五年半にわたる小泉政権が終わる。各方面でその総括・検証が行われているが、なぜか、あの「橋本改革」が「小泉改革」の礎になったことへの本格的な分析がない。旧橋本派(現津島派)が、小泉首相の構造改革路線、すなわち「自民党をぶっ壊す」、その標的になったからか、晩年の橋本氏の「一億円ヤミ献金問題」等の影響もあるのか。
しかし、いずれにしても「小泉改革」の分析・評価のためには、その先駆となった橋本改革へ . . . 本文を読む
竹中平蔵氏が、小泉政権終了と同時に、大臣だけでなく参議院議員も辞職することを表明した。「無責任」「投票した有権者への裏切り」等々の批判は甘受すべきだが、私には、彼の気持ちが手に取るようにわかる。
レベルも次元も違うが、私も竹中氏と同じような境遇にあった。「弱冠39歳の官僚出身の若造が、ちょっと総理に気に入られたぐらいで国政を左右するのはけしからん」。当時私は、橋本内閣の総理秘書官として、官邸 . . . 本文を読む
自民党総裁選が始まり、予想通り、安倍、麻生、谷垣の三氏の争いになった。それぞれ立派な方なのだろうが、考えてみれば、いずれの方もつい五年前までは「Nothing」だった。
それが「Something」になり得たのは、言うまでもなく、小泉首相が彼らを急速に取り立てたからだ。安倍氏については、官房副長官→幹事長→幹事長代理→官房長官と意図的に経験を積ませ実質上の後継者とした。麻生氏は、01年の総裁 . . . 本文を読む
そして加えて「世論の未成熟さ」「脆弱さ」だ。日本の場合、マスコミもそうだが、ある獲物(対象)が出てきたらピラニアのように群がり、散々食い尽くした後は何事もなかったかのようにどこかに去ってしまう。「熱しやすく冷めやすく」、関心や興味が長続きしないし、それだけ物事の本質をゆっくりと見ようともしない。一旦ある方向に振れると一気に振り抜け、元に戻ってこない。
私はよく、日本の世論は「塑性(そせい)変 . . . 本文を読む