土9(NHK)「今ここにある危機とぼくの好感度について」全5話、あっという間に終わってしまいました。
5話ともほぼリアルタイム(時々追っかけ再生)で観るくらい、とても気になりながら観ていました。
そして、観終わると疲れて脱力してしまって、土10(日テレ)「コントが始まる」を観る元気がなくなって翌日回しになってしまうという5週間でした
ブラックコメディーとのことでしたが・・・
確かにブラック
コメディ要素もあったにはあった(笑)
でも、「リーガルハイ」などとは違って、茶化したり大げさに演出する部分は少なく、
静かに大きいブラック感が立ちこめている中で たまに笑う部分があるというか、
笑う部分も、吹き出して笑ってしまう部分の他に、「笑う部分なのだろうけど笑いきれない」という何か過去に思い当たる体験を思い出して笑うに笑えないというか・・・
そんなブラックコメディで、凄い作品だったなと思いました。
それにしても帝都大の理事たちは、本当に腐っていましたね・・・
神崎真(松坂桃李)をアレルギー検査に行かせたけど、付属病院に手を回して全く違う検査結果を提示して「異常なし」と思わせるとは
人命軽視も甚だしくて、実際の世界ではそういうことはないと信じたいものですが、ごくたまに「医師による隠蔽」というニュースも聞いたことがあるような・・・。
第4話で三芳総長(松重豊)が、自分の組織を信じれない的な発言をしていましたが、それが悲しい現実に
そして、隠蔽が確実だと知った三芳総長が更に
「理事たちが口を割るとは思えん。またエビデンスがないだの邪推だのとシラを切ろうとするのは目に見えてる。しかし、これで逃すと最後だ。次はより巧妙な隠蔽工作を仕掛けてくる」
と神崎に話していましたが、その通りに
問題の蚊・サハライエカが会議室内に飛んでいると思って大慌てで逃げていく理事たちや、失神する鬼頭理事(岩松了)の姿は滑稽でしたが
それでも須田理事(國村隼)は主催者の市長に手を回して、次世代科学技術博覧会が中止にならないよう、サハライエカの流出の公表をしないよう圧力
諦めの境地に至った神崎に向かって新聞部の大学生・望月耕介(坂東龍汰)が
「そのためには何人かは犠牲になってもいいってことなんですか?クソじゃないですか、そんな社会!」
と言い放って、分かる!と思ったけど、
それに続く神崎の
「そうだよ!クソだよ!今気づいたの?世の中ってのはね、そういうもんなの。負け組は負けるしかないし、少数派は多数派の犠牲になるしかないんだよ!だから、だから好感度なの!君たちバカにしてるけどさ、このクソ社会に出てみろよ。俺みたいに何の取り柄もないヤツは、片っ端から忖度しまくって、こびへつらいまくって好感度上げるしか生き残る方法なんかないんだから!愛なんか・・・何の役にも立ちゃしないんだから・・・」
という言葉も、悲しいけど分かるような・・・。
いくら立ち向かってもかなわないような敵っていますよね・・・。
こびへつらうまではいけないけど、ニコニコしながら相手の表情を見て忖度して、言えそうな所までは言ってみたりはするけど、先のことを考えると言いたいことの全部は言い切れない時のもどかしさ・・・
そんなモヤモヤしていたところに澤田教授(池田成志)が
「みのりから相談があってさ。アイツが信頼しているのはやっぱ俺だけだから」
「出たぞ、結果。教えてやってもいいけどその前に、みのりが一番信用してるのは俺だってことを認めろ!」
と神崎を煽っている場面が出てきて、そこでは大笑いさせてもらいました
いやぁ・・・本作の池田成志さんには、本当に何回も笑わせてもらって、息詰まったところを救われました
足立准教授(嶋田久作)との幼馴染コンビも、なかなか良かったです
木嶋みのり(鈴木杏)と澤田教授と足立准教授と新聞部員との連係プレーで、エビデンスを得た神崎は三芳総長に会って
「もし例の蚊が本当にうちの研究室が原因で生まれたって証拠があるとしたら、先生はそれを入手したいですか?だって、もしそれが手に入ってしまったら、その瞬間に帝都大の責任は決定的になるってことで、手に入らなかったら次世代博がぶち壊しになることも、先生は責任を取る必要もありません。それでも先生は証拠を手に入れたいと思いますか?」
と尋ねた時の、三芳総長の言葉が素晴らしかったです。
「うん、思う。
『必ずや名を正さんか』…論語にこんな話があるんだよ。
ある時弟子が孔子に尋ねた『もし先生が政治をなさるとしたら、まず何をなさいますか?』
すると孔子が答えて言うんだ『必ずや名を正す』
これには色んな解釈があるんだけど、俺にはあの…彼女のに近いんだよ。お前の例の元カノ!
