6月22日(金) 対戦相手:表現方法
稽古場
今日はちょっと芝居、というか表現の専門的な話です。
環境戦隊ステレンジャーの7月1日諏訪市でのショーの稽古がありました。【ステレンジャー the blog】にも書いてますが、今日は稽古の一番の山場である動きの作成作業ですね。そして案の定、今日一日では足りませんでしたのでショーの後半の一番盛り上がる部分となる残りは次回の稽古に持ち越し。
うん、やっぱり時間が掛かるんだね。
時間が掛かる理由はふたつ。ひとつはこのゴミ減量編が久々の上演であり、しかも圧倒的に上演回数が少ないのでほぼイチから動きを作ってるから。もうひとつはレッド&ブルーの経験値が低い事でしょうね。これが表現者として場数を踏んでる人なら1伝えて3くらいになってアウトプットしてもらうんですが、1伝えたら1が出てこない。そうすると1になるまでの過程を伝える訳ですよ、0.3とか0.5の部分をね。でようやく1にたどり着く。だから時間掛かるんです。
圧倒的に経験が少ない。そうなると例えば
「~~するんだ!」
みたいな台詞があったとして、ヒーローですからね、変身してようがしてなかろうが言葉や表情だけでなく身体で会話して貰いたいんです、演出としては。しかも今回の諏訪は劇場で開催です。大ホールクラスのキャパです。なので小さい動きをチマチマしてるより大きくビシっと動いて貰いたいんですね。で、「~~するんだ!」の時の代表的な動きとしてはこぶしを握り片手を胸の前にピタっと止めるとそれっぽく見えるんです。で、レッドとブルーはこの決めポーズの持ち数がやっぱり少ないんです。これを今日の稽古場では
「カードの枚数が少ない。」
と表現してみました。カードゲームでもトランプでも「これさえあれば勝てる!」というカードがあるでしょ。その枚数が全然少ないのね、この2人は。しかもしかも、例えばが続いて恐縮ですが分かりやすい例としまして
「~~するんだ!だから▲▲だぜ!!」
という台詞があったとしてね、そこに身体の動きを付けた場合、最初の「~~するんだ!」で拳を胸の前で握り、次の「だから▲▲だぜ!!」で逆の手の拳を握る。そんなん動きとしては
全然面白くないわ!
手が入れ替わっただけでリズムも単調でしょ、だったら拳握らなくて良いから最初の「~~するんだ!」では手を付けずにね、首を振るだけで十分なんです。で、その後の決め台詞で拳を加えてもらえばかっこよさ倍増ですもんね。だから今日はある程度の動きもつけておいて、ある箇所ではフリーに、考えてもらって動いて貰う。そんな稽古にしてみました。
「はい、今つまんないカード切ったよ!」
「うわー、リズム単調ぉー。」
容赦ない激が飛びますがそれもこれも2人に成長して貰う為、そしてステレンジャーのショーを楽しく観て貰う為なのですよ。同じ事はピンク役のなっぱさんにも言えて「◎◎しようね。」の時につい人差し指を立ててポーズ。
「あ、また同じ動きだっ。」
「しまった…。」
作りこみ作業はまだまだ続くのでした。全国のヒーローの皆さん、演出とか要りません?すんげーイイもん作りますよ。
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