goo blog サービス終了のお知らせ 

アジア的生産様式

2006年05月28日 | 日々のアブク
 先日,出張先の山奥の宿で奇妙な夢を見た。私はどこかの工場で働いていた。建屋玄関のすぐ脇にある薄暗い作業場の片隅にうずくまるようにして,何か小さなプラスチック部品のようなものを削っていた。何の工場だかはよくわからない。ぼんやり滲んだ蛍光灯の明かりの下で,注意深く慎重に小さな部品を削る。早朝から夕暮れまでろくろく休み時間もなく一日中同じ作業が繰り返される。すこぶる単調で肩の凝る仕事だった。けれど,失 . . . 本文を読む

セツナイ夢,ナサケナイ夢

2006年01月30日 | 日々のアブク
 最近,夕食を済ませると,2階の仕事場兼父部屋にひとり籠もって約1時間ほど食後の仮眠をとるのが習いとなっている。昼のあいだ,ずっと仕事机に張り付いたままで根を詰めたデスクワークを継続して行っていると,加齢からくる体力の消耗が,筋肉や経絡,各種神経系のみならず,脳髄の奥の方にまで諸々の悪影響を及ぼしてゆくことは如何とも避けがたく,知力は減衰し,気力は萎え,リンパは滞留する。要するに正常な身体活動を維 . . . 本文を読む

良性発作性頭位眩暈症

2005年07月18日 | 日々のアブク
 四月になって春が来て,年度が改まり前年業務も一段落し,それとともに新たな仕事がほとんど入って来なくなった。あら困った。でも嬉しい。よーし,これでようやっとヒマになったゾ。哀れな父にもかくして遅まきながらの春が訪れたというわけで。さてと,自転車でどこか遠出をしようか,一日中気ままに歩き続けて行けるところまで行ってみようか,それとも今年こそは丹沢山麓のいろんなマイナー・ルートを開拓しようか。などと, . . . 本文を読む

ワラワラワラ,と

2005年05月23日 | 日々のアブク
 突然,何ダ何ダ!と驚かれたかも知れませんが,これは卵から孵化してから3日ほど経たブラックバスの赤ん坊であります。より正確にいえばコクチバスMicropterus dolomieuという種で,全長10mmにも満たない,未だオナカに卵黄(栄養源)を抱えている前期仔魚flyという段階のものです。実は,このいささか凄みのある容貌のアカンボ君は,現在我が家の小さな水槽内を泳いでいる,というかほとんど泳が . . . 本文を読む

どうせ一度の人生だから...

2004年11月21日 | 日々のアブク
 一枚の古ぼけたモノクロ写真がある。3才と5才の幼い兄弟が祭り半天を身にまとい,バラック建てのようなボロ家の前で仲良く並んで笑っている。チビた下駄をはき,頭に鉢巻き,顔にはうっすら化粧をほどこし,兄は弟の手をしっかりと握っている。小さいのが3才の私,そして大きい方が5才の兄だ。今ではとうに記憶が薄れてしまって当時のことなどほとんど何も思い出せないのだが,恐らくは秋祭りのときのスナップ写真だろうか。 . . . 本文を読む

地図の亡霊 (主題図から基本図へ)

2004年10月15日 | 日々のアブク
 『日本国勢地図帳』,別名『ナショナル・アトラスThe National Atlas of JAPAN』という非常に大部な書物がある。1977年に建設省国土地理院から刊行された図書で,サイズは縦×横×厚さが60.5cm×42.8cm×4.0cm,総頁数366pp.,重量約7kg(全盛期のミーシャに匹敵するくらいだ!),装丁は重厚長大,背革の量だけでも約1,200c㎡ある(革の財布がいくつ作れること . . . 本文を読む

現代日本における愛と憎しみのコンプレックス

2004年05月15日 | 日々のアブク
 詩人にとって春は実にツライ季節だ,などと嘗て歌ったのは,さて誰であったか。中原中也か,ウォルター・ホイットマンか,カール・ブッセか,中島ソノミか。いや,誰だって構わないんだけれども,ともかくそういった状況を現在の我が境遇に当て嵌めてみると,いい年をして,世間知らずの,高踏的な,タガの外れた,超カンチガイの,言ってみれば「萩原朔太郎的悲しみ」のようなものがフツフツと湧き上がってくる切ない季節のごと . . . 本文を読む

サヨウナラ 桜木町駅!

