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レトロ電子工作

電子工作はじめました!
基本的な所からゆっくりゆっくり進めていきます

回路図の描き方

2019年08月27日 06時30分08秒 | 回路
電子工作を楽しむために、ぜひとも揃えておきたい、使えるようになっておきたい物の1つが、「回路図CAD」です。
 私が 普段使っているのは、水魚堂 さんのフリーソフト
    BSch3V (ビー・スケッチ) です。


 インターネットのアドレス  URL:

このソフトには 本当にお世話になっていて、作者の岡田さんには 感謝の言葉しかありません。 使い方が非常にシンプルで、それほど説明 無しでも 使いこなす事ができるようになりましたし、ちゃんと「使える」回路図 専用のCADです。 部品も自分で作る事が出来るので、かなりの数の部品を作って、使っています。 (部品作成は LCoV.exe:とりあえず この2つの使い方をマスタすれば 大抵の回路は描けます)
 Win7でもWin10でも 問題無く使えるし、これまでにバグらしいバグに遭遇していない とても完成された優秀なフリーソフトといえます。 とにかく、良い仕事してます。(笑)

現在(令和元年)の最新バージョンが、BSch3Vは、0.83.01 です。
ここ ↓ から ダウンロードできますし、

使い方の簡単なマニュアルも ここにあります。

このCADを使っての、私なりの回路図の描き方を書きたいと思います。

それには何か具体的な「題材」があった方が 分かりやすいと思うので、現在 改良・加工している 「I/O BOARD」を例に使いたいと思います。
これを作った方も、趣味で(なのか?) 電子工作をされていて、基板を(ちゃんとしたアートワークで)作成し、ヤフオクで生基板を売っています。
インターネットで回路図まで公開してくださっているので、非常に助かります。 回路図は ↓ ここ。

 URL:

 この人が使っているCADは、CadSoft社の「EAGLE」らしく、これはアートワークで基板化するのに優れています。 実際に基板を発注するのは「FUSION PCB」という会社だそうです。 今度、私も使ってみたい!
 (さらに ブログやWebページで 製作記事を公開してくれていますし、リンクも自由に張って良いとのことです。 こういったボランティア精神の高い方がいるのは 本当にありがたいことです)


この回路図を BSch3Vを使って、私が書きなおすと こう ↓ なります。

おそらく  細かくて見えないですね? 画像を拡大して見えれば良いのですが(・・・ 画像ファイルを何処かに共有する方法は gooブログには 無いのかな?)
 これを 部品実装した 基板の実物↓


ともかく、何が違うかと云うと・・・
私の場合は、部品の実体配置に できるだけ忠実に回路図を描いている・・・ ということです。
  部品番号から必死に部品の位置を探さなくとも、だいたいの配置が回路図と実基板とで 合っているので、動作確認の時も楽が出来ます。

 ”先に 実物があるから 回路図を合わせられるだけでは?” と クレームが入りそうですが、私の場合 回路を基板にする際は、使う部品の形・大きさをコピーにとって、それを切り抜き 基板に配置して 位置を決めながら 回路図を設計します。 だから、新たに設計した回路でも 部品配置と回路図の部品の位置がかなりシンクロします。
 アートワーク設計自体は それ専門のプロに任せるのですが、そのアートワーク屋さんに 回路図をもって 部品配置のデザインの意図を伝えられるように考えて CADを使っています。

 そうすると、「部品の陰になってLEDが見えづらい」なんて事は避けられますし、基板の大きさに部品が入らない・・・なんてことも まず 起きません。

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 Appleの創業者:
スティーブ・ジョブズ 曰く、
 回路基板の見た目が 美しくないのは、回路の設計自体が美しくないからだ・・・ 「この基板は 見た目が 美しくないから、アートワークをやり直せ!」 と言ったとか・・・
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 ユニバーサル基板を使って、手作りで試作の回路を組む、手半田で配線する、そんな場合でも 
 先に回路図を描いておき、それを A3の紙に印刷し、配線完了した線を 赤い色鉛筆でなぞって消して行きます。 そうすれば、「配線忘れ」や「配線ミス」がかなり 防げて、1発で思っていた通りに回路が動きます。
 今回、この I/O BOARDを拡張し、「S1モジュール」っぽく改造します。
ただ、コネクタを追加するだけなのですが、回路図を描いてみたら 結構大変そうです。 こんな感じ ↓ 

 中央の点線の中が オリジナルの「I/O BOARD」で、その周りの回路が下基板に 作る 「変換コネクタ」との接続部分です。 (ますます 細かすぎて 見えないかもしれません)

 とにかく、もう少し 使いやすくしたいと考えています。
 ただ、配線の手間がすごい・・・
 最初から 自分 で 全部 手作りで作った方が早かったかもしれない。(笑)
 