お前がかつて聞かせてくれた録音があったろ?
『私だってこんなコトしてそれでどうなるのとも思うよ。だけど、やらないよりマシだから。例えば病気が重くて死にかけてるなら、まずそれを認めるしかないじゃん。どんなに嫌でも、病名を知らなきゃ、治療だって始まらないじゃん』
問題には正しい名をつけなければ、それを克服することはできない。
蚊の流出が真実なら、どんなに辛くてもそれを証拠不十分と言い換えてはならないんだよ。
私は学者だ。
誇りを持って孔子の教えに従うまでだ」
私は、これを聞いて、2019年末~2020年1月に中国の武漢で謎の肺炎が流行り始めた時のことを思い出しましたが・・・
未だに真実は明らかになっていないですよね。。。
もしどこかで何かが流出した結果なのなら、責任問題より何よりも先に「こういう経緯でこういうものが流出してしまいました」ということを正直に話していただけたらと思うのですが・・・・・・・・・・・・
それとともに、今は変異株情報など、世界的にもっともっと盛んに情報を共有しあってほしいものです。。。
話をドラマに戻しまして・・・
「人命には代えられない」として、事実の公表と謝罪会見をすると理事たちに話す三芳総長でしたが、それでも反対する理事たち
特に須田理事は「帝都大の信用が地に落ちますよ!・・・(資金面でも)間違いなく帝都大は存続の危機に陥りますよ!」と反対しますが、
三芳総長がカッコ良かった
「大学は営利団体ではない。
真理探究の場であり、教育機関です。
その名に恥じない選択をしなければならないと私は思っています・・・(中略)・・・
私は現実を見ています。
帝都大学は過ちを犯した。
故にしかるべき責任を取らなければならない、これが本当の現実です。
確かに競争は熾烈です。
しかし、だからこそ我々はこのまま生き残っていけるとは、私にはどうしても思えないのです。
なぜなら我々は、腐っているからです。
皆さん、もうお気づきでしょう。
我々は組織として腐敗しきっています。
不都合な事実を隠ぺいし、虚偽でその場をしのぎ、それを黙認しあう。
何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに、我々はお互いを信じあうことも、敬いあうこともできなくなっていることです。
お互いに信頼も敬意も枯れ果てたような組織に、熾烈な競争を生き残っていく力などありません。
もし本当にそれを望むなら、我々は生まれ変わるしかない。
どんなに深い傷を負うとしても、真の現実に立ち向かう力、そしてそれを乗り越える力、そういう本当の力を一から培っていかなければならない、たった今から!
おそらく長く厳しい戦いになる。
これはその第一歩です」
「何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに、我々はお互いを信じあうことも、敬いあうこともできなくなっていることです」という言葉が、私は一番深く刺さりました・・・。
広く政府と国民のことを思い起こす人もいらっしゃるでしょうし、自分の所属する/所属したことのある組織について思い起こした人もいらっしゃるかも・・・。
私も「隠蔽はダメ」ということを学んだ職場にいたなぁ・・・と思ったり(!?)
テレビのコメンテーターの話もサラッとドラマに盛り込まれていましたが、
「誰かの失敗を我々が叩けば叩くほど、隠蔽は増えていく。厳しく罰しさえすれば状況が改善する訳では決してない。問題はそう単純なものではないんです」
それもそうなんだよな・・・と、本当に細部に渡って素晴らしい言葉が詰め込まれた最終回に、
感動と共にドッと疲れた土曜日の夜10時でした
本当は最終話以外にも書き残したい言葉はたくさんあったのですけどね・・・
いろいろとまだ余裕がなくて、最終話のみの記事でゴメンナサイ
松坂桃李君の抜け感が絶妙で、素晴らしかったです!
そして、神崎の目線で理事会の様子を俯瞰的に、時には当事者のように見たりなど、様々な角度でドラマを観ることができて良かったですし、
理事たちの老獪さが凄すぎて、名バイプレイヤー達の「これでもか!!」という熱演に満足感&満腹感に包まれ、
三芳総長の変貌ぶりに感動して拍手喝采し、
みのりや新聞部の大学生、教授陣それぞれもキャラクターが立っていて、
本当に見どころ満載のドラマでした!!
ある意味ブラックが濃くて、ドキドキすることも多かったですが、このドラマを観ることができて本当に良かったです!