2003年01月30日 | 日々のアブク
 東急東横線の桜木町駅がMM21線の開業に伴い来年1月で廃止になる,というニュースが先頃報じられていた。はぁ,左様ですか。現在の私にとっては全くの他人事に属する話題ではあるけれども,何を隠そう,今を去ること10数年前には「桜木町駅←→中目黒駅」間の通勤定期所有者だったこともあるのだ。  当時,JR関内駅下車徒歩1分,地下鉄関内駅のほぼ真上に位置する場所に住んでおり,そこから中目黒駅近くに事務所を . . . 本文を読む

デスクトップ・パソコン が トレッキング・シューズ に化ける

2002年10月20日 | 日々のアブク
 古いパソコンを処分することにした。約3年半ほど前に購入したデスクトップ・パソコンで,当時としては最新・高性能の機種,価格も確か20万円以上したと思う。そのマシン能力からすれば現在でも決して仕事に使えないわけではないのだが,諸般の事情から我が仕事場には余分な,単なる場所塞ぎの「鉄の箱」になってしまったので,少々無駄とは思いつつも,エイヤッ!と売り払うことにした次第である。  処分方法については, . . . 本文を読む

ジジ・ババのコンテスタシオン

2002年07月01日 | 日々のアブク
 もう10年以上も前から現在に至るまでずっと,日常的に「万歩計」を身に付けている。初めは日々の自己健康管理の一助として,というような殊勝な心掛けから始まったように記憶しているが,その後しばらくすると徐々に初期の目的意識は失なわれ,それでもせっかく持っているのだからと半ば惰性で装着する状態が続き,惰性はやがて習慣となって,現在に至るまで絶えることなく万歩計を携えて毎日を過ごしている。日々の歩行記録も . . . 本文を読む

リサイクル社会を支えるヒトビト

2002年06月19日 | 日々のアブク
 最近,我が家の電気製品が実によく壊れる。4月から5月にかけての2ヶ月間で,電子レンジ[13年目],掃除機[11年目],電気カミソリ[7年目],CDコンポ[6年目]と立て続けに壊れ,さらに洗濯機[9年目]も一時は瀕死状態におちいってしまったが,これは暫くして何とか息を吹き返した。そして,今月に入ってもその勢いは止まらず,まず2台目の掃除機[7年目]が壊れ,マウンテン・バイク[8年目]の後輪タイヤが . . . 本文を読む

ナンシー関とボリス・ヴィアン,ともに享年39才

2002年06月12日 | 日々のアブク
 ナンシー関が死んだ。同時代のサブカルチャー,特にテレビ・メディアに対する冷徹で痛烈な批評には,世代の差を越えて納得し感心させられることしばしばであった。その出自はともあれ,「消しゴム版画家」などというメチエは単なる表看板に過ぎないのであって,テレビ文化の硬派論客としてまことに希有な才能であったと思う。  新聞記事には享年39才,死因は虚血性心疾患とあった(ヲイヲイ,まるでボリス・ヴィアンと同じ . . . 本文を読む

「花粉症自慢」の跋扈する季節に

2002年03月12日 | 日々のアブク
 スギ花粉・ヒノキ花粉の乱舞するこの季節,世間には辛い思いで日々を過ごしている人々が少なくないようである。特に近年では,年を追うごとに新たに花粉症に罹患する人々が着実に増加の途をたどっているらしい。ただしそのような状況のなかで少々気になるのは,昔に比べると日常的にごくアタリマエに「花粉症自慢」をしている人がかなり目立ってきていることだ。まるで日陰者が無理矢理白日の下に出張っているような感じで,「自 . . . 本文を読む

公共図書館をめぐる憂欝

2002年02月24日 | 日々のアブク
 図書館の中で傍若無人に振る舞い騒いでいる中学生の悪ガキ・グループに対して,その悪しき態度を注意・叱責したプータロウ(もといホームレスのヒト)が,その後,ガキ共の執拗かつ陰惨な仕返しにあって撲殺された,という何ともやりきれない事件が少し前にあった。  公共図書館の内部における悪ガキとプータロウ(もとい無宿者)との混在という図式は,とりわけ今の時代,今の季節にあっては,本邦各地においてごくごく日常 . . . 本文を読む

「メダカ・ビジネス」の成立

2001年11月11日 | 日々のアブク
 昨日,朝食をとりながらアサヒ・シンブンなどを眺めている折りに,比較的大きな広告の片隅に次のような珍妙な文章が目にとまった。それは「環境計量士」資格試験の受験指導に関する通信教育講座を主催しているらしい会社の営業広告の一節である。 ----------------------------------------------  平成11年、河川の環境悪化により「メダカ」が絶滅危惧種に指定されました . . . 本文を読む