 回路図 欲しい人は 連絡ください。 
 私もボランティア精神で すべて公開します。

ーーー  昔話を少し・・・
 昔は、回路図を描くのに OrCAD(オア キャド)という 有償のCADを使っていました。 十数万円もする高額なソフトで、個人ではとてもでは買える代物ではありませんでした。 それもプリンタポートやシリアルポートに「アクセス・キー」なる装置を付けないと起動すらしない=PC1台でしか動かせない、プロテクトがガチガチのソフトだったのです。
 その後、Protel(プロテル)という回路図CADも使いました。 これも 結構な金額がするソフトです。 しかも 高機能な分、使い方がなかなか難しい。
 それが 今では、BSchをはじめとする、高機能で十分 実用的に使えて、かつ フリーで入手できる 回路図CADがいくつもあります。

 ・・・ 良い時代になったものです。



S1モジュール(仕様)の基本

2019年08月17日 06時30分14秒 | 回路
昨日 紹介した 「ピンソケットによる テストLEDモジュール」のような
 シングル・ライン(1列)のソケットを用いたテストモジュールの事を
   【 S1モジュール : エス・ワン・モジュール】
 と名付けることにしました。(シングル=Singleを本だけ使用したモジュール) 何かしら名前があった方が呼びやすいので。

 その基本形として 1ビットの信号の Hi/Lowを1個のLEDで確認するためのモジュールを以下に説明します。 回路図は ↓ こんな感じ。

 これまで通り、
  1番ピン   +5V
  2番ピン    GND
  3番目以降が 「信号」。・・・とします。

ここでは3番のピンの信号名を D0 とし、そこにLEDを付けています。
その実物の写真が ↓ これです。
 3ピンソケットに小さな基板
ここでも1番ピンが分かるよう 1番側の基板を削って目印にしています。 もしくは、1番側に赤い印を付けることにします。
3番ピンに(例えば /RESET)信号がつながるよう配線しておき、その信号がLowならLEDが点灯するので 信号がONになった事がわかります(負論理)

基板側の工夫:
 基板側にはピンヘッダを付けておくのですが、ここでもどちら側が1番ピンなのか分かるようにしておかないといけません。 1番ピンを区別するアイデアとしては、マジックで赤い点を付けておくのが一番 簡単ですが 色が消えてしまうことがあります。

もう1つの案として、1番ピンだけを少しだけ(0.5mm~1mm)短くしておき ピンの長さで区別する方法です。 「+5Vが短い」というのは逆のようなイメージをもたれる(「プラスが長い」方がイメージ通り)かもしれませんが、モジュールを刺した時、先にGNDと接触し 最後に+5V電源に触れる方が、回路的にも壊れにくく、安全です。
ただ、この加工もなかなか面倒ですので、たとえばちゃんと基板をアートワークしパターン化する場合なら、シルクで白い△(三角)マークを1番ピンに付けるものとします。  手ハンダで配線する手作り回路の場合は、シールで赤い▲三角を1番ピンに貼り付けるものとします。

このピンヘッダ(PH-1)は、基板に入るところも含めたピンの全長が 11.6mmある(基板上部に飛び出ている部分が 5mm~6.1mmある)長さが「長め」のピンです。 もっと短い(ピンの全長が9mm)基板上部に飛び出ている部分が 4mmというタイプの部品もあります。 (  ↓ 奥が「長め」、手前は「短め」のピンの例)

4mm出ていればちゃんとピンソケットと接触するので問題ありません。
 よって、1番ピンは4mm程度、それ以外は5mmの長さのまま使うことを基本とします。(この加工が面倒でなければ…です)
  ハンダ付けする前に、ニッパーなどの工具を使ってピンを無理やり引っ張って 1番ピンだけ長さを短くしておきます。 半田コテの熱をピンに充てておくと土台のプラスチックが軟らかくなり、比較的 簡単にずらせます。 (ハンダ付けしてから やると基板のランド(銅箔)が取れてしまったりするので注意)

 部品選びの注意点として、ピンの太さを間違えないようにすること! このPH-1はピンが0.64mm角です。 これならしっかりと接触しますが「細ピン」と呼ばれる0.5mm角のピンも売られています。(PHA-1??)  これでは ゆるゆるで接触不良を起こします。(ブレッド・ボードに刺すには この「細ピン」の方が良いのですが・・・)


 ここで 写真入りで紹介した LED1個だけのS1モジュールですが、1ビットの信号を確認するために 3ピンも必要となるのは、 けして効率のいいものではありません。 よって 通常は1モジュールに2ビット以上 まとめることをお勧めします。 (2ビット仕様なら4ピン必要:これなら まだ許せる)
 通常は、昨日 紹介ような 4ビット(=6ピン)や 8ビット(=10ピン)でまとめて確認するモジュールを作った方が効率的です。 