素晴らしいドラマをありがとうございました!!
←web拍手です。
5話ともほぼリアルタイム(時々追っかけ再生)で観るくらい、とても気になりながら観ていました。
そして、観終わると疲れて脱力してしまって、土10(日テレ)「コントが始まる」を観る元気がなくなって翌日回しになってしまうという5週間でした
ブラックコメディーとのことでしたが・・・
確かにブラック
コメディ要素もあったにはあった(笑)
でも、「リーガルハイ」などとは違って、茶化したり大げさに演出する部分は少なく、
静かに大きいブラック感が立ちこめている中で たまに笑う部分があるというか、
笑う部分も、吹き出して笑ってしまう部分の他に、「笑う部分なのだろうけど笑いきれない」という何か過去に思い当たる体験を思い出して笑うに笑えないというか・・・
そんなブラックコメディで、凄い作品だったなと思いました。
それにしても帝都大の理事たちは、本当に腐っていましたね・・・
神崎真(松坂桃李)をアレルギー検査に行かせたけど、付属病院に手を回して全く違う検査結果を提示して「異常なし」と思わせるとは
人命軽視も甚だしくて、実際の世界ではそういうことはないと信じたいものですが、ごくたまに「医師による隠蔽」というニュースも聞いたことがあるような・・・。
第4話で三芳総長(松重豊)が、自分の組織を信じれない的な発言をしていましたが、それが悲しい現実に
そして、隠蔽が確実だと知った三芳総長が更に
「理事たちが口を割るとは思えん。またエビデンスがないだの邪推だのとシラを切ろうとするのは目に見えてる。しかし、これで逃すと最後だ。次はより巧妙な隠蔽工作を仕掛けてくる」
と神崎に話していましたが、その通りに
問題の蚊・サハライエカが会議室内に飛んでいると思って大慌てで逃げていく理事たちや、失神する鬼頭理事(岩松了)の姿は滑稽でしたが
それでも須田理事(國村隼)は主催者の市長に手を回して、次世代科学技術博覧会が中止にならないよう、サハライエカの流出の公表をしないよう圧力
諦めの境地に至った神崎に向かって新聞部の大学生・望月耕介(坂東龍汰)が
「そのためには何人かは犠牲になってもいいってことなんですか?クソじゃないですか、そんな社会!」
と言い放って、分かる!と思ったけど、
それに続く神崎の
「そうだよ!クソだよ!今気づいたの?世の中ってのはね、そういうもんなの。負け組は負けるしかないし、少数派は多数派の犠牲になるしかないんだよ!だから、だから好感度なの!君たちバカにしてるけどさ、このクソ社会に出てみろよ。俺みたいに何の取り柄もないヤツは、片っ端から忖度しまくって、こびへつらいまくって好感度上げるしか生き残る方法なんかないんだから!愛なんか・・・何の役にも立ちゃしないんだから・・・」
という言葉も、悲しいけど分かるような・・・。
いくら立ち向かってもかなわないような敵っていますよね・・・。
こびへつらうまではいけないけど、ニコニコしながら相手の表情を見て忖度して、言えそうな所までは言ってみたりはするけど、先のことを考えると言いたいことの全部は言い切れない時のもどかしさ・・・
そんなモヤモヤしていたところに澤田教授(池田成志)が
「みのりから相談があってさ。アイツが信頼しているのはやっぱ俺だけだから」
「出たぞ、結果。教えてやってもいいけどその前に、みのりが一番信用してるのは俺だってことを認めろ!」
と神崎を煽っている場面が出てきて、そこでは大笑いさせてもらいました
いやぁ・・・本作の池田成志さんには、本当に何回も笑わせてもらって、息詰まったところを救われました
足立准教授(嶋田久作)との幼馴染コンビも、なかなか良かったです
木嶋みのり(鈴木杏)と澤田教授と足立准教授と新聞部員との連係プレーで、エビデンスを得た神崎は三芳総長に会って
「もし例の蚊が本当にうちの研究室が原因で生まれたって証拠があるとしたら、先生はそれを入手したいですか?だって、もしそれが手に入ってしまったら、その瞬間に帝都大の責任は決定的になるってことで、手に入らなかったら次世代博がぶち壊しになることも、先生は責任を取る必要もありません。それでも先生は証拠を手に入れたいと思いますか?」
と尋ねた時の、三芳総長の言葉が素晴らしかったです。
「うん、思う。
『必ずや名を正さんか』…論語にこんな話があるんだよ。
ある時弟子が孔子に尋ねた『もし先生が政治をなさるとしたら、まず何をなさいますか?』
すると孔子が答えて言うんだ『必ずや名を正す』
これには色んな解釈があるんだけど、俺にはあの…彼女のに近いんだよ。お前の例の元カノ!
