昔々、そう俺がまだ小学生のころ、時の首相が所得倍増計画なるものをぶち上げた、んだそうだ。世の中のことがまだよくわかっていなかった俺には何の事だかよくわからなかったんだが、「貧乏人は麦を食え」のフレーズだけはしっかり覚えている。そう言われる以前から我が家は麦飯が当たり前だったのではあったが。そして60年後、食べ盛りの子供の数は半分以下に減り、コメの作り手が減り、今年に限っては市場に出回るコメが減り、去年の倍の価格で売られている。スーパーや米屋が抱え込んで倉庫に眠っているんだったら、打ちこわしだって起こりかねない状況だと思うんだが、小売店まで回ってこないという状況が、暴動を抑えているといっても過言ではない。政府のとった備蓄米放出策も米だけに、糠に釘、ってか。
コメ1合は約150g、銘柄米なんかには見向きもせず、おかずに頼って流し込む主義なので、味にはこだわらないから1食1合は40円程度に収まるという感覚だったが、今では倍の価格になって、パンとさほど差が無くなってしまった。味にこだわる人は、もう少し多めに払っているんだろう。支払われた金は、コメだからこそ巡り巡って国内の農家に渡っていくんだが、パンだと海を渡って米国(米穀ではない)農家の手に渡ることになるんだろう。今後も安定して米を作り続けてもらうためにも、コメは高いからとパンに切り替えてはならない、と思う。じゃ、パン、の危機。
さっきスーパーで買い物をしていて、餅の値段がコメほど上がっていないことに気づいた。コメ不足になる前はコメの2割高ぐらいのイメージだったが、コメ騒動とは無縁の1㎏500円台半ばという値段だった。今、コメ10㎏は9000円だ。瞬時にそろばんを弾いて、即買い。貧乏人は餅を食うべし。ただし、美味しいからと食べ過ぎぬように、との自制心は必要。
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