 これらも 1列のシングル・ソケットを1本だけ使ったモジュールなので、総称して 「S1モジュール」 と呼ぶことにします。


■ S1モジュールのルール:
 ○  シングル(1列)ソケットを(1本だけ)孫基板側に使ったモジュールを 「S1モジュール」と呼ぶ
 ◎ 1番ピンを+5V、2番ピンをGNDにする。(3番ピン以降は自由に使用)



ピンソケットによる テストLEDモジュール

2019年08月16日 06時20分19秒 | 回路
今回は 角型の「ピンヘッダ」と「ピンソケット」を使った提案です。
 【テストLED】への 拡張、確認できる信号のビット数を 4ビット→8ビットと増やして行きたいと思います。 実は この「8ビット版のテストLED」は、実際の回路設計・回路の動作テストの際に 大変便利に使っています。


まずは、4ビットタイプの物 ↓ から見て行きましょう。

6ピンのピンヘッダソケットを基板側に半田し そこ ↓ に挿して 使います(奥側)
 1番ピンは+5V、2番ピンはGNDまでは、前の1個だけのLEDのモジュールと同じです。 3~5番ピンが、それぞれ確認したい信号です。

1番ピンの5Vから 4.7KΩの抵抗を通して、各LEDのカソードにつなぎます。
(今回、2番ピンのGNDは使いません) 本当なら4素子の集合抵抗を使いと良かったでしょう。(ハンダが汚いのは目をつむってもらって・・・笑)
 3番~5番ピンの各信号が、Hiなら消灯、LowならLEDが点灯するという「負論理」での テストLEDとして使えます。 
 超高輝度LEDを使うと、制限抵抗が4.7KΩ(電流にして1mA程度)でも十分 認識出来る程度に光ります。


これをさらに拡張して、基板上には10ピンのピンヘッダをハンダ付けしておいて使います。 (2つ前の写真の手前)
ここに LEDを8個乗せた小さな基板を作って挿します。
表側
LEDが大きいと ぎゅうぎゅう詰めですね? ま~「見た目」は我慢して。
反対側
ここはやはり面実装タイプのLEDを使うべきですね。

ピンの方向と LEDの配置は以下の通り。
8素子の集合抵抗 ↓ を使えば楽に配線できます。
0ビット目を大きなLEDにし、4ビット目も 分かりやすいように色を変えてみました。 これで 例えばCPUのデータ・ライン=8ビットの監視、確認ができます。

 さすがにここまで来ると、回路図が無いと分かりづらいですね?
 順次 公開して行きます



最初の回路・・・パイロット・ランプ(LED)

2019年08月10日 08時30分50秒 | 回路
基板には 44ピンのエッジコネクタを通して、+5V電源を供給します。
その際に、基板を逆に挿してしまっても 部品が壊れないよう… ちょっとした工夫をしておきます。
 コネクタの接続表を見ると ↓ 分かりやすいかもしれません。

1番・2番ピン に 「+5V」、3番・4番ピン に 「GND」をつないで電源を基板に供給しますが、その反対側 43番・44番ピン は 「空き」にしておき 何も接続しないようにします。 これなら 間違って基板を逆に挿しても +5Vが入らないので壊れません(というか 動作しません)
 GNDはできるだけ基板の左右どちらからも供給した方が、接触不良を防げます。 ただ、44ピンと数少ない限られたピン数なので できるだけ効率良くピン配置を使いたい、設計したいと思います。 今はこのまま進めます・・・

回路を全部完璧に設計し、全部を配線してから 一度に試すのではなく、まずは 超簡単な回路から始めます。
 この44ピンの接続が正しいかどうか?試すには、電源が投入されたらランプが点灯する回路を基板上に作っておけば良いはずです。回路図としては、こんな感じ ↓ まだ、何も無いに等しいですが・・・ これでも立派な回路です。(笑)
赤いLEDを1KΩの抵抗を通して 光らせているだけ。

これを実際に配線すると、
このDCジャックは、秋月電子のMJ-077N (中継ジャック)

ここに5VのACアダプタをつなぎ、
電源スイッチを オンすると、
        ↓
みごとランプが点灯しました。 これで電源が正しく来ている事が分かりますし、通電中に間違って配線を始めてしまうようなミスも防げます。

LEDには 1KΩ の抵抗を付けているので、わずか 4mA 程度しか流していません。(通常は 10~20mA流すもの) ただ、常時 点灯させておくものですし(節電の意味)、電気が来ているのが判れば良いだけの役目ですから 明るい必要性もありません。

 スイッチOnで → LED点灯・・・ たったこれだけの動きでも 「動作してる!」って感じがして 飽きずに続けられます。

  1つ、1つ 確実に
  簡単なところから確認していく!

  失敗しない秘訣です。