お墓と向き合い生死を見つめ直すブログ~富山のお墓レスキュー隊 亀山龍厳~

お墓を建てる石工職人の立場から、お墓について、どんな想いでお墓を建てているのか、などを書いています。

エフロレッセンス(白華現象)の実害は

2016-09-22 04:15:47 | お墓
昨日はエフロ現象(白華現象)について書いてみました。
いたるところで見る白い悪魔。エフロ現象。白華現象。

今日はその実害、主に安全上の実害があるか?
について書きます。

*エフロというのはエフロレッセンスの略ですが、以下もエフロと表記します。



エフロの大きな害は2つ。

1)見た目が悪くなる
2)経年劣化が早くなる

と私は考えています。

安全上の害は2の『経年劣化が早くなる』ですね。
しかし「エフロが出ていない箇所と比べると」という枕詞がつきます。


エフロが出現するためには
コンクリート内部にひび割れが存在し、
そこを水が通過する必要があります。

つまり、エフロが出ている箇所は
無数のひび割れが多く存在している可能性が高いのです。
通常は目に見えるか見えないかのひび割れです。

このひび割れがあるからといって大きな強度低下はまず起きません。
が、内部の鋼材(例えばコンクリート内の鉄筋)が腐食してしまう可能性はあります。

またコンクリートは密度が高いほど強度が上がるので、
ひび割れが多いということは密度が低い箇所があり、
そこは強度が下がっている可能性があるのです。

ですから経年劣化が早くなるのです。


よく見かけるのですが、
住宅などのタイルなどからエフロが出ている場合、
水がまわっている可能性があるので凍結時の水の膨張により
はがれやすくなる可能性もあります。
(かと言ってすぐにはがれてくることは非常に少ないのですが。)


タチが悪いの
一度エフロが出た箇所をあとからどうにかするには
対処療法しかないということです。
そしてゼロにすることは非常に難しいのです。

やはり施工するときに最初から考えておく必要があります。




私の専門のお墓に限って言えば
エフロはお墓の施工方法、施工品質、使う資材を厳選することにより
それを限りなく少なくすることは可能です。

これは私がここ数年試行錯誤を繰り返し、
ようやく『ほぼ出ない』というところまできたから言えることです。


今までの一般的な施工法だと、
ひどい場合は建てて10日ほどでエフロが出まくっているところもありますので

数年「ほぼ出ない」というだけでもすごいことなのですが、
ものがお墓だけに本来は数十年単位で経過を観察しないといけないと思っています。


ただやはり
・施工条件(気象条件)
・施工にかかる手間
・施工品質の維持
・厳選された資材
などの諸条件をそろえる必要がありますので、
説明させていただき、ご納得いただいた上での施工となってしまいます。




これを書いたのは
エフロと戦う石屋さん。
富山のお墓レスキュー隊 隊長 亀山龍厳でした。



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