La selva bonita

ランダムウォークで気ままに,ガリレオ。
我々は流れ星のなりの果て。
El dia que me quieras.

リスクと向き合う 福島原発事故以降 中西準子

2015-08-30 22:27:17 | 日記
はじめに

第1部 福島原発事故に直面して
8月8日 チェルノブイル
全体の問題の専門家はいない
石棺は小さかった
命に限り愚ーどのように生き,死ぬか
1ミリシーベルトの意味
化学物質のリスク評価
放射線のリスク
がんのリスク
個人に降りかかるときのことを考えて


第Ⅱ部 時代の証言
逃げない,偏らないりスクの把握
父はゼロ番「死刑因」
拷問の夢に苦しむ
家族を救ったハンストー大連での子供時代
家計を支えるー小学校,中学校時代
新聞部,生徒会,弁論部-中学校時代
技術の中身を知りたいー理系という選択
黒い絹の衣装で論文発表
東大紛争のさなかの出産
下水処理場の「ウソ」を暴くー浮間下水処理場
「汚泥焼却で大気汚染」を発見ー小台処理場
企業の工夫で汚水削減ー田子の浦のヘドロから
霞ヶ浦で見たコイ大量死
父の死から,生き方を変える
「いい下水道」対案で説得
「個人下水道」いち早く
教授らが露骨な就職妨害
水問題で悩み,リスク論へ
米女性教授の励まし
アマゾン水銀汚染を調査
使用禁止,代替物にリスク
種の絶滅確率を指標に
ダイオキシンの発生源を探る
「絶対逃げない」評価書作り
訴えられる
安全評価も国際競争
2011年という年

おわりに

モミの木の形態異常の公表に想うこと

2015-08-29 23:01:50 | 日記
放医研の調査によるモミの木の形態異常に関する論文が公開された。
空間線量率が高い地域ほど,
高い形態異常の頻度が高いというものであるが,
放射線等との因果関係は今後の研究で解明されるとのこと。

4地域の調査林分では,
林冠は,地上高14~20mを構成しており,
調査モミの木は0.4~5mであることから,
高木層でない,低~中層を構成している集団である。

形態異常が観察された頂芽であるが,
原発事故に伴なう放射性降下物が,
経皮あるいは葉から吸収されたCsは,
頂芽に集中的に集まる性質がある。
また,調査木が若齢木のようであることから,
経根吸収している可能性もある。

これらの現象と並んで,
長期間にわたり,
電離放射線に曝された影響も大きい可能性も推察される。

ともかく,
このようなデータが公的機関から公表された意味は大きいと考える。
今後どのように展開していくか,
不安であるが。

科学的根拠に基づく公開された情報が,
「風評被害」などと中傷に晒されないことを願っている。
情報が公表されていくことによって,
今回の事故の後遺症の事実が,明らかにっていくと考える。

安全と安心の科学 村上陽一郎 著

2015-08-23 22:50:11 | 日記
まえがき

序論 「安全学」の試み
「安全」と「安心」への関心の高まり
自然の災害
人間が人間の安全を脅かす
人工物に脅かされる人間
社会構造の変化からくる不安
文明化の進展によって変わる疾病構造
戦後,死因の首位となった脳血疾患
社会によって異なる不安
こころの病
「安全」でも得られない「安心」
「安全」と「安心」の違い 安全ー危険 安心ー不安 満足ー不安

第1章 交通と安全ー事故の「責任追及」と「原因究明」
年間8千人犠牲者を出す交通事故
事故原因の究明が次の事故を防止する
航空機の「フール・ブルーフ」
「ナチュラル・マッピング」
「ヒヤリ」体験を活かす
常存するリスクを軽減化する試み
リスクの恒常性
事故を回避するハードウエア,ソフトウエア
「安全」へ導くインセンティヴの欠如
「責任の追求」と「原因の究明」

第2章 医療と安全ーインシデント情報の開示と事故情報
失敗(事故)から学ぶ
患者取り違い事件
医療現場に多い「取り違え」事件
ICタグを利用した患者の病歴・薬歴情報の管理
「人間は間違える」という前提
「フール・プルーフ」と「フェイル・セーフ」
医療の品質管理
医療の安全と薬害事件
「薬害事件」の背景
医療スタッフの安全の問題

第3章 原子力と安全ー過ちに学ぶ「安全文化」の確立
「科学者共同体」と専門知識
外部社会に利用され始めた専門知識
核分裂反応の利用
原子力発電所事故のカテゴリー分類
スリーマイル島原子力発電所事故
チェルビブイル原子力発電所事故
東海村JOC臨海事故
爆発と臨界反応
起こり得ないはずの事故
技術の継承,知識の継承
「過ちに学ぶ」ということ
「安全文化」とは
・常に疑問を持ち,それを表明する習慣を付けること
・厳密で思慮深い行動をとるには,何を心がけべきかを考える
・相互・上下の間のコミュニケーションを十分に円滑にすること
多重防護システム
機械は故障し,人間は過ちを犯す
「絶対安全」はない

第4章 安全の設計ーリスクの認知とリスク・マネジメント
リスク・マネジメントとリスク管理
人の意志とリスク
リスク認知の主観性
リスクと確率
予想と確率と心理的要素
リスクの定量化
リスクの定量化と損失・損害の定量化
リスク評価とはシミュレーション
起こり得ることの時系列上の連鎖
「人間不信」を前提とするサイバネティックスの考え方
絶え間ないリスク管理への配慮

第5章 安全の戦略ーヒューマン・エラーに対する安全戦略
ヒューマン・エラーにどのように備えるか
安全戦略としての「フール・ブルーフ」と「フェイル・セーフ」
「安全」は達成された瞬間から崩壊が始まる
ホイッスル・ブロウの重要性
ヒューマン・エラーが起こるときの条件
アフォーダンスに合っていること
回復可能性
複合管理システム
簡潔・明瞭な表示法
コミュニケーションの円滑化
褒賞と制裁
失敗に学ぶことの重要性

結び
「安全学」の育成と定着の急務
「安全学」のカリキュラム
リスク評価と予防原理
参加型技術評価(PTA)の方法

あとがき

砂時計の七不思議 粉粒体の力学

2015-08-14 21:48:00 | 日記
田口 善弘 著

はじめに

第一章 流れ落ちる
砂時計の七不思議
砂時計の原理
砂時計の砂はどう流れる?
目詰まりはなぜ起きる?
粉粒体の流れはなぜ一定か?
満員電車,再び
交通渋滞
1/fノイズ
雪崩
粉粒体の固体を維持する力
粉粒体に形があるか?
粉粒体が「融ける」とき
過加熱固体(?)としての粉粒体

第二章 吹き飛ばされる
縞模様の起源
風紋
砂の運動
風紋を作る
縞模様の起源,再び
風が作り上げる丘,砂山
重いものがなぜ上に来るか?
一度にどれくらい「融ける」か?
砂山と地震は関係があるか?-天災の法則

第三章 かき混ぜられる
パイこねの原理
粉粒体をかき混ぜる
水平面内のかき混ぜ
鉛直面内
混合物の分離ー大きさの違い
樋流れの中の分離
ホッパー流の中の分離
パイプの中で回る混合物の分離
エントロピー増大と宇宙の熱的死
生命の起源

第四章 吹き上げられる
液体とは何か
粉粒体の固体状態
風の中のひと粒ー無重量状態を作る
粉粒体の液体状態ー粉粒体の中で泳ごう
粉粒体の気体状態ー沸騰する粉
沸騰の先にあるものー雨が降る時

第五章 ゆすられる
対流する粉
流体における対流
粉粒体の対流とは?
下から熱して上から融ける
粉粒体の液体状態その2-重くても浮き上がる?
表面張力はあるか?-毛管現象
砂の中の音

第六章 粉粒体とは何か
粉粒体の物理学
物理学の目的ー現実認識の追求
物質主義の成立ーニュートンから素粒子物理まで
認識論における問題点ー物質主義と唯物論
物質主義の限界
統計力学の現実認識
散逸構造ー現実主義の復活
結局,何がわかっているか?
もっと知るにはどうするか?
なぜ,物理学は粉粒体理解できなか?
物理学は粉粒体を理解できるか?
物理学はどうなっていくか?
何をもって「わかった」とするか?

おわりに

リスク対リスク 環境と健康のリスクを減らすために

2015-08-12 21:17:31 | 日記
第1章 リスク・トレイドオフはどういうことか
1 リスクを減らす国民運動
この運動はどこまで成功するだろうか
2 リスク・トレイドオフという現象
リスクトレイドオフの具体的例
3 リスタ・トレイドオフ解析(RTA)の枠組み
リスク・トレイドオフを認知すること
リスク・トレイドオフのモデル化
リスクとリスクを計量する
<リスクの大きさ(確率)>
<集団の大きさ>
<リスク推定の確かさ>
<不利な結果の型>
<分配についての考察>
<リスク発生の時期>
全体としてリスクを減らす
4 リスク・トレイド解析(RTA)の応用

第2章 更年期障害に対するエストロゲン治療
1 更年期の健康リスク
2 エストロゲン補充治療法
3 エストロゲン治療の対抗リスク
子宮体ガン(子宮内膜ガン)
乳ガン
4 リスク対リスクの評価
5 結論

第3章 高齢ドライバーの運転免許問題
1 どの年齢でも危険か
2 ドライバーが高齢になるほど大きなリスクをもたらす理由
3 高齢ドライバーのリスクの低減のために
4 年齢を基準としないリスク低減へ向けて
5 運転する特権の差し止めに伴う対抗リスク
6 過失リスクの合理的許容限界は?
7 結論

第4章 ガソリンの節約と生命の救済
1 石油消費のいろいろなリスク
2 会議がデトロイトを統制する
3 CAFE(統合平均燃焼経済)の目標リスクへの強い影響
4 より厳しいCAFE立法のいろいろな安全リスク
5 CAFEはいろいろな安全リスクを無視する
6 安全の関心事,公になる
7 結論

第5章 魚を食べる
1 魚を食べることのすすめ
2 魚を食べることの健康利益
3 魚を食べることの対抗リスク
4 リスクの重みづけ
5 予防の戦略
6 リスクについて特別な住民と「魚に関する助言」
7 結論

第6章 安全な飲料水を求めて
1 安全な飲料水に欠かせないないもの
2 塩素消毒のリスク
3 塩素処理しない場合のリスクー病原菌による病気
4 塩素消毒による病原菌リスクの削減
5 塩素消毒の代替法
6 リスク対リスクの比較検討
7 リスク管理
8 結論

第7章 鉛のリサイクル
1 鉛のリサイクルに対するEPAの責務
2 EPAのリスク解析
鉛バッテリーのライフサイクル
被曝経路
放出低減
ヒト被曝の低減
子どもの大気中鉛被曝に関する結果
作業者の被曝に関する結果
地上被曝経路の結果
3 EPTの結果
4 結論

第8章 農薬の規制
1 アメリカの農薬規制
2 代替手段のリスク
3 マンネブの物語
4 ひとつのガン・リスクともうひとつのリスクとを交換するか?
5 ガン・リスクと他の健康リスクとを交換するか?
6 新しいリスクと古いリスクとを交換するか?
7 農薬のリスクと病害虫のリスクとを交換するか?
8 相対的効力
9 ひとつの農業と多数のものとを交換するか?
10 農業現場のリスクとそれより離れた地点でにリスクとを交換するな?
11 農薬のリスクと栄養リスクとを交換するか?
12 結論

第9章 地球環境の保護
1 オゾソ層破壊の脅威
オゾン層破壊の防止
歴史的に見た目標リスク
対抗リスク
リスクの比較
リスク上優位な移行
2 地球温暖化の脅威
政府的突出と科学的不確実性
地球温暖化防止のための行動
地球温暖化防止に伴う対抗リスク 温暖化の影響 地球寒冷化
偏狭な地球温暖化防止に伴う対抗リスク 気体間移行 国家間移行
温暖化以外の影響からの対抗リスク
森林と地球温暖化
リスク評価
リスク上優位な選択
3 結論

第10章 リスク・トレイドオフの解決をめざして
1 リスク・トレイドオフの源泉
無視された声
体験主義
監視役割の制限
新-旧の先入観
行動に見られる反応
解決に向けて
2 リスク・トレイドオフ解析の決定過程への組み込み
3 医療決定における進歩
4 政府決定における進歩
立法府
行政機関
裁判所
国際制度
5 リスク削減のための新しいパラダイムに向けて