけないんでしょうか。

お父さんの彼女と共に、もっとお父さんを憎むように
なるんじゃないでしょうか。

そのとき二人はもっと絶望して怒りが湧くんじゃないでしょうか。

彼女をつくって家族を捨てただけでも裏切りなのに
面会交流に彼女を連れてくるなんて

その無責任な行動はどこからくるの?

そう思ってやりきれなかったです。

二人はごく普通の元気な女の子で

お母さんのお手伝いもよくする偉い姉妹です。



1日一緒に過ごしてみての取材でしたが

取材のときに一番感じたのは

子どもは今の状況をどうにかして受け入れようと
幸せに思うようにしていること。

その姿はもう見たくないなって思いました。










アンファン宣言 始動!!

2010-01-09 10:18:14 | 日記
みなさん改めまして初めまして。


そして

明けましておめでとうございます

アンファン宣言始動します。
NPO法人ウインク新川あすなです。

アンファン宣言の主旨と活動内容、私たちのプロフィールは
ページをご覧いただければご理解いただけると思います。

今後この取材記事ブログで

貧困家庭(または親に恵まれなかった)の子どもたちへの
取材記事を配信していきます。

更新日時は毎月2回

10日と20日です

10日は私、新川あすな

20日は、光本歩

が交互にアップしますね

新年からの新しい活動

みなさん応援してくれたら嬉しいです

昨年より少しづつ取材を行っていました。
過去記事はこちらからhttp://ameblo.jp/t-wink/
(9月あたりから~思いの輪~という題で4回ほどちょろちょろ書いてます)

それでは簡単ではございますが、ご挨拶まで。

今週10日からの記事をお楽しみに。