お前がかつて聞かせてくれた録音があったろ?
『私だってこんなコトしてそれでどうなるのとも思うよ。だけど、やらないよりマシだから。例えば病気が重くて死にかけてるなら、まずそれを認めるしかないじゃん。どんなに嫌でも、病名を知らなきゃ、治療だって始まらないじゃん』
問題には正しい名をつけなければ、それを克服することはできない。
蚊の流出が真実なら、どんなに辛くてもそれを証拠不十分と言い換えてはならないんだよ。
私は学者だ。
誇りを持って孔子の教えに従うまでだ」
私は、これを聞いて、2019年末~2020年1月に中国の武漢で謎の肺炎が流行り始めた時のことを思い出しましたが・・・
未だに真実は明らかになっていないですよね。。。
もしどこかで何かが流出した結果なのなら、責任問題より何よりも先に「こういう経緯でこういうものが流出してしまいました」ということを正直に話していただけたらと思うのですが・・・・・・・・・・・・
それとともに、今は変異株情報など、世界的にもっともっと盛んに情報を共有しあってほしいものです。。。
話をドラマに戻しまして・・・
「人命には代えられない」として、事実の公表と謝罪会見をすると理事たちに話す三芳総長でしたが、それでも反対する理事たち
特に須田理事は「帝都大の信用が地に落ちますよ!・・・(資金面でも)間違いなく帝都大は存続の危機に陥りますよ!」と反対しますが、
三芳総長がカッコ良かった
「大学は営利団体ではない。
真理探究の場であり、教育機関です。
その名に恥じない選択をしなければならないと私は思っています・・・(中略)・・・
私は現実を見ています。
帝都大学は過ちを犯した。
故にしかるべき責任を取らなければならない、これが本当の現実です。
確かに競争は熾烈です。
しかし、だからこそ我々はこのまま生き残っていけるとは、私にはどうしても思えないのです。
なぜなら我々は、腐っているからです。
皆さん、もうお気づきでしょう。
我々は組織として腐敗しきっています。
不都合な事実を隠ぺいし、虚偽でその場をしのぎ、それを黙認しあう。
何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに、我々はお互いを信じあうことも、敬いあうこともできなくなっていることです。
お互いに信頼も敬意も枯れ果てたような組織に、熾烈な競争を生き残っていく力などありません。
もし本当にそれを望むなら、我々は生まれ変わるしかない。
どんなに深い傷を負うとしても、真の現実に立ち向かう力、そしてそれを乗り越える力、そういう本当の力を一から培っていかなければならない、たった今から!
おそらく長く厳しい戦いになる。
これはその第一歩です」
「何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに、我々はお互いを信じあうことも、敬いあうこともできなくなっていることです」という言葉が、私は一番深く刺さりました・・・。
広く政府と国民のことを思い起こす人もいらっしゃるでしょうし、自分の所属する/所属したことのある組織について思い起こした人もいらっしゃるかも・・・。
私も「隠蔽はダメ」ということを学んだ職場にいたなぁ・・・と思ったり(!?)
テレビのコメンテーターの話もサラッとドラマに盛り込まれていましたが、
「誰かの失敗を我々が叩けば叩くほど、隠蔽は増えていく。厳しく罰しさえすれば状況が改善する訳では決してない。問題はそう単純なものではないんです」
それもそうなんだよな・・・と、本当に細部に渡って素晴らしい言葉が詰め込まれた最終回に、
感動と共にドッと疲れた土曜日の夜10時でした
本当は最終話以外にも書き残したい言葉はたくさんあったのですけどね・・・
いろいろとまだ余裕がなくて、最終話のみの記事でゴメンナサイ
松坂桃李君の抜け感が絶妙で、素晴らしかったです!
そして、神崎の目線で理事会の様子を俯瞰的に、時には当事者のように見たりなど、様々な角度でドラマを観ることができて良かったですし、
理事たちの老獪さが凄すぎて、名バイプレイヤー達の「これでもか!!」という熱演に満足感&満腹感に包まれ、
三芳総長の変貌ぶりに感動して拍手喝采し、
みのりや新聞部の大学生、教授陣それぞれもキャラクターが立っていて、
本当に見どころ満載のドラマでした!!
ある意味ブラックが濃くて、ドキドキすることも多かったですが、このドラマを観ることができて本当に良かったです!
素晴らしいドラマをありがとうございました!!
←web拍